ニュースリリース

デロイト トーマツと日本製鋼所M&E、室蘭市が共同で、「水素とCCUを活用した『鉄の街』でのカーボンニュートラルな街づくりに関する調査」を実施

NEDOが実施する「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」の委託先に採択

2022年6月21日

デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(代表執行役社長:佐瀬 真人/以下、「デロイト トーマツ」)と、日本製鋼所M&E株式会社(代表取締役社長:武谷 健吾/以下、「日本製鋼所M&E」)、並びに室蘭市(市長 青山 剛)は共同で、水素社会構築技術開発に向けて、「水素とCCU※1 を活用した『鉄の街』でのカーボンニュートラルな街づくりに関する調査(以下、「本調査」)」を実施します。本調査は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)が公募した「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査※2 」の1つとして2022年6月に採択され、NEDOの委託事業として実施するものです。

2020年10月のカーボンニュートラル宣言以降、グリーン成長戦略において、エネルギー産業では、再生可能エネルギーや水素・燃料アンモニア、次世代熱エネルギー等が重点検討項目に設定され、技術開発や政策的施策が推進されています。北海道においては、再生可能エネルギーのポテンシャルが電力需要を大きく上回ることに加え、今後洋上風力の計画も複数予定されており、余剰再エネを活用した水素製造ポテンシャルが高いとされています。こうした状況を踏まえ、北海道庁では、「水素社会実現戦略ビジョン」を策定し、水素を活用した脱炭素化に向けた検討を官民一体となり推進しています。

室蘭市では、2021年5月に「室蘭脱炭素社会創造協議会」が設立され、産業・民生利用を含めた、水素利活用に向けた社会実装モデルの検討が開始されました。その背景として、室蘭市が最も脱炭素が困難なセクターの一つとされている製鉄・鉄鋼業を主要産業としており、脱炭素化に向けた方策の検討と社会実装に向けた実証に取り組むことは喫緊の課題となっていることが挙げられます。

本調査は「室蘭脱炭素社会創造協議会」の取り組みの一環として、CO2削減が難しい製鉄・鉄鋼業を主要な産業とする室蘭市において、日本全国の「鉄の街」の脱炭素先行モデルとして、大規模な水素導入モデルを検討するとともに、室蘭から、苫小牧・千歳・札幌を結ぶJカーブ経済圏に向けた水素供給基地となることで、北海道内でのカーボンニュートラル達成に貢献することを目指します。具体的には、室蘭地区を中心として、水素の利活用ポテンシャルを算出し、短・中期の水素導入のためのキーアクションである、メタネーション※3 による合成メタンの製造、産業部門における実装可能性を検討していきます(参考図)。

デロイト トーマツおよび日本製鋼所M&E、室蘭市は、地域産業・住民、ならびに関係団体の皆さまの意見と政府方針を踏まえながら、室蘭地域における脱炭素化モデルとして、水素利活用を軸とした「鉄の街」モデルを構築・検証し、全国に展開することで、持続可能な脱炭素社会への貢献を目指してまいります。

 

※1 CCUは Carbon dioxide capture and utilizationの略で、排出されたCO2を分離・回収して、新たな製品の製造に利用するプロセス

※2 NEDOによる公募事業 https://www.nedo.go.jp/koubo/SE3_100001_00017.html

※3 水素と二酸化炭素から合成メタンを製造する技術
 

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