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氷山の一角:テクノロジーがもたらすシステミックリスクとイノベーションの役割

世界経済フォーラム(World Economic Forum)とデロイトによるレポート

金融サービスにおけるテクノロジー導入の加速は、一方で新たなリスク要因も生み出しています。それらはエコシステム全体に蓄積され、システミックリスクを形成する可能性があります。これらのリスクの多くは解釈・予測が困難であることから、低減することは容易ではありません。低減策は過去のインシデントから得た教訓と将来想定される結果の両方から考えることが必要です。

 

 

デロイトと世界経済フォーラム(World Economic Forum)は金融業界のシステミックリスクを理解するために、金融機関、金融・非金融分野におけるテクノロジー企業、規制当局、政策当局、学術機関の200人以上のシニアリーダーや専門家を対象に、過去12ヶ月に亘って調査、インタビュー、グローバルワークショップを実施しました。

本レポートは潜在的なシステミックリスクを明らかにし、金融業界におけるテクノロジー活用の進展がもたらす短期的あるいは長期的なリスクとその主な影響を特定するとともに、リスクの低減に寄与する新しいテクノロジーとイノベーションの可能性について検討しています。

本レポートでは、個別リスクの発生源を6つの項目に分類し、システミックリスクの発生と増幅におけるテクノロジーの役割を明らかにしています。

  • デジタルにおける相互依存:近年みられる特定の重要なサービスプロバイダーに対する相互接続の拡大、集中度の高い依存は、金融システムの基幹的機能を危険に晒し、悪用される可能性のある脆弱な接点を増やしています。
  • モデルの脆弱性:対外戦略における共通の分類法がなく、起こり得る将来の情報がモデルに十分に組み込まれていないことは、金融サービス事業者に大きな不確実性をもたらしています。
  • 事業者ベース規制のギャップ:伝統的な規制の対象とならない新しい金融サービスは、金融の安定性、消費者保護および市場の健全性にリスクをもたらしています。
  • 相反する各国の優先順位:グローバルの意識や協調が欠如したまま、各国が不統一に独自のアプローチをとっていることは、サイバー攻撃、金融犯罪、および国境を越えたデータ問題が世界中の金融システムに被害を及ぼすことを許しています。
  • 新たな影響力:新たな影響力の発生源は、市場操作の新たな機会と、現在の市場保護メカニズムの範囲を超えた金融市場参加へのパラダイムシフトを生み出しています。
  • 金融排除の新たな要因:テクノロジーは金融包摂の促進に貢献してきましたが、特定の利用者のアクセス不能、アルゴリズムによる偏り、国際金融の繁栄の妨げなど、意図しない結果も生じています。

今回の分析は、WEFのテクノロジー、イノベーション、システミックリスクに関するイニシアティブの一部です。本レポートにおける洞察が、水面下に潜むテクノロジー起因のシステミックリスク全体像を業界のリーダーたちに示し、低減策の意思決定に貢献できることを期待しています。

世界経済フォーラムレポート(全文)

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