Posted: 08 Jul. 2020 2 min. read

リモートワーク実態調査から見た課題と可能性

【シリーズ】COVID-19とレジリエンス経営

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は働き方という点でも非常に大きなインパクトをもたらした。テレワークの導入が進んだことにより見えてきた課題を克服しつつ、いかに生産性を高めていくかということが今後新しい働き方を目指していく上で鍵となる。

本稿は「COVID‐19とレジリエンス経営」と題し様々な経営課題を毎回20分で解説する連続Webinarからの抜粋記事です。Webinarはこちらをご覧ください。

 

リモートワークへのポジティブな意見

当社が4月に行った調査*1における生産性・意識の変化についての設問では、販売・サービス職、専門・技術職の約5割が「生産性が下がった」と回答しているものの、驚くべきことに企画・事務職の5割以上が生産性は「変わらない」、もしくは「上がった」と回答し、さらに通勤時間減少によるストレス低下(回答者の7割)や余暇時間の拡充(回答者の3.5割)など、在宅勤務に関してポジティブな意見が多く見られた。COVID-19により強制的ではあるがリモートワークを始めた従業員の中には「リモートワークは意外とできる」、「ワークとライフは共存させることができる」という感覚をもった方も多くいたのではないだろうか。企業においては、この変化を失速させず、いかに従前に戻さずに新しい働き方を実現していくか、今こそ考えどころだ。

*1「新型コロナウイルスに対するワークスタイル及び課題対応調査」(デロイト トーマツ コンサルティング)

ネクストノーマルになる、「スマートワーク」

4月、5月にかけて企業や個人はありもののテクノロジーでもリモートワークを始め、テクノロジーを活用しながら個人が自律的に働く必要性に気づき始めた。当社調査でも約5割の企業が3か月以内にワークスタイルの変化を整備したいと回答し、喫緊の課題として認識しているようである。テクノロジーを活用して生産性向上と従業員の働きがいを両立させる新しい働き方を「スマートワーク」と呼んでいるが、ネクストノーマルとして定着させるためには、多くの課題を解決する必要がある。

 

たとえば、リモートワークの導入で、その仕事は本当に必要なのか、それはオフィスでやらなければいけないのか、機械にも任せられるのではないか、といった様々な思考がされたのではないだろうか。また、従業員にとって高まるWell-beingや健康、安全に対する意識に対して、この先、会社としてどのように対応するのか。また、リモートワークで物理的に人と人との距離が離れていくことで起こる人間関係の希薄化、帰属意識の低下への対策をどうするか、なども見逃せない課題だ。

このような課題の解決に向けて、先行してデジタルトランスフォーメーションの一環でスマートワーク・リモートワークを進めてきた先進事例を学びながら、自社で業務改革や方法論を実践していくことが肝要だ。例えばデジタル化の一環となるペーパレス化を含めた業務プロセスの見直しやリモートワークでのチームの成果の出し方、How(どうするか)からWhat(何をするのか)に着目したアウトプット重視への変革、自律的に個々人がアイデアを出してクリエイティブな仕事をするようアジャイルに取り組みながら成果を出していくチームの方法論などがある。コミュニケーションでは、短時間の面談などで仕事の進め方や育成・成長についてしっかり確認しあい、さらにリモート環境下で不安やストレスを感じていないか、孤独の状況になっていないかなどチームの状況をタイムリーに把握することが重要である。当社ではチームベースで利用する「Well Me」 というアプリを開発しており、Check-inといった短時間での面談や従業員への簡易的な継続調査、感謝を伝えるThanks Pointsの発行といった様々な機能を備え、リーダー層がクイックに施策を打てるように取り組んでいる。

COVID-19の状況下でリモートワークという働き方が機能したことは今般の危機の中でも大きな発見であった。浮き彫りになった人事課題に適切に対処し、テクノロジーを活用して生産性向上と従業員の働きがいを両立させる新しい働き方である「スマートワーク」を加速し、ネクストノーマルにおける働きやすい会社を目指していくことが必要だ。

より詳しくは、Webinarをご覧ください。

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小野 隆/Takashi Ono

小野 隆/Takashi Ono

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デロイト トーマツ コンサルティング 合同会社 執行役員 人事領域の機能・組織・業務・人材の変革について、HRテクノロジー、デジタルHR、エンプロイーエクスペリエンス、BPR、SSC・BPO、チェンジマネジメント等の観点から支援している。グローバルヒューマンキャピタルトレンドサーベイに関する講演多数。グループ組織再編・M&Aにおける人事PMI等に豊富な経験を持つ。著書に「最強組織を作る人事変革の教科書(日本能率協会マネジメントセンター)」がある。 関連するサービス: ・人事機能変革(HR Transformation)(ナレッジ・サービス一覧はこちら) >> オンラインフォームよりお問い合わせ