最新動向/市場予測

大学の役割

Analytics Trends 2015

人材市場では、真のデータサイエンティストが求められており、多くの大学がこの需要の増大に対応しようとしている。アナリティクスの適用範囲が拡大し、様々な業種やビジネスモデルを包含するようになるにつれ、必要な人材を巡る競争は激化している。

Analytics Trends 2015

『ビジネス・アナリティクスにまつわる一時期の狂騒も、やや下火となりつつある』。もしそのように感じられるとすれば、それは企業のビジネス・アナリティクスの活用への関心が失われつつあるからではない。むしろアナリティクスは進展をつづけ、いまや全世界におけるビジネス上の意思決定のメインストリームとなりつつある。アナリティクスは、いわば我々が息をする空気そのもの、我々が航海する海そのものになろうとしているのだ。

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大学の役割

人材市場では、それらしいボタンをポチポチ押すだけの「データサイエンティストもどき」ではない、真のデータサイエンティストが求められており、多くの大学がこの需要の増大に対応しようとしている。アナリティクスの適用範囲が拡大し、様々な業種やビジネスモデルを包含するようになるにつれ、必要な人材を巡る競争は激化している。

ジャーナリズムであれ製薬であれ人事であれ何であれ、アナリティクスとその他の専門領域との融合は、「得られる洞察」に対する期待値を激変させつつある。エンターテインメントを始め一部の業界で、商品開発、マーケティング、人的資源をはじめとする様々な場面において、データに基づく意思決定が導入されつつある。「マネーボール」の手法を映画製作に導入するようなイメージだ。

こうした中、高等教育機関が数多くのデータサイエンティストや定量的アナリストを輩出し始めているというのは朗報ではある。しかし大学側も、新たなデータエコノミー社会を支えうる人材に対して増加する一方の要求に直面し、プレッシャーは高まるだろう。どこかの時点で淘汰が起きるはずだ。新たに設置された専門課程の一部は、様々な理由から有能なデータサイエンティストを十分には生み出せず、失敗するであろう。しかし、より長期的には、確かな定量的スキルを持つ生徒が十分に厚い層に育ち、彼らがこうした専門課程を経て、価値の高い人材として市場に出てくるようになることが大事なのだ。


The So What:

科学(science)、技術(technology)、工学(engineering)、数学(mathematics)の総称であるSTEM 教育は、大学のキャンパスでもっとも頻繁に耳にするバズワードのひとつとしての座を長らく占めてきた。しかしSTEM 教育はここへ来てSTEAM教育という、芸術(arts)の「A」が付加された新たな造語に取って代わられようとしている。これはビジネスに必要なスキルを備えたアナリティクス人材を待ち望むビジネス界にとっては朗報だ。
なぜならビジネス界では、定量的分析スキルだけでなく、そうした分析結果を(ときには図解を用いながら)説得力のある文脈で語ることのできる人材への需要が高まっているからだ。つまり、デザイン思考、可視化、ストーリーテリングといったスキルの重要性がますます大きくなってきているのだ。従来のSTEM 教育は、新たにビジネス界に参入するデータサイエンス人材が最低限不可欠なテクニカルスキルを持っていることは担保している。しかし、それだけではアナリティクスによる成功は保証されない。的確な設問を設定し、批判的に思考し、専門家との連携を図り、技術的な推論・結果を門外漢にもわかりやすく説明するためには、いわゆる「リベラル・アーツ」面での教養も必要となるのだ。

大学は今後もアナリティクスやデータサイエンス関連の専門課程を通じて人材を育成し、ビジネス界はそこから輩出される人材を活用してゆくだろう。大学と産業界は緊密に連携を図り、大学で培われる専門性が、ビジネスで必要とされる業界知識・組織の一員としての要件・卓越したコミュニケーションスキル・ユーザーエクスペリエンスの提供などに確実に結びついてゆくような協力体制を敷くことが不可欠である。

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