Posted: 18 Sep. 2019 3 min. read

軽減税率対象の中食市場、その拡大とともに注目が集まる「フードトラック」

今年10月からの消費増税に伴い、「中食(なかしょく)」が注目を集めている。

「中食」とは総菜や弁当など調理済の食品を買って食べることであり、消費増税後は軽減税率の対象になる。購入方法は店舗からのテイクアウトや、自宅・職場等への宅配サービスがあるが、その中間の「フードトラック」という業態が最近伸びている。

フードトラックは「移動販売車」、「キッチンカー」とも呼ばれ、オフィス街やイベント会場に出店し、その場で弁当や飲み物などを提供する。フードトラックは、都市部では台数が増えており、中食に該当するので10月以降に更に伸びることが期待されている。

フードトラックが伸びている背景には、消費者、事業者の双方にとってのメリットがあるからだ。

消費者にとっては宅配よりも配送コストがかからず、店舗に行くよりも移動の時間が少なくて済む点が魅力的である。特にオフィス街では店舗が混みあうので、フードトラックは「ランチ難民の救世主」と言われている。また、私もたまに利用するが、温かいまま提供されることが多いというのも嬉しい点だ。

一方、事業者にとっては宅配型より人件費がかからず、また店舗型よりも設備投資等のイニシャルコストやランニングコストがかからないため、低コストで運営できる。そのため、事業のリスクが少なく、参入しやすい環境となっている。

参入を後押しする要因の一つとして、仲介ビジネスの存在がある。ある仲介会社ではフードトラック用の場所をオフィス街に複数確保しており、客層を分析した上で、場所とフードトラックの事業者をマッチングさせる。言わば、場所、供給側(事業者)、需要側(利用者)を一つのプラットフォームに載せた「シェアリング・ビジネス」である。これにより、ミスマッチもなくなり、またフード・ロスの解消につながっている。

今後更に普及するためには、課題が二つある。

一点目は利用者側の情報をいかに入手して活用できる仕組みを作れるかである。これまでも客層を分析しているが、それに加えてデジタル技術を用いてより深く利用者のニーズを分析する必要がある。

二点目はランチの時間帯以外への拡大だ。現在、稼ぎ時はランチの時間帯で、ランチが終わると撤収するフードトラックが多い。しかし、今後中食が広がると見られている中では、ランチ以外の時間帯でどれだけ浸透し、利用してもらえるかが勝負の分かれ目だ。例えば、朝の通勤時間帯に合わせて焼きたてパンやコーヒーを販売したり、夕食の時間になるとオフィス街や住宅地の駅前で夕食やちょい飲み用のおつまみを販売したりする、ということも有効だろう。――フードトラックのますますの進化が楽しみだ。

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▼「ランチ革命」…顧客とフードトラックを結ぶアプリで売り上げ大幅UP(外部サイト)
https://www.fnn.jp/posts/00047887HDK/201908242359_livenewsalpha_HDK

 

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松江 英夫/Hideo Matsue

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