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地方創生の実現に向けた「産官民連携」の必要性とその方向性 ~はじめに~

はじめに

政府は2019年12月に第2期「まち・ひと・しごと創生戦略」をまとめ、地方創生は第2期に入った。しかしながら、第1期における進捗と成果は、我が国総体で見ても、また、主導的な役割を担う個々の自治体単位で見ても、未だ途上にあるのが実情であろう。

本稿では、今までの地方創生の取組みの背景にある限界と課題を抽出し、その限界と課題を超え、「レバレッジ」を効かせた成果を目指すための「産官民連携」のあり方を考察したい。

本稿は概略図の通り、全5章を通じて、今後の地域における「産官民連携」のあるべきメカニズムを体系的に示す構成としている。

第1章で、地方創生の限界を生み出している自治体ゆえの理由とその限界を超える「産官民連携」のあり方を述べる。その上で、第2章では民間企業に視点を大きく振り、民間企業が政策テーマとの連携をとりながら地域で事業を構想するための独自のアプローチを提示する。第3章では、民間企業との連携に加え、地域課題解決において不可欠なNPOや地域住民等を交えた地域における協働メカニズムについて言及する。第4章ではそれら各プレーヤーに共通の目標を与え、価値共創を実現するための共通基軸となりうる「社会的価値評価メカニズム」について言及し、特に今後の地域において実行の中核的役割が期待される民間企業に焦点を当て、その意義と導入に向けた課題を提示する。最終章である第5章では、一層の財政制約が不可避な中、産官民連携の下、地方創生に向けた事業を地域に新たに生み出すためのファイナンススキームのあり方について考察する。

地方創生の主導的な役割を担う自治体の方々、課題先進国と標榜される我が国における新たな事業機会の探索とSDGsに代表される社会的負託に応えようとする民間企業の方々、地域への想いの下で想いに適う投資機会を模索する方々をはじめ、地方創生に関わる多くの方々への一助となれば幸いである。

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