Posted: 28 Dec. 2021 4 min. read

第6回(最終回):“真のDX”を実行・実現するために

続・モビリティー革命2030 DX編

本連載では“真のDX”には自社の事業、業務の在り方の根本を変えていく必要があると述べてきた。その実現には、企業活動に携わるすべての人々が“デジタル”の可能性を理解、活用できるケイパビリティを持ち、従来からのビジネス、仕事のスタイルを自ら変えていくマインドと行動が必要となる。取り組みにおいて重要なポイントを大きく3点あげる。

本稿は2021年7月15日に日経xTECHに掲載された「続・モビリティー革命2030 DX編」を一部改訂したものです。https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01653/00008/

1.全社視点でのDX戦略・デザイン

従来のIT化、デジタル化の取り組みの名称が“〇〇DX”につけ変わった活動を積みあげただけでは、真のDXは実現に向かっているとは言えない。今一度自社にとってのDXで何を実現したいのか(VISION)、そのためには何が必要か(BLUEPRINT)、どのような優先順位・時間軸で進め、どれだけの投資をしていくのか(JOURNEY)を経営視点、将来事業視点で議論し戦略としてまとめ、それを社内外のステークホルダーに発信、認知・理解してもらうことが重要だ。

2.変革のチェンジマネジメント

新しいビジネス、業務の設計、システム開発・展開をしただけでは変革は進まない。変革の阻害要因の多くは、新たな業務やシステムの担い手となる“組織・人”に起因する。描いたDX戦略の実行を成功させるためには、この“組織・人”の変化を段階的に、計画的に進めていく「チェンジマネジメント」が必須となる。

3.変革の担い手となるデジタル組織・人の獲得

“真のDX”実現の担い手となるデジタル・IT組織に求められる機能は大きく変わる。コストや効率化が焦点の守りのITに対し、新たなビジネスの種や強みを作るための攻めのITだ。デジタル・IT組織にはこれら要素・流儀を併せ持つ“バイモーダルIT”組織への進化が求められる。

 

特に真のDX=ビジネス・業務の変革するためには、ビジネスの視点とテクノロジーの視点を併せ持ち、自社のビジネス課題を解決するためには、どのようなソリューションを活用できるのか、誰と組めば良いのか判断できる人材=「パープルピープル」の存在が重要となる。

また、従来にはない新たな領域・テクノロジーをカバーする専門性をもった人材の獲得も求められる。

グローバルレベルでデジタル人材の獲得競争が激化している中、前述のようなデジタル機能を担える人材を想定通りのタイミングで人材獲得できるとは限らない。当面の対策として社外のチームの力も借りながら取り組みを進め、中長期の視点で人材戦略の取り組みを進めることが重要である。

真のDXの本質

本連載では、ただ新しいITツールを導入した、業務の改善にとどまる取り組みであってはならないという思いを込め、自動車業界に求められる“真のDX”とは何かについて考察してきた。

 

デジタルツールを導入すれば、従来のビジネス、業務のあり方を変えられるということは幻想であり、真には、経営、事業、業務に携わる人、ひとりひとりがトランスフォームしていかなければならい。企業文化を含めてトランスフォーム(完全変態)することをということを求められているのである。100年に一度の大変革期をチャンスととらえ、新たな時代の礎を築くための変革に各社取り組んでいってもらいたい。

D-NNOVATIONスペシャルサイト

社会課題の解決に向けたプロフェッショナルたちの物語や視点を発信しています

プロフェッショナル