Posted: 16 Apr. 2021 4 min. read

「変わる」ために、「変える」~東京レインボープライド2021参加に寄せて~

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変化していく「常識」と価値基準

昨年に続き今年もオンライン開催となる「東京レインボープライド2021」は本日4月16日からサイトオープンとなり、デロイト トーマツ グループもオンラインブースを出展中、イベント当日の4月25日には後述する無料セミナーを開催する。

数年前には想像もしていなかったことではあるが、イベントの形態としてオンラインがもはやニューノーマルとなってきたように、「常識」とされてきた認識や生活様式を変化させ、新たな社会を構築していける柔軟性が我々人間の強みの一つだ。この数年で、「人々の常識や価値基準は、時代や環境とともに大きく変化するものなのだ」ということを誰もが強く実感していることだろう。そのような環境の中で、この日本社会において長年「常識」とされてきた事柄の一つである、「婚姻は異性同士で行うもの」についても、変化の兆しが見え始めている。


「同性カップルの婚姻の自由」をめぐる判決が示す社会課題

先月17日、同性婚が認められないのは法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとする日本初判断を札幌地裁が下し、原告の賠償請求は棄却しつつも、同性婚を認めていない民法などの規定について違憲性を認める結果となった。この判決は多くのメディアでも取り上げられており、ご存知の方も多いだろう。

本訴訟は、同性カップルの婚姻の自由を求める「Business For Marriage Equality」キャンペーンの運営団体の1つであるMarriage For All Japanが中心となってサポートしている訴訟であり、結婚の自由を求めた訴訟は現在札幌を含む5地裁で進行していることから、今回の違憲判断が他の訴訟に影響する可能性がある。そのため、「Business For Marriage Equality」キャンペーンの始動当初から賛同している当グループのD&Iチームとしても、この度の裁判について固唾を飲んで見守っていた。

記事「LGBTという言葉がなくなる日を目指して」でも言及しているとおり、当グループでは、福利厚生制度において同性パートナーも配偶者として定義しているものの、やはり、法律により婚姻関係が認められていないことによる不利益のすべてをカバーしきれるものではない。札幌地裁の判決では「異性愛者と同性愛者の違いは、意思によって選択・変更し得ない性的指向の差異でしかなく、同性愛者が婚姻によって生じる法的効果の一部すら受けられないのは、合理的根拠を欠く差別取扱いに当たると解さざるを得ない」といった旨の指摘がなされている。
 

進んでいるようで、まだまだ進んでいないセクシャル・マイノリティへの理解 

LGBTという言葉は一般用語となって辞書にも載り、以前に比べてセクシャル・マイノリティに対する認知や理解が進みつつあるのは確かである。しかし、世界の主要7カ国(G7)で同性婚を認めていないのは日本だけであり、同性婚を認めていない日本の現行法が、人々に対し平等ではないと認識している人はどのくらいいるだろうか。

もはや「当事者でないから関係ない」のではなく、社会課題として、非当事者も含めて向き合うべき問題なのだが、日本全国津々浦々までこうした問題意識やセクシャル・マイノリティについての正確な知識が行き渡っているかというと、残念ながら答えは「NO」だ。当グループのAllyネットワーク内でも、環境や地域、世代により理解の度合いにバラツキを感じるとの声が上がっており、「環境によって理解や対応に差が出てしまう」といったことも、今後まさに社会全体で向き合っていく必要がある課題の一端といえよう。
 

世界を変えるために私たちにできること

東京レインボープライド2021のテーマは「声をあげる。世界を変える。Our Voices, Our Rights.」である。変化の過渡期ともいえる時流の中で開催される今回、当グループは冒頭で言及したオンラインブースにて、25日(日)に無料セミナー【あなたも1時間でLGBTサポーターに! ~デロイト トーマツ社内研修特別公開~】を開催する。

本セミナーは、当グループに所属する当事者の経験やさまざまなD&Iの知見を踏まえオリジナルで製作したものであり、基礎的な知識の他、職場で実際に直面する課題への対応例、組織として取り組みを進めるうえで考慮すべき事項などを濃縮したものだ。また、質疑応答では、グループ内の当事者メンバーへ直接「当事者・非当事者問わず不安に思うこと」「企業担当者視点での相談」などを気軽に匿名で質問できる時間を用意しており、「皆で共に社会を変えていきたい」と願う当グループからの「声」として、一人でも多くの人が自分事として向き合うための時間となればとの願いを込めての実施となる。

 

デロイト トーマツ グループが最終的に目指しているのは「社内のダイバーシティ&インクルージョン」だけではなく、誰もがありのままの自分で輝ける社会であり、よりインクルーシブな未来だ。

全国どこからでも(もちろん海外からでも!)参加できる、今回の東京レインボープライド。こうして公の場で声を上げていくことこそが、世界を変えるために私たちにできることの一つであり、デロイト トーマツ グループの声が一人でも多くの方に届くこと、そしてその声が広がり、未来を変えるための力となることを信じている。

東京レインボープライド2021

「あなたも1時間でLGBTサポーターに! ~デロイト トーマツ社内研修特別公開~」実施概要

4月25日(日)12:00~13:00(日本語)、18:00~19:00(英語)

  • 事前申込は不要。匿名参加も可能ですので、ぜひお気軽にご参加ください。
  • 質疑応答では、実際に当事者メンバーが皆さんからのご質問にお答えしますので、当事者・非当事者問わず不安や疑問に思うことなど、お気軽にご質問ください。
執筆: デロイト トーマツ グループ Diversity & Inclusionチーム

激変する市場環境の中、自社と顧客の成長を牽引するための経営戦略の1つとして経営層と一体になりDiversity & Inclusionを推進すべく2017年に結成されたチーム。ジェンダー・国籍・カルチャー、LGBT等の個人の多様性や違いを強みとするための施策を幅広く立案・実行し、社内外に広く発信中。

「=」をモチーフとしたロゴは、デロイト グローバル共通のDiversity & Inclusionコンセプトである「ALL-IN」をイメージしたもの。