Posted: 22 Jul. 2019 1 min. read

南阿蘇の未来を想う若者たちが「つなぐ、つながる」活動への伴走

「しごとづくり」活動の事例 〜 熊本地震復興支援活動の紹介(2)

デロイト トーマツ グループの復興支援室では、震災の被害にあった東北や熊本の被災地域に重点を置き、「ひとづくり・ちいきづくり・しごとづくり」の3つの視点から、地域の「未来づくり」に伴走しています。「しごとづくり」の事例として、地域資源を観光商品に変え、ビジネスへと発展させた事業者の取り組みをご紹介します。

南阿蘇

復興応援プロジェクトへの応募

グループ補助金をきっかけに、熊本県南阿蘇村の100を超える事業者が設立した「南阿蘇村観光復興プロジェクト交流協議会」。そこは業種や年齢の壁を超えた協働の場でした。震災1年のイベント準備に多忙を極める2016年末、キリン株式会社と日本財団による「『復興応援 キリン絆プロジェクト』熊本支援」がプロジェクトを公募していることを知りました。これは復興と地域の活性化につながるプロジェクトをキリン株式会社と日本財団が募集し助成するものです。「観光復興」をその名に掲げる「協議会」もこのプロジェクトに手を挙げることに決めました。

(参考)

グループ補助金制度への申請支援活動とその後の復興計画実施への伴走「ちいきづくり」活動の事例〜熊本地震復興支援活動の紹介(1)

南阿蘇村観光復興プロジェクト交流協議会の様子
南阿蘇村観光復興プロジェクト交流協議会

南阿蘇村の未来を担う若手が「つなぐ、つながる」場

南阿蘇村は熊本空港から車で約30分という立地の良さもあって、以前から移住者が多い村です。移住は定年退職世代の人だけではなく、東京や海外でいろんな経験をし、この村が好きで移住したという現役世代も少なくありません。そうした多彩な経歴の人材がいることが南阿蘇村の隠れた強みでしたが、熊本地震前は必ずしもそれらの人々がつながっていたわけではありませんでした。しかし、震災をきっかけに、誰もが、南阿蘇村への深い愛や思いを強く意識したといいます。未来はいつの世も常に若者によってつくられます。「絆プロジェクト」では、是非、南阿蘇の未来を担う、地域愛に目覚めた若手を中心にプロジェクトを進めたい。協議会メンバーの意見が一致し、このプロジェクト推進のために、村内の40代以下の若手から成る「つなぐ、つながる南阿蘇未来会議」が結成され、その後、1年半にわたる活動が始まりました。トーマツ熊本復興支援室はその活動を後方から支援する役目を担いました。

南阿蘇未来会議の記念写真
つなぐ、つながる南阿蘇未来会議

ぶっちぎりの商品を作る

プロジェクトの出力は、南阿蘇にしかできない「ぶっちぎりの商品」を開発することでした。そのために、まずは商品づくりの基本セオリーに従い忠実に取り組むことから始めました。メンバーが見たいこの村のビジョンは何か?この村にはどんな資源があるか?他が真似できない商品とは?それらをどのようにして販売するか?等々。約20名のメンバーによる喧々諤々の議論と協働の末、生まれた商品が「星と火山と草原と」3つの物語をつないだ「プレミアム・ナイトトレッキング」です。この商品はトレッキングガイド、星空解説員、牧野組合(南阿蘇の牧野を利用・管理する畜産農家等で組織)が互いにその意図と価値を理解し、協力し、つながることによって可能になりました。そして、美しい星空と、千年の草原と、阿蘇の火山という資源を同時に持つ阿蘇でしか体験できない商品です。まさにメンバーの「つなぐ、つながる」意識の賜物です。その他にも、阿蘇の草原とツリーイング(木登り体験)を組み合わせた「天空の草原ツアー」や、インバウンド向けウォーキングツアー商品「ASO WALKING TOUR」などが生まれました。後方支援を通じて私たちは、異なる経験を持つ者同士の協働と熱量が大きな成果を出すことを、改めて再認識しました。個社支援を超えるインパクトがそこにはありました。

「ぶっちぎりの商品」の開発風景
「ぶっちぎりの商品」の開発
そして事業化へ
 

本プロジェクトは2018年10月に終わりました。しかし、「つなぐ、つながる」ことで新しい価値が生まれることに気づいた未来会議のメンバーはプロジェクト終了後も度々集まり、夜遅くまで議論を行いました。今まで通り地域をボランティアベースで盛り上げたいと思っている人、イベントに疲れてこの辺で辞めたいと思っている人、せっかくここまでやったのだから事業化して地域の中核企業を目指したいと思っている人。メンバーそれぞれが置かれた立場から意見はまちまちでしたが、私たちは地域経済を盛り上げるためには地域を巻き込める力を持った中核企業を作り育てなければならないとの信念から、彼ら全員の想いに耳を傾けつつ、事業化を目指すリーダーの背中を押し続けました。そして、2019年3月、「つなぐ、つながる南阿蘇未来会議」の中核メンバー14名で株式会社を設立しました。「南阿蘇でよりよく家族と暮らしたい」をビジョンとして掲げ、「プレミアム・ナイトトレッキング」などの観光商品の販売やキャンプ場の運営を始めています。まだ、設立間もない小さな会社ですが、地域で新たなつながりを生み、阿蘇観光を牽引する会社として歩み始めています。

(参考)REASO@南阿蘇が運営する体験型プラン販売サイト

株式会社REASO(リアソ)出展ブース
株式会社REASO(リアソ)の設立
WorldClassロゴ

WorldClass

WorldClassは、教育(Education)、スキル開発(Skills)、機会創出(Opportunity)の 3分野で、2030年までに全世界で累計5千万人の人々に対してポジティブなインパクトを及ぼすことを目指すDeloitteのグローバルな取り組みです。デロイト トーマツ グループはDeloitteのメンバーファームとして日本における取り組みを推進していきます。

復興支援室の活動においても、「ひとづくり・ちいきづくり・しごとづくり」の3つの視点から、地域の「未来づくり」に伴走することによって、すべての人々が能力を発揮して自立・活躍できる環境を整えていくために、世界最大級のプロフェッショナルファームとしての強みを活かして、幅広い角度からのインパクトを最大限に追求することを目標としています。

デロイト トーマツ グループのCSRについて