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Crunch time XX-決断の時20

未来を見据える経理財務部門のための新たな展望

事業環境の変化が予測不可能なものとなっている中、組織全体として迅速に方向転換することを余儀なくされています。未来を見据える経理財務部門のための新たな展望として、プロセスの自動化から、自律的な運営に切り替える「Lights Out」というアイデアがあります。「Lights Out」を通じて効率性を高め、真の意味でのダイナミックケイパビリティに近づけると同時に、経営・事業にとってより良い支援を提供し、企業の価値を向上させることができます。

未来を見据える経理財務部門のための新たな展望

地政学的問題から社会的不安、人材不足問題などさまざまな混乱により、ビジネスサイクルが予測不可能なものとなっているため、組織全体として迅速に方向転換することを余儀なくされています。経理財務の責任者たちは、プロセスの自動化が真に業務を効率化し、人材の最大限の活用ができるか、組織全体でより高いレベルでパートナーシップを結びつつ、期限内に会計締めを完了することができるのか、と疑問に思うことは当然です。そこで、プロセスの自動化から、自律的な経理財務部門の運営に切り替える、経理財務部門のバックオフィスの「Lights Out」というアイデアがあります。「Lights Out」を通じて、財務は新しいビジネスモデルに対するガイダンスを提供し、効率性を高め、計画や予測のためのより予測可能な情報を提供します。経理財務機能を追跡・監視、そして真の意味でのダイナミックケイパビリティに近づけると同時に、経営・事業にとってより良い支援を提供し、企業の価値を向上させることができます。

当社の「Crunch Time」レポートは、経理財務部門のリーダーが人材のニーズと将来の要求に対応するために、業務、人材、職場をどのように進化させるかを詳しく調査したものです。

Crunch time XX-決断の時20 未来を見据える経理財務部門のための新たな展望〔PDF, 1.6MB〕

「Lights Out」の推進要素

「Lights Out」の目的地に関係なく、「Lights Out」を機能させる要素があります。

「Lights Out」はオンかオフかではありません。組織が進むべき適切な手順を踏むことです。つまり、ビジョンの明確化、目標の設定、それからダイアルで互いに補完し合う結果の組み合わせを創造することを意味します。

  • 自動化を支援し、効率と効果を向上させる標準化プロセス
  • テクノロジーの重複を、決算サイクルを短縮できる単一プラットフォームによるクラウド型ERP
  • 人がより付加価値の高い業務に集中するための特定の目的に特化し自動化したシステム、またはテクノロジー(認知・機械学習機能など)
  • 複雑な取引状況においてRPAや高度なAIを活用し精度を向上させる自己修正タスク
  • インサイトの自動生成やリアルタイムレポートを提供する高度な分析機能やセルフサービス機能
  • 必要に応じて迅速に軌道修正や戦略変更を可能にする標準化されたデータ
  • 従業員、ロボット、アルゴリズムを含むフレキシブルなサービス提供モデル(人と機械が互いの長所を引き出すため協力すると考えます)
  • 全体のプロセスチェーンで24時間稼働する、リスク感知を目的とした体系的な構成と自動化された制御のフレームワーク (これらの推進要素なしには、Lights Outは機能しません)

 

なぜ「Lights Out」する必要があるか

Lights Outを実行することで、経理財務部門は真の意味でのデジタル化、ビジネス要件に合わせた拡張・縮小、コスト削減など、より多くのことをより良く行うことができます。

  • AIや予測分析などのテクノロジーを活用した、キャッシュフロー、貸借対照表、損益計算書などのインサイトの生成と分析
  • 事業部門が一体的かつ迅速に活動できるようにするクリーンデータとデータ標準化(AIによる自動データクレンジングが実現しており、進捗に合わせたデータクレンジングができます)
  • 組織全体の標準化と問題解決に向けた積極的なアプローチを可能にする、シナリオベースのプランニングと意思決定
  • 人材戦略やテクノロジー戦略、そして収益性にも貢献するコスト削減
  • 未開拓の才能を活用することで、より多くの業務ができるヒューマンリソース
  • 先見的な分析とストーリーテリングによってビジネスに価値を提供できる、より積極的な経理財務担当者
  • 変化や新たなビジネスニーズに沿った柔軟かつ効率的な経理財務運用モデル
  • 拡張性を備えた長期的なデジタル化

 

決断の時

将来に向けて構築された経理財務部門は、ダイナミックで、リスクを感知し、いかなる混乱にも対応する能力を持っています。

迅速に方向転換し、瞬時に反応してダイナミックに企業を支援することがいかに重要であるかが明らかになりました。その鍵となるのは、自動化したプロセスやより深く、より戦略的な方法でパートナーシップを結ぶことを可能にするテクノロジーの活用です。

適切な手順と進め方を理解すれば、バックオフィスのリソースやコストを追加することなく実現できるのです。

それがLights Out Finance™であり、経理財務部門が迎える新たな局面なのです。

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