Posted: Jun 01, 2019 3 min. read

「カジノ事業免許の背面調査への備え」セミナーに デロイト トーマツ 仁木が登壇

背面調査の海外事例を踏まえた日本における留意点

有限責任監査法人トーマツ パートナー、デロイト トーマツ グループ IR(Integrated Resort)ビジネスグループ リーダーである仁木一彦が、2019年6月13日(木)に東京都内で開催されたGT東京法律事務所主催「カジノ事業免許の背面調査への備え」セミナーに登壇、「背面調査の海外事例を踏まえた日本における留意点」について解説した。

有限責任監査法人トーマツ パートナー、デロイト トーマツ グループ IRビジネスグループ リーダー 仁木一彦
有限責任監査法人トーマツ パートナー、デロイト トーマツ グループ IRビジネスグループ リーダー 仁木一彦

なぜ背面調査を実施するのか?

IR(統合型リゾート:Integrated Resort、以下「IR」という)とは、「観光および地域経済の振興に寄与する諸施設」と「カジノ施設」が一体となっている施設群である。カジノ事業については既存産業にはない以下のようなことが社会的に懸念されているため、既存産業より高いレベルのリスクマネジメント(強固な内部管理体制の整備等)が必要となる。

以下のような重要リスクを排除し、カジノ事業に関わる者の高い廉潔性やカジノ事業の健全な運営を確保するために、背面調査を実施することとなる。

 

  • カジノフロアにおけるマネー・ローンダリングの発生
  • 反社会的勢力の介入

背面調査の範囲は想定以上に広範?

日本においても米国ネバダ州の調査項目と同等の背面調査がなされることが想定できるため、米国ネバダ州の事例と日本で発表されている資料を基に解説していきたい。

米国ネバダ州の背面調査の項目を見てみると、「会社に関する事項」と「役員個人に関する事項」の2つの分類に分けられている。

日本では、カジノ事業者は公益性を有するIR事業を実施するために特別に認められるため、免許制になり、カジノ事業者の主要株主等はIR事業者と別の主体であるが、株主権等の行使を通じてカジノ事業に重大な影響を有することから認可の対象となり、それらの役員もまた背面調査の対象となる。

背面調査の過程で調査される範囲は、カジノ事業者や役員本人だけではなく、取引がある企業や本人の親族等、必要と認められる関係者まで2次、3次と調査が及ぶ可能性があることから、背面調査の過程で調査される範囲は非常に広範になり得ることを事前に留意しておかなければならない。

会場の様子

背面調査の進め方と調査項目とは?

背面調査は、書面の情報のほか、調査官のインタビュー等を通じて得られた情報を踏まえ、ライセンス交付の可否が判断される。

背面調査の調査項目の例は、米国ネバダ州の例が参考になるので、主要な項目を紹介しておくと、共通確認事項の項目分類は一般(非財務)と財務の2つに分けられ、以下のような項目がある。

 

  • 一般(非財務):学歴、雇用歴、住所情報(過去の自宅の情報等)、犯罪歴 等
  • 財務:銀行預金、証券会社の口座、所有不動産、借入 等

これまで「カジノ事業における」背面調査について解説してきたが、我が国において想定される背面調査はどのように進められるのかについて、最後に解説したい。

我が国において想定される背面調査は、IR整備法に規定する国(カジノ管理委員会)によるもののほか、自治体により行われることが想定される。背面調査に応じる場合、対応に時間を要する事項もあるので、企業としては自ら事前に準備を進めておき、事業者選定等のプロセスの中で自治体から依頼があった際に即時対応できる体制を整えておくことが重要となる。

IR事業に参入予定の企業は、模擬背面調査等を自ら行うことで、廉潔性の証明が出来るように準備しておくことが必要である。

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デロイト トーマツ グループ IR(Integrated Resort)ビジネスグループ リーダー

仁木 一彦/Kazuhiko Niki

仁木 一彦/Kazuhiko Niki

有限責任監査法人トーマツ パートナー

オペレーショナルリスク・プラクティスの日本責任者、IR(統合型リゾート)ビジネス・プラクティスの責任者を務める。 公認会計士、公認内部監査人、公認不正検査士。 2000年公認会計士登録。 【オペレーショナルリスク・プラクティス】 15年以上にわたり、リスクアドバイザリー業務に従事し、オペレーショナル・リスク領域のプロジェクト責任者を多数務める。 専門分野は、コーポレートガバナンス、内部統制、内部監