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剰余金の配当により利益剰余金がマイナスとなる場合の取扱い

『国税速報』令和元年11月11日号

本稿では、剰余金の配当により利益剰余金がマイナスとなる場合の取扱いに関して、例を用いて解説します。

【疑問相談】法人税

「剰余金の配当により利益剰余金がマイナスとなる場合の取扱い」

Question:
内国法人Pは、5年前に50億円を出資して、米国デラウエア州の会社法に準拠した外国子会社S(S社)を設立するとともに、S社の発行済株式(S社株式)の100%を取得しました。S社は、当事業年度中に、S社株式を100%保有している内国法人Pに対して、利益剰余金を原資とする40億円の配当を行う旨の株主総会決議を行ったところ、S社の純資産の部は、当該決議の直前において、資本金25億円、資本剰余金25億円及び利益剰余金30億円であったため、当該配当が行われた結果、利益剰余金が10億円のマイナスとなりました。ただし、デラウエア州の会社法では、利益剰余金が不足する場合でも、当事業年度等の純利益を含めた額を限度として剰余金の配当を行うことができるため、結果的に利益剰余金がマイナスとなることも許容されています。この場合、S社が、デラウエア州の会社法に基づき、利益剰余金を原資とする剰余金の配当を行うとき、内国法人Pは、その剰余金の配当額40億円について、法人税法第23条第1項第1号に規定された剰余金の配当(以下「剰余金の配当のうち資本剰余金の額の減少に伴わないもの(利益配当)」といいます。)として、外国子会社配当等の益金不算入額の計算を行うのか、または、当該剰余金の配当額40億円のうち利益剰余金がマイナスとなる部分10億円については資本剰余金が減少したものとみなして、法人税法第24条第1項第4号に規定された剰余金の配当(以下「剰余金の配当のうち資本剰余金の額の減少に伴うもの(資本配当)」といいます。)として当該計算を行うのか、いずれの処理方法が税務上の取扱いとして適正であるかご教示願います。

Answer:
添付PDFをご覧ください。

 

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