連結決算業務を推進：海外の親会社・子会社の対応も必要

2. 連結決算

当社のコントラクトパーソネル（CP）サービスにご依頼いただく主要な相談事案のひとつとして、連結決算の支援があります。連結決算は、各社で担当するメンバー数も少ないことが多く、その専門性から業務が属人的になりがちで、担当の責任者が退職すると混乱するケースが散見されます。また、海外子会社を含めた連結も多く、国によって商習慣の違いや価値観の違いもあり、国内と同じ期待値をもって業務を進めることが困難な場合もあります。

以下の事例は、連結決算の責任者や担当者が急に退職したケースです。日常から業務を標準化・書面化し、ノウハウを共有しておくことは重要なポイントとなります。

2.1　決算直前で連結課の課長が退職したため、連結決算業務の実施、監査法人対応ならびに有価証券報告書の作成をリード

【クライアント】

日本上場企業（機械製造業）
財務部 連結課
 

【経緯／状況】

連結決算の実質責任者である連結課の課長が決算直前で退社し、社内では即戦力の後任候補が見つからず、目の前の決算を乗り切るため、当社に依頼があった。
 

【当社の対応】

チーム内の状況を把握し、改善点を提案

決算直前での課長の退職に動揺するスタッフと面接と行い、コミュニケーションを図るとともに状況を把握。国内外の子会社より月次で報告を受け、決算財務データの分析および検証を行い、各社へフィードバックを行うという日常業務をクライアントのチームメンバーとしてサポートした。現状の月次連結業務の質・レベルに対する評価をまとめ、問題点の改善の提案をした上で、標準手続きを構築しマニュアルを作成。若手スタッフへの教育ならびに指導を実施した。
 

関係者に根気強く説明し、理解を得る

監査上争点となる可能性がある在庫や開発費について把握するため、工場や開発部門を訪問し、状況を把握。また、転職して間もなかった営業本部長に、監査上必要となる書類や数値の策定について詳細に説明し、協力を得ることができた。これらの状況をまとめ、経営企画室と協力して社長に報告し、方向性について取締役会にて承認された。

監査法人との信頼関係にも問題があったため、監査法人に対しても財務数値の正確性を示す資料を準備し、根気強く説明を行うことによりご理解をいただき、クライアントにとっての最大の懸念であった、有価証券報告書提出を無事に期限までに提出することができた。
 

【担当した当社のプロフェッショナル】

監査法人、税理士法人を経て、クライアント常駐型のサービスを行うコンサルティング会社にて日系企業から外資系まで多数のプロジェクトを経験。税理士。

2.2　決算期における単体決算税務担当者の急な退職があり、連結決算および連結納税の支援と業務改善、標準化を実施

【クライアント】

米国および日本上場企業（製造業）
経理部 決算課
 

【経緯／状況】

決算期における単体決算税務担当者の急な退職により、連結決算および連結納税のサポートができる即戦力が必要とされ、当社に依頼があった。
 

【当社の対応】

前々任者との連携

単体決算税務担当者は退職済みであったため、クライアントの前々任者と協力して状況を把握した。各担当部署から提供される会計数値の検証、およびフィードバックを行った。また、数値をとりまとめ、決算ミーティングを行い、社内承認を得た。

マニュアルを作成し、知識の共有を図る

新会計基準への対応、US-GAAP（米国会計基準）、当該決算期から行う予定であったIFRS（国際会計基準）のトライアル導入のサポート等を実施。これまでは、クライアント社内で知識と経験がある人材に引き継がれていたため、ほとんどマニュアルは存在していなかった。要となるワークシートも、非常に重たいExcelのシートが複数存在していた。

そこで、決算業務を行いつつ、決算手続きに関する一連のスケジュールや各種システムの説明を含むマニュアルを作成。マニュアル化により知識の共有化が図れ、新しいメンバーの参加が容易になった。

これまで作業効率が悪かったExcelのシートを簡略化しつつ、それぞれの数字のつながりが見える形に改善を行ったことで作業効率が上がり、作成およびワークシートの理解が容易になった。また、同時にペーパーレス化も図ることができた。
 

【担当した当社のプロフェッショナル】

監査法人、税理士法人を経て、クライアント常駐型のサービスを行うコンサルティング会社にて日系企業から外資系まで多数のプロジェクトを経験。税理士。

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