Posted: 12 Jun. 2020 2 min. read

BCPを見直し、「Withコロナ」の長期戦に備えよう

【シリーズ】COVID-19とレジリエンス経営

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大が小康状態になり経済活動が再開されようとしているが、いつ第2派がくるか、いまだ予断を許さない状況である。企業は国内外の感染状況、政府の指示要請、経済状況を十分に把握し、従業員の安全、ステークホルダーの状況など、ビジネス全体を踏まえた長期戦の対応が求められる。事業継続の観点からこれまでの対応を振り返りつつ、今後どのように改善していくかを考察する。

本稿は「COVID‐19とレジリエンス経営」と題し様々な経営課題を毎回20分で解説する連続Webinarからの抜粋記事です。Webinarはこちらをご覧ください。

 

今後、企業が「Withコロナ」の長期戦を制するために基本となるのは、可能な限り「3密」を避けた業務実施体制を進めながら、COVID-19第2波へ備え、さらに大規模災害等他のリスクが発生した場合にも対処出来るよう今あるBCPを見直すことである。

感染防止対策を取りながら第2波にも備える業務実施体制を築く

これから多くの企業が通常に近い業務体制に戻っていくことが予想されるが、COVID-19が根絶するまで、感染防止を大前提として、テレワークやオンラインでの会議を積極活用し、職場の感染予防策を徹底することが重要になる。

今回のようなパンデミック時の対応は、発生した事態の影響を下げることに主眼を置いた「初動・危機対応」と、感染拡大防止のため業務を絞り込みつつ被害状況に応じて事業を優先付ける「事業継続対応」の2つの軸で考える必要があり、webinarでは「初動・危機対応」と「事業継続対応」ついて振り返りのチェックポイントを例示している。COVID-19第2波に備えて、企業にはできることから早急に始めていただきたい。

この2つの対応のうち、「事業継続対応」においてはビジネス・インパクト分析(BIA)が欠かせず、今一度、過去実施したBIAを見直すことが必要である。BIAで重要なことは、業務停止による自社への影響を踏まえ、業務の優先付けをすること、業務遂行に必要な経営資源を明確にすることである。これは、COVID-19第2波に備えた不要・不急業務の明確化にもつながり、その際に洗い出した経営資源を確保できれば業務遂行が可能となる。

この経営資源に着目すると、具体的に対応策が検討しやすくなり、既存のBCPを効果的に見直すことができる。また、パンデミックの場合、自然災害とは異なり、BETH3(建物・設備・情報システム・人的資源・外務委託先)の中でもより影響を受けやすいのは人的資源と外部委託先であることに注意が必要だ。

COVID-19状況下における複合災害等への備え

COVID‐19が長引くほど、地震や台風等大規模災害が同時発生するという「複合災害」の可能性も高くなる。複合災害についても事業継続の打ち手に変わりはなく、自然災害発生時における経営資源ごとの影響と対応策を検討しながら、影響を受ける場所や時間の分散の概念を取り入れ、ここに感染防止の要素を追加することが肝要だ。経営資源に着目するアプローチは「結果事象ベース」とも言われ、東日本大震災の教訓をもとに想定外の事象にも強いアプローチとしてBCPの見直し、改善や新規策定の際に取り入れられるようになった。今回のCOVID‐19においても有効であり、既存のBCPや関連する各種施策等をもう一度見直し、レジリエンス強化につなげていただきたい。

詳しくはwebinarをご覧ください

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尾嶋 博之/Hiroyuki Ojima

尾嶋 博之/Hiroyuki Ojima

デロイト トーマツ グループ シニアマネジャー

有限責任監査法人トーマツ リスクアドバイザリー事業本部 シニアマネジャー 通信事業者、通信機器メーカーを経て、2005年にデロイト トーマツに入社。さまざまな業種・業界の企業・組織に対する、BCM/BCPやクライシスマネジメント/リスクマネジメント関連のコンサルティングに従事。 BCP策定やBCM構築・導入支援をはじめ、BCP訓練支援、グローバルリスクマネジメント体制構築・導入支援、危機管理態勢強化支援などの案件を多数手掛ける。