Posted: 20 Jul. 2022 10 min. read

経営をAIと共創。「リアル・タイム・ストラテジー」の真価

Deloitte AI-fueled Organization│vol.2

経営戦略・戦術を立案する際のシナリオプランニングをAIとの共創で行う「リアル・タイム・ストラテジー」が注目されている。もともとシナリオプランニングは不確実性の高い状況において、複数の道筋を予測しておくことで、経営者の意思決定の精度と即応性を高める効果があった。さらにAIを利用することでこれら精度と即応性は飛躍的に向上している。必要なのは「人間かAIか」という二元論ではなく「人間とAIが協奏する」こと、不確実性に身を任せるのではなく組織学習能力を高めていくことだ。今こそ短期で目標を達成することを第一とした経営から離れ、自社のパーパスを起点にメガトレンドを捉え、動的にシナリオを選び取る経営が求められている。

AIの戦略的活用およびガバナンスに関する研究活動を行うプロフェッショナルネットワーク「Deloitte AI Institute」(DAII)所長の森 正弥と、デロイトの戦略コンサルティングプラクティス「モニター デロイト」の吉沢 雄介が、デロイト トーマツのオピニオンリーダーをゲストに迎え、日本企業のAI-Ready化に向けた重要な論点について語り合う対談シリーズ「Deloitte AI-fueled Organization」、第2回はモニター デロイト パートナーの三室 彩亜にAIとの協奏で実現する「リアル・タイム・ストラテジー」について話を聞きました。

・ホスト:Deloitte AI Institute 所長 / デロイト トーマツ グループ パートナー 森 正弥
・ゲスト:モニター デロイト / デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー 三室 彩亜
・ファシリテーター:モニター デロイト / デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー 吉沢 雄介

 

「深層底流」から世界を読む
メガトレンドとシナリオプランニング
 

吉沢:超長期の経営環境変化を捉えて企業経営者の意思決定を支援する三室さんの立場から、AIというテクノロジーはどのような位置付けですか。

三室: 私は特にメガトレンドと言われる世界の大きな変動を捉え、未来を見据えてよい意思決定をすることを重視しています。メガトレンドとは、期間が長いという意味の「メガ」であるだけでなく、変動の大きさを以て「メガ」であると考えています。海に例えると、表層の波ではなく「深層底流」です。物事の一番底流で動いているものは何か、それは今どのように動いているのか、そんなことを探求しています。AIは、その複雑かつ大きな潮流を人間が捉えるために、大いに貢献するものであると考えています。

吉沢:深層底流を捉えるというのは、物事の根源を理解しようという営みに近い印象を受けますが、メガトレンドに対する三室さんの思いは、どこから来ているのでしょうか。

三室: 元来、根源や本質といったものに興味の強い性格ではあるのですが、経営への必要性につながるものとして、私の考え方に影響を与えたいくつかの出来事があります。
世界情勢で言えば、ベルリンの壁の崩壊(1989年)です。構造的に、そして物理的にも隔たりがあることを前提としてずっと続いてきた時代というのは、あっさりと変わるんだと感じました。大方の予測など吹っ飛ばす破壊力があり、突然起こるという衝撃を受けました。
また、学生時代のインターンで、複数の社会起業家に会う機会がありました。彼らは、「おそらく社会はこうなるはずだ」という予測と、「でもこうするんだ」という強い使命感が渾然一体となってパワフルに突き進んでいく。外部環境は所与であり、企業等の活動主体はそれに受け身をとっていくという構造をくつがえされました。環境は変えられると信じて突き進む社会起業家の存在に触れ、その相互作用をよい方向に向かわせる手助けができたら、と思いコンサルティングファームに身を置くことにしました。

吉沢: コンサルタントとして、超長期も見越した経営戦略の立て方に優れていると感じる企業はありますか。

三室: 有名な例ですが、やはりシーメンスが2000年頃から公表し始めた「Picture of the Future」というレポートはやはり先駆的であろうと思います。また、本日の主題でもあるシナリオプランニングという観点からは、シェルが100年先を見通して3つの世界像を描き出しているものにも、外部環境と意思の両方が込められています。

森: 超長期の予測を具体的な施策に落とし込んでいく際に必要なものがシナリオプランニングというわけですね。

三室: そうです。「2050年はこうなりますよ」とただ予測を述べているだけでは意味がありません。それを知った経営者が未来からバックキャストして、今どう動くべきかを意識することが重要です。そのために将来と今、経営環境と自社を結び付けるのがシナリオプランニングです。

 

三室 彩亜/Saia Mimuro デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー。メガトレンドを起点としたビジョンや中長期戦略の策定、事業計画、新規事業等の立案、リスクマネジメント等を担う。 未来洞察だけに終わらず、それを組織に根付かせる活動として、インテリジェンス機能の設計や、経営層の視座づくり、若手リーダー候補の育成等にも広げている。


 

シナリオプランニングの第3段階
「リアル・タイム・ストラテジー」
 

吉沢:2022年3月に発刊された『リアル・タイム・ストラテジー AIと拓く動的経営戦略の可能性』という書籍の監訳をご一緒しました。今まさに言及された「どう動くか」の導き出し方がここに示されていますね。

三室: その通りです。この本でテーマとなっている「シナリオプランニング」は、特に新しい考え方ではありません。古くは戦争の戦術立案や演習を起源としていて、経営に持ち込まれてからは戦略・戦術立案の方法論として用いられていますが、書名にもなっている「リアル・タイム・ストラテジー」は、いわば「シナリオプランニングの第三段階」と言えます。もともとシナリオプランニングは、予測しておくことによって将来の意思決定の確度を高めようというものです。それが第二段階になると、複数のシナリオを想定しておくことで、どのような未来が訪れようとも、受け身が取れるようにしておこうという「リスクマネジメント的なアプローチ」にシフトし、そして今、本書によって第三段階となるリアル・タイム・ストラテジーが定義されたわけです。この本では、リアル・タイム・ストラテジーとは、「AIと協奏して未来の戦略と戦術を立案するアプローチ」であると定義しています。これまでのようにあらかじめ想定して決めておくということではなく、「同時的(リアルタイム)に先読みをしながら連続的に意思決定していく」ものです。長期の予測と、今という瞬間を見たプランニングとモニタリングを並行して行うのです

森:自動車の運転に例えると、今走行している道路の標識や飛び出してくる人に注意していなければいけませんが、2、3時間のドライブになったら、どういうペースで行くか、どこで休憩を取るかなど、瞬間瞬間の短期の判断と、長期の判断の両方が必要になります。経営も同じことだというわけですね。AIなどの最新のテクノロジーを使いながら、変化の激しい時代に対応できる明快な意思決定をしていくというのがリアル・タイム・ストラテジー、ということになるのでしょうか。

三室: 自動車の例えは分かりやすいですね。これまでは、リアルタイムではなく少し前に取得したさらに過去のデータをもとに未来を予測していました。ただ、刻々と変化していく今の時代にそれでは役に立ちません。ウクライナで戦争が起こったら迅速に物流ルートを変える、そういう意思決定をする際のタイムラグをAIとの協奏で縮めるということです。

森: シナリオプランニングを取り入れることで企業の経営者が得られるものは何でしょうか。

三室: 一つは、変化に備えているという「安心」です。文字通り不確実性に備えるという意味の他に、不安を不安のまま置いておくのは、経営者の心理的安定のためにもプラスにはなりません。ここ最近の変化で、「想定外でした」という言葉を聞く場面がありますが、すべて「想定内」「準備済み」と言える状態をつくるのです。

吉沢:「安心」という心理的な側面への着目はおもしろいですね。その点で、経営者の「勇気」という面ではどうでしょうか。経営の局面では、不利な条件や危険な条件があったときに、決断には勇気が必要になります。

三室: シナリオプランニングは、経営者の「勇気」の性質を変えます。将来何が起こるか分からないという場合には、「一か八か」という無謀な勇気での意思決定になってしまいます。複数のシナリオを想定しておく、例えばCOVID-19にしても「いつかは明確ではないが次の波が来た場合にも備えられている」という程度に、不安や不確実性を手中に収めておけば、無謀な勇気はいりません。その状況が訪れれば、予定していた通りに店舗の営業時間を変更したり、感染対策を強化したりすればよいわけです。
その上で、「地域のためにどのような店舗営業が最適かを考えよう」「行政の制限は解除されたが、うちは自主的に営業時間を制限しよう」など、意思を持った「勇気ある行動」を取ることができます。

森: AIやデータが経営をサポートし、リアル・タイム・ストラテジーがより現実的なものになれば、そうした勇気ある意思決定も可能なりますか。

三室: まだまだ経営者とAIの信頼醸成が足りていないと感じます。AIが技術進化として経営を理解する営みが進む一方、経営者もAIを理解しなければなりません。人間かAIか、という二元論で考えるのではなく、人間とAIが協奏するという発想に転換して、一度AIが導き出した答えを信じてみるのがよいと思います。AIが「シナリオAよりシナリオBの可能性が高い」という結果を出したときに、「本当か」と疑うのではなく、「そうなのかもしれない」「もしそうなった時に半歩前に足を踏み出して動けるようにしておこう」と、受け入れてみるとよいのではないでしょうか。

吉沢:そもそも経営者は、何が不安か分かっていないということも多い中で、例えばAIからシナリオAとなる可能性が高いと示されたとき、どういう心持ちでそれを選び取るのがよいのでしょうか。

三室: 神羅万象に不安は潜んでいます。考え出したらキリがありません。そんなとき私は、「主語の転換」をしてくださいとお伝えすることにしています。「経営環境に何が起こるか」ではなく、「自社にとって何が起こると怖いか」を考える。お客様のニーズが一変したらどうなるのか、投資家から言われたら怖いことは何かなど、自社が避けなければならない恐怖を明らかにするということです。

吉沢:主語の置き方によって見えてくるものが全く異なる、ということですね。

三室: その通りです。「メガトレンドの勉強をしたいので1時間話してください」というようなご要望いただくこともあるのですが、主語が漠然としていると、話し手にとっても聞き手にとっても、つらい時間を過ごすことになってしまいます。「まずは広く概観したい」とのお考えもよくわかりますので、「経済は、産業は、暮らしは…」と、網羅的にお伝えできないことはありませんが、そんなときにも、「御社にとって何がチャンスになるか」「何が怖いか」などをイメージしていただいてからお話しするようにしています。

森: 「メガトレンドで1時間」というのは、私の専門分野で言えば「DXってなんですか」という質問に似ています。それに対して私は、「御社がこれまでの看板を外してもビジネスが成り立つこと」と説明しています。いまデジタルサービスは、クラウド、API連携、データ共有などでいろんなファンクションやビジネスがつながり、再編成されています。今後もさらにそれが進めば、自社が利益の源泉として提供してきた看板事業がなくなる、あるいは、事業は生き続けるが新しいデジタルサービスに顧客接点を譲ることとなり看板を外して裏方に回るような局面が来ます。それでも顧客のニーズにこたえ続けることができるか、社会課題解決ができるか、とお伝えしています。こう言うと、多くの方が「そんな説明は聞いたことがない。確かに言われてみればそうだ」と言われます。エグゼクティブも単に勉強したいからというのではなく、わが身に置き換えて考えることが必要だと思います。これは、まさに三室さんがおっしゃる「主語の転換」だと感じます。

森 正弥/Masaya Mori デロイト トーマツ グループ パートナー。Deloitte AI Institute 所長。グローバルインターネット企業を経て現職。eコマースや金融における先端技術を活用した新規事業創出、大規模組織マネジメントに従事。世界各国のR&Dを指揮していた経験からDX(デジタル・トランスフォーメーション)立案・遂行、ビッグデータ、AI、IoT、5Gのビジネス活用に強みを持つ。日本ディープラーニング協会 顧問。


三室:
社会のサステナビリティーについていくら話しても、30年後に主語である自社が無くなっているというのでは話になりません。「外部環境はどうなるのか」を「何のために聞くか」と問うことから出発することが大事です。

短期の目標達成を第一にする経営の限界
「意志の入った未来」を能動的につかみ取る


吉沢:
実際のメガトレンド案件は、顧客企業のどういう要望から始まることが多いんですか。

三室:ビジョン、中長期計画、リスクマネジメント、新規事業創出など、様々な目的の案件があります。特に最近は中長期計画策定が多く、3年か5年先にゴールテープを張って駆け抜ける考え方はもう限界がきています。もっと先の10年後、20年後をイメージした上でバックキャストして、中間地点としての中期経営計画を描くというご相談を受けることが増えています。例えばカーボンニュートラルについて考えるとなると、2050年辺りまで視野に入れる必要があり、どうしても時間軸が長くなります。

吉沢:バックキャストの話をすると、「今までの中計の考え方と何が違うのか」と聞かれます。三室さんは普段どのような説明をしていますか。

三室:バックキャストしようと思ったのに、在りたい姿から戻ってくると現在とつながらなくなって、結局今までどおりフォアキャストで現在から迎えに行ってつじつま合わせをするということもよくあります。そうすると、結果としてあまりこれまでと変わらないことになってしまいます。それを変えられないかというのが私の思いで、例えば、ある飲料メーカーは、大きなスポーツイベントがあるから需要が増えるはず、COVID-19の影響で需要が減るかもしれない、といった短期的な見通しを主に舵取りしていたところ、社外取締役から長期の視点を求められ、30年ほど先まで見通す経営にシフトしました。最初は、サステナビリティーが大事なのは分かっている、人口が減るのも分かっている、知らないことなどない、という意識が強く、あまり進展がありませんでしたが、議論を重ねるうちに大きな転換点が訪れました。メガトレンドからいくつかの可能性と懸念というシナリオを突き詰めていった結果、ようやく自分たちの軸が見えてきて、「それを貫いた3年後、30年後の姿を描かなきゃいけない」というところに至り、ただの成り行きよりも「意志の入った未来」が必要だ、ということになりました。その点は大きな成果だと感じています。

森:長期に振ることで自分たちの本質は何なのか、軸を再度見つめ直すことができたというわけですね。パッシブ(受動的)だったものが、アクティブ(能動的)に変化した。まさに主語の転換が起きたわけですね。

三室:私のようにメガトレンドを読むという仕事をしていますと、「経営方針はAIがはじき出してくれるようになるんじゃないの」などと言われます。しかし、経営者からAIにシフトする、経営者がAIにとって代わられるのではなく、AIは「情報編集力」の部分で頼るべきだと考えています。ただこの情報編集力をAIに、という場合にも、先ほど触れた信頼関係の構築ができていないところがハードルになります。
未来予測はデータが多ければ多いほど精度が上がるのか、また、きれいなデータをそろえた方がよいのかということについて、最新の動向としては、どのように見通すことができるでしょうか。

森:AIは2012年にディープラーニングが再発見されてから劇的に進化、さらに昨今はBERTやGPT-3等の巨大言語モデルの登場が大きな転機になりましたが、今も変わらないのは「ピュアすぎるデータだと現実の不確実性を除去したあり得ない予測になってしまう」ということです。

三室:ただ不確実なものを織り込んで、結果的に「よく分かりませんでした」ということにはならないのでしょうか。ポイントは、不確実性を織り込んだデータをどう料理するかにあるのかもしれませんが。

吉沢:その料理の仕方というところで、さっき三室さんがおっしゃった「勇気」という言葉ではありませんが、データと予測だけでは結論に達しない事実があります。シナリオを描くにも、目標設定と最後に何かを選び取る意志が必要であり、そこには勇気に近しいものが存在するのではないかと思います。

吉沢 雄介/Yusuke Yoshizawa デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー。データサイエンティスト職を経て現職。自動車、消費財、EC、商社、広告代理店業界を中心に経営意思決定・マーケティング・セールス領域におけるアナリティクスやデータ、デジタルを活用した戦略策定から実行支援に強みを持つ。近年はデータ駆動型経済におけるDX戦略および全社改革、デジタル関連企業のM&Aを中心に従事。企業活動にエビデンスにもとづいた意思決定する仕組み・文化を導入することを推進している。

 

三室:私は、どのシナリオを選ぶかという受け身の取り方よりも前に、どういうシナリオをつくりたいかを問いかけます。その段階では、まだ想定できていない外部環境などもありますが、どのシナリオが望ましいか、新しいシナリオをつくる必要があるかをまず尋ねます。もしつくりたいシナリオがあるなら、そうなるように内部、外部の環境を変えて行きませんかと伝えます。

吉沢:先ほどの飲料メーカーのお話で言えば、自分たちの軸は何であるべきなのか、何を軸にしたいのか、その軸が行きたい道であり、在りたいシナリオになると。

三室:企業の理念や価値観が軸になるわけですが、言葉で表現されているものは「社会のために」「豊かさ」「独自の」など、個人間でイメージするものが異なるものが多い。それがしっかり共有されていないと、30年後の在りたい姿は描けません。

森:よく頷けるお話ですね。出発点の軸が共有できていないと、先々の解釈が大幅にずれていってしまう。

三室:そうなんです。ですから、少なくともどういうことが自社の目指す「豊かさ」なのかといった意識やイメージを束ねる、意思決定をする経営層同士の目線を合わせることが一番大事だと思います。新しい工場を建てるにしても新製品を出すにしても、その豊かさを思い浮かべながら実行するかしないかをジャッジしたり、シナリオを選んだりすることが必要だと思います。そうして目線がそろった状態でなされる意思決定には、その企業でなくてはならない理由のようなもの、つまり差別化のポイントが表れると思います。情報や意思決定の本質的な意味、パーパスにかなう自社の存在意義が、結局は一つ一つの製品の素材やデザイン、機能にも影響を与え、生活者はそこからメッセージを受け取って商品やサービスをチョイスするのだと思います。

吉沢:先ほど自動車の運転への例えがありましたが、スバルはアイサイト等の技術で死亡交通事故ゼロを目指しています。一方、テスラには別の考え方があります。経営の一番上に置くパーパスによって、テクノロジーの突き詰める方向性が違うということですね。となるとやはり大事なのは、どこにAIのようなテクノロジーを使うのか、理由となるパーパスと見極める力が求められますね。

三室:そう思います。「わが社もAIを使うぞ」と経営者が言った時、それは何のために何を使うことなのかというイメージの解像度が大切です。

森:AIはDXの主力の一つであり、本気で使ったらその企業の事業ドメインが再定義されるほどのインパクトがあります。当然ビジネスプロセスもビジネスパートナーとの付き合い方も変わります。それなのに、自社の事業の根幹に関わる部分には手を付けず、「AIを使えば生産性が上がるはず」というのでは、効果は限定的にならざるを得ません。

吉沢:AIを活用しているのに芯になる「意図」が存在しないという企業はまだまだ多く存在します。ただ、一策として、パーパスやフィロソフィーを突き詰めるためにAIを使うという逆説的なアプローチもあり得るのではないでしょうか。

森:AIは進化していくテクノロジーであり、それが従前のビジネスプロセスを飲み込んでいく。まさに「エマージングテクノロジー」です。テクノロジー自体が不確実性であり、それを、どうビジネスに取り込んでいくかという段階です。

三室:過去にもエマージングテクノロジーはたくさんあり、それらと付き合いながら経営は進化してきました。AIも進化の途上にあります。過剰に身構えることなく、腰を落ち着けて付き合えばよいと思います。

 

森 正弥/Masaya Mori

森 正弥/Masaya Mori

デロイト トーマツ グループ

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 外資系コンサルティング会社、グローバルインターネット企業を経て現職。 ECや金融における先端技術を活用した新規事業創出、大規模組織マネジメントに従事。世界各国の研究開発を指揮していた経験からDX立案・遂行、ビッグデータ、AI、IoT、5Gのビジネス活用に強みを持つ。CDO直下の1200人規模のDX組織構築・推進の実績を有する。2019年に翻訳AI の開発で日経ディープラーニングビジネス活用アワード 優秀賞を受賞。 東北大学 特任教授。日本ディープラーニング協会 顧問、企業情報化協会 AI&ロボティクス研究会委員長。過去に、情報処理学会アドバイザリーボード、経済産業省技術開発プロジェクト評価委員、CIO育成委員会委員等を歴任。 著書に『クラウド大全』(共著:日経BP社)、『ウェブ大変化 パワーシフトの始まり』(近代セールス社)、『大前研一 AI&フィンテック大全』(共著:プレジデント社)がある。 記事:デロイトデジタル「新しい世界へのマーケティングは、人とAIのコラボレーションによりもたらされる」 関連サービス ・ カスタマー・マーケティング(ナレッジ・サービス一覧はこちら) >> オンラインフォームよりお問い合わせ

 三室 彩亜/Saia Mimuro

三室 彩亜/Saia Mimuro

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 ディレクター

  メガトレンドを起点としたビジョンや中長期戦略の策定、事業計画、新規事業等の立案、リスクマネジメント等を担う。 未来洞察だけに終わらず、それを組織に根付かせる活動として、インテリジェンス機能の設計や、経営層の視座づくり、若手リーダー候補の育成等にも広げている。 関連するサービス: モニター デロイト(ストラテジー)