Posted: 27 Dec. 2021 4 min. read

第3回:コネクテッドは一機能にあらず、新たな提供価値創造に必要不可欠な要素と捉えるべし

続・モビリティー革命2030 DX編

デジタルテクノロジーの進歩が、“ヒトとヒト”から“ヒトとモノ“へ、情報伝達を新たなステージへと昇華させた。これはまさしくデジタルトランスフォーメーションであり、コネクテッドを単に「つなげる技術」と捉えてはいけない。

スマートフォンの様に車両のコネクテッド機能が当たり前のものになる昨今、コネクテッドを新価値創造に不可欠な重要要素の一つと認識し、より鳥瞰的に活用検討する事で新たな収益確保につながり得ると、意識もトランスフォームすべきである。

本稿は2021年6月17日に日経xTECHに掲載された「続・モビリティー革命2030 DX編」を一部改訂したものです。https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01653/00003/

 

コネクテッドにより自動車業界における提供価値はどう変わるのか?

■ 製品(車両)

車両の基本機能である「走る・曲がる・止まる」に関して、特に自動運転にコネクテッドは欠かせない機能となる。車載カメラやセンサーだけでは近距離状況把握しか出来ないため、コネクテッドデータ通信による中遠距離情報連携が必須となる。

■ サービス

これまでのサービス提供は自動車というハードウェアを販売し、それを維持運用する事だったが、車両の基本機能による差別化が困難になるにつれ、複合的なサービス提供がより重要な役割を果たす。そこにコネクテッドを活用することで提供価値拡大の可能性が広がる。

自動車業界の提供価値(製品(車両)・サービス)へのコネクテッド活用

■ 従来のバリューチェーンに関するコネクテッドデータ活用

コネクテッドにより車両の状況を取得し、設計・開発・生産における効率化・品質向上や、消耗品交換・メンテナンス等の入庫促進といったアフターサービスでの活用が見込まれる。

コネクテッドの特徴を最大限活かしたOTA(Over The Air)により、その場でサービスを享受できる世界もより身近になるだろう。

■ 新たな提供価値創造に関するコネクテッドデータ活用

従来のより良い製品(車両)を提供する事だけでなく、移動は生活の一機能と捉え、生活全体に視座を高めたコネクテッドデータの利活用を検討することにより、新たな提供価値が創出され得る。

コネクテッドに対する構え

コネクテッドの世界においても自動車業界が現実世界で培ったものづくりの技術は、使い方次第で絶対的優位なものとなり得る。コネクテッドは新たな事業機会や技術革新、更には社会課題の解決をもたらす手段と捉え、上手く付き合って行くべきである。

D-NNOVATIONスペシャルサイト

社会課題の解決に向けたプロフェッショナルたちの物語や視点を発信しています

プロフェッショナル

村上 裕一/Yuichi Murakami

村上 裕一/Yuichi Murakami

シニアマネジャー

米国ソフトウェア大手オラクルを経て現職。20年超一貫して自動車業界における中長期経営戦略、技術戦略、BPR等のコンサルティングに従事。バリューチェーン全領域における戦略から実行まで数多くのコンサルティング経験と実績が強み。 近年は車両開発におけるソフトウエア開発関連、特に車両のサイバーセキュリティ対応に関するプロジェクトを多数手掛ける。