Posted: 31 Aug. 2020 2 min. read

顧客接点を変革する~中国の最新事例からの視点

【シリーズ】COVID-19とレジリエンス経営

ポストCOVID-19では顧客との関係性や顧客接点はどう変わっていくのか、先行している中国での事例をベースに考察し、顧客接点の変革ソリューションとして、迅速にECサイトを立ち上げるRapid-ECを紹介する。

本稿は「COVID‐19とレジリエンス経営」と題し様々な経営課題を毎回20分で解説する連続Webinarからの抜粋記事です。Webinarはこちらをご覧ください。

 

中国での消費の回復および変化

中国では2月にCOVID-19の影響が最大になり、ロックダウン後1か月半でほぼ新規感染者を抑制した状態となったが、6月時点で99%のビジネスが再開し、飛行機のフライトや観光業も回復してきている。中国での状況を調査・分析すると3つの特徴が確認できる。

一つ目の特徴は消費者ニーズの変容で、このアウトブレイクによって安全性・健康に関する意識が高まっているという調査結果がある。ここから企業がとるべきアクションは、消費者の新しいニーズを理解してそのニーズに適応、早期に市場参入、開拓することで先行者利益を得る、という方向性がある。

二つ目の特徴は反動消費あるいはリベンジ消費である。自宅での隔離によって消費者は外出できず、様々な製品の購入や消費も抑制された。制限が解除されてから、その反動で消費活動の意欲が急反発的に高まり、COVID-19 前よりも売り上げが伸びたケースがある。特に高級品や美容・ファッション系の分野でそのケースが顕著にみられる。企業がとるべきアクションとして、反動需要を確実に捕捉するためのSNS活用、消費者の動きを迅速に把握してメッセージを発信できるデジタルメディアへの投資、一時的な消費に柔軟に対応するマーケティングオペレーションの構築、ということがあげられる。

三つ目の特徴は、デジタルシフトである。自宅隔離によって物理的な手段が制限され、インターネットを使用する時間や割合が高まった結果、一日の消費者のオンライン接続時間が平均7.2時間にまで伸びている。オンラインでの商品の購入割合も増えており、冷凍食品は売り上げが800%増となった。企業もデジタルエコシステムに焦点をあわせた長期的なマーケティングや、事業におけるECの位置づけの再評価などが重要なアクションになる。

ポストCOVID-19のビジネスで必要な、顧客接点変革

このように、中国における消費の回復および消費者の特徴的な意識変化から、ポストCOVID-19に日本の企業がとるべきアクションのヒントが見てくる。企業は感染拡大によって生じたビジネスや業務の変化に適用するため、そして顧客との関係性を維持・強化し、顧客接点を改善していくためデジタルシフトがますます必要になる。

これを踏まえ、今後のビジネスに向けて、顧客接点の変革をなすためのソリューションの一つとして、Rapid-ECというEC化を加速する当社のオファリングを紹介したい。

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Rapid-ECは、短い限られた期間の中でもECサイトを立ち上げる、もしくは強化するソリューションである。既存の需要に対するデジタル化のフェーズでは、クイックに戦術的なECプラットフォームを立ち上げマーケティングとサプライチェーンの連携を行う。新規の需要に対しては、ECの戦略を設計し、様々な自社のシステムに連携させ、急なアクセス増にも耐えられるキャパシティ設計や、サーバーのパフォーマンスの調整も行う。長期的かつ本格的なEC需要の拡大に耐えられる機能の拡張、デジタルオペレーションモデルの設計も可能だ。


ポストCOVID-19のNew Normal では、ECやデジタルマーケティング等の顧客との関係性に関わる領域の重要性が増している。対応するデジタルへの投資を増やし、自社のECを強化していく際にはスピードが大切である。さらに、AI活用による売り上げ改善や新規顧客獲得、デジタルトランスフォーメーション推進組織の構築やその遂行も命題となっている。

 

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森 正弥/Masaya Mori

森 正弥/Masaya Mori

デロイト トーマツ グループ

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 Deloitte AI Institute 所長 アジア太平洋地域 先端技術領域リーダー グローバル エマージング・テクノロジー・カウンシル メンバー 外資系コンサルティング会社、グローバルインターネット企業を経て現職。 ECや金融における先端技術を活用した新規事業創出、大規模組織マネジメントに従事。世界各国の研究開発を指揮していた経験からDX立案・遂行、ビッグデータ、AI、IoT、5Gのビジネス活用に強みを持つ。CDO直下の1200人規模のDX組織構築・推進の実績を有する。 東北大学 特任教授。東京大学 協創プラットフォーム開発 顧問。日本ディープラーニング協会 顧問。過去に、情報処理学会アドバイザリーボード、経済産業省技術開発プロジェクト評価委員、CIO育成委員会委員等を歴任。 著書に『ウェブ大変化 パワーシフトの始まり』(近代セールス社)、『両極化時代のデジタル経営』(共著:ダイヤモンド社)、『パワー・オブ・トラスト 未来を拓く企業の条件』(共著:ダイヤモンド社)がある。 記事:Deloitte AI Institute 「開かれた社会へ:ダイバーシティとインクルージョンの手段としてのAI」 関連ページ Deloitte AI Institute   >> オンラインフォームよりお問い合わせ