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サービスパーツSCMの高度化

デロイト トーマツ グループではサービスパーツSCMソリューションを通して、サービス提供の前提となるサービスパーツを「必要なときに、必要なだけ、必要なところに」用意するために製品とは異なる、サービスパーツならではの特徴を踏まえた最適なSCMの構築をご支援します。

従来の「サービスパーツSCM」

サービスパーツSCMは、製品SCMに比べて取組が遅れる(後回しにされている)傾向があり、製品SCMモデルの踏襲を前提として、オペレーション上でどうしても支障をきたす部分のみを微修正するといったスタンスでの運用構築が行われてきました。サービスパーツ独自の特徴があるにもかかわらず、それを踏まえて戦略的、能動的にSCMモデルを構築できていないため、全体としては過剰ともいえる在庫を抱えている一方で、依然としてサービス率(顧客からのサービスパーツ依頼に対する在庫引当率)が目標に到達していないのが現実です。また、本来イレギュラー運用であるべき、緊急出荷が日常化し、オペレーション及び輸送コストの両面で負担となっています。 

デロイト トーマツ グループが考えるサービスパーツSCM

サービスパーツの特徴の一つである「膨大な品目点数」を全て一律に扱うのは効率的ではありませんし、また、現実的とも言えません。限られたリソース(ヒト・モノ・カネ)で供給プロセスを効率的にマネジメントするためには、各品目を一律に扱うのではなく、サービスパーツをいくつかの品目カテゴリに分け、それぞれの特徴、ライフサイクル上のステージを踏まえたメリハリの利いたSCMモデルに基づいて管理することが肝要です。つまり、限られた人が重点的に注視すべき品目がどれか、限られたキャッシュをどのパーツ在庫のために配分するか、さらには、限られた倉庫スペース等の資源をどのパーツのために使うべきかを明らかにし、顧客の満足度向上に最も貢献するSCMモデルを構築することが必要なのです。 

サービスパーツSCMコンサルティングサービス

デロイト トーマツ グループでは、サービスパーツSCMコンサルティングサービスを通して、SCM戦略の立案、それを実現するビジネスプロセスのデザイン、ITソリューションの導入までの一貫したコンサルティングサービスを提供します。製品SCMにも共通する要件に加え、サービスパーツならではの要件を踏まえて、Check & Actionの高速サイクルを支える業務基盤の確立、及び、定着化をサポートします。本ソリューションの着眼点は以下の通りです。

1.パーツカテゴリ毎のSCM対応方針定義(メリハリの明確化)

まず必要なことは、パーツの特性、調達リードタイム、地域、ライフサイクル等によりパーツをカテゴリ分けすることです。こうしたカテゴリ別に、顧客への供給リードタイムや納期回答リードタイムの定義、又は各拠点別の在庫水準とそのための調達方針を定義します。

 

2.カテゴリ別のプロセス・ルールの定義(実行プロセス構築)

SCM対応方針を実現するため、需給計画~生産、納期回答、調達計画の各プロセス・ルールを定義します。要求サービスレベル実現のため、本体生産プロセスとは異なるサイクル(確定期間の長短の違い等)で運用が求められるパーツの識別と、最適な計画サイクル、計画対象期間を設定します。

 

3.グローバルでの情報インフラ整備・プロセスの見える化(判断材料と実現手段の確保)

他の4つの着眼点を実現するために、どのようなデータを蓄積・可視化するかを定義すると共に、評価指標の算出等、データ活用に必要な機能を、サービスパーツならではの要件を踏まえて定義します。

 

4.SCMを最適化できる組織機能の定義(役割・権限の明確化)

SCM対応方針を実現するため、最適な計画および供給を果たすための、業務プロセスごとの責任部署と果たすべき役割(在庫責任、需要予測責任、供給責任等)を明確化します。

 

5.グローバルでプロセスを評価する仕組の定着(維持・向上の仕掛け)

各部署/プロセスに求められている責任が果たせているかを、KPIで測定、定期的にレビューを行い、目標未達に対する改善や、さらなるサービスレベル向上のための打ち手を検討・共有するPDCAサイクルを構築します。

サービスパーツSCMを運用する上での課題は大小多岐に渡りますが、常に上記5つの視点を通して具体的な取り組みを導出することで、問題を根本的に解決しない局所的な改善や、継続的な実行が担保されない取り組みに陥ることを防ぐことができます。

SCM改革における着眼点

着眼点を通した改革テーマの設定(例)

プロフェッショナル

金澤 透/Toru Kanazawa

金澤 透/Toru Kanazawa

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役副社長

製造業を中心に戦略立案からオペレーション変革の実行を多数手掛け、end to endのトランスフォーメーションを遂行する経験を有している。 アジアパシフィック地域のサプライチェーンチームもリードしており、クロスボーダーの改革にも強みを持つ。 2019年6月よりデロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役副社長(現職)。 >> オンラインフォームよりお問い合わせ... さらに見る