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IR事業(カジノ事業)の周辺ビジネス

統合型リゾート(IR:Integrated Resort)

統合型リゾート(Integrated Resort、IR) 設置により、主にカジノ施設設置に伴う事業機会(ゲーミング)、カジノ以外のIR 施設設置に伴う事業機会(ノンゲーミング)に加えて、周辺の広域地域に対しても事業機会(ビジネス)が生まれることが想定されます。本稿では、我が国の成長戦略の一つとして注目を集めているIRの、多様な周辺事業(ビジネス)についてご説明いたします。

Ⅰ. はじめに

統合型リゾート(IR)は、内閣官房内閣広報室より2014年6月24日に公表された「日本再興戦略 改訂2014-未来への挑戦-」の『世界に通用する魅力ある観光地域づくり、外国人旅行者の受入環境整備及び国際会議等(MICE)の誘致・開催の促進と外国人ビジネス客の取り込み』において、『統合型リゾート(IR)については、観光振興、地域振興、産業振興等に資することが期待される。』と明記されるなど、成長戦略に含まれています。

海外のIR施設を見てみると、カジノ施設、ホテル、レストラン、ショッピングモール、会議場、展示場、文化施設(美術館、博物館等)、多目的ホール等、複数の施設が一体となっているため、施設運営や運営に必要な業務を提供する事業者(ベンダー)、IRと地域をつなぐ交通インフラの運営事業者など、多くの事業者が関わっています。

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Ⅱ. IR設置により生まれる事業機会

IR 設置により、主にカジノ施設設置に伴う事業機会(ゲーミング)、カジノ以外のIR 施設設置に伴う事業機会(ノンゲーミング)に加えて、周辺の広域地域に対しても事業機会が生まれることが想定されます。(図表1 参照)。

  • カジノ施設設置に伴う事業機会(ゲーミング)の例:
    我が国のIRでは、カジノ施設を含めることが検討されており、カジノ施設設置・運営に伴う新たな事業機会が創出されます。海外では、例えば、カジノ施設で使用されるスロットマシン等のゲーミング機器を製造・販売する事業者にとってだけでなく、カジノ施設を管理するマネジメントシステムや、カジノ施設内を監視するセキュリティカメラの納入業者にとっても事業機会があります。その他にも、カジノ事業に関わる多様な事業者にとって、新たな事業機会が創出されます。
  • カジノ以外のIR施設設置に伴う事業機会(ノンゲーミング)の例:
    カジノ以外のIR施設設置に伴う事業機会では、IR施設の建設に加えて、IR設置後の各施設(MICE施設、商業施設、ホテル、レストラン、エンターテインメント施設等)の施設運営事業者とそのベンダーに事業機会があると想定されます。また、施設運営の手法としてのエコマネジメント等に関わる事業者にとっての事業機会も想定されます。その他にも、例えば、シンガポールでIR設置後に4万人の直接・間接雇用を創出したことから(シンガポール観光庁(Singapore Tourism Board)発表)、IRを支える人材雇用や育成に関する事業機会等が幅広く想定されます。
  • 広域地域に対する事業機会の例:
    特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案では、IRの設置が「観光及び地域経済の振興に寄与する」ことを目的としており、IRの運営に直接係わらない地元産業にも広域にその効果が波及することが期待されています。例えば、IRを生かした街づくりという観点では、地域の他の観光施設、商業施設とIRを繋ぐ新しい交通インフラや観光インフラ等が新たに創出される可能性があることから、それらを提供する事業者にとって、事業機会があると想定されます。


※図表につきましてはPDFをご確認ください

IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは

IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

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