社会的養護等を巣立った若者が住むシェアハウスの庭園整備ボランティア ブックマークが追加されました
2024年11月4日、デロイト トーマツ グループのメンバー9名は一般社団法人Masterpiece(以下、Masterpiece)が管理・運営する、社会的養護*を巣立った若者や虐待等の理由で親を頼りづらい若者向けのシェアハウスを訪問し、Masterpieceのスタッフの皆さま・シェアハウスに住む若者と約3時間、ボランティアとしてシェアハウスの庭園整備を行いました。
*社会的養護とは生みの親と一緒に暮らせない子どもを社会で養育する仕組みで、児童養護施設や里親家庭等が該当します。
児童養護施設や里親等社会的養護を経験した若者は、原則18歳になると養護下から外れ、自立した生活を求められます。2024年4月施行の児童福祉法改正により年齢の上限が撤廃され、必要だと判断される限り自立に向けたサポートが受けられるようになりましたが、まだ現場の支援が追い付いていないことも多いのが現状です。若者の中にはまとまったお金がない、仕事がない、賃貸契約に際して保証人がいないといった困難に直面するも、サポートがないまま自立を求められることもあります。そんな若者にとって、安心・安全な住居を見つけることは簡単ではありません。また周囲に精神的に頼れる人がいない結果、社会的孤立に陥ってしまうこともあります。
Masterpieceでは児童養護施設や里親家庭等を巣立った方、何らかの理由で親を頼りづらい方をサポートするために、概ね29歳以下の若者に対象に、格安での住居提供を行っています。加えて食料サポート、若者らが集うサロン(居場所)の運営を行っています。
今回はMasterpieceが管理・運営する、埼玉県さいたま市にあるシェアハウスに訪問しました。当該シェアハウスは、以前は大家さんが県内の児童養護施設に貸し出し、その後は卒園生のシェアハウスとして使われていました。県内の住居制度が充実してきたため当時ニーズがあまりなくなっていたところを、大家さんのご理解を得て、2020年からMasterpieceとしてシェアハウス運営するに至ったとのことです。Masterpieceは若者に安心・安全な住居を格安で提供することを優先しているため、シェアハウスとして活用することを目的とした造りになっているとは限りません。今回訪問したシェアハウスは広大な日本庭園を持つ古民家のため、毎年草刈りが必要になります。当該シェアハウスは女性専用ということもあり、いつもは主に女性が力仕事となる庭園整備を丸一日かけて行っていると聞き、今回デロイトトーマツのメンバー9名、Masterpieceスタッフ・シェアハウス住居者の若者と一緒に庭園整備を行いました。
総勢12名の力を合わせ、約3時間で計40袋以上にもなる落ち葉・枯れ木を集め、しばらく枝木に埋もれていた日本庭園の池が姿を現し、敷地内の畑も種まきができる状態にまで整備することができました。
3時間の活動を経て、デロイト トーマツの参加メンバーからは以下の声が寄せられました(抜粋)。
Masterpieceの方からは以下のコメントを頂戴しています。
私は児童養護施設職員をしていましたが、18歳で施設を巣立っていった多くの若者たちは様々な困難にぶつかっていきます。例えば、仕事でのトラブルや早期離職、大学の中退、保証人が立てられないこと、親を頼れないことが理解されづらいことによる人間関係の悩み、過去の虐待経験による精神疾患など様々です。失敗することが悪い事ではなく、失敗した時に頼れる先がない帰れる場所がないということが社会課題であると思っています。失敗しても「いったんうちにおいでよ」と言えるシェアハウスをつくりたいという思いからシェアハウスを始めました。親を頼りづらい状況やどんな生い立ちがあろうと、自分は大切な存在であり素敵な人生を歩んでいいことを伝えたいと思いながら活動しています。シェアハウスを運営していくことは、入居者との関わりだけではなく、草むしりなどの環境整備も大事なのですが、人員も足りなく課題に感じていましたが、今回大人数で取り組めたことが入居者にとっても団体にとっても大きなエンパワーの機会となりました。ありがとうございました!
活動中にMasterpiece代表の菊池様より、シェアハウスの運営は大変さもありながら、「シェアハウスがあって助かった」と若者から言ってもらえるのが何よりうれしいとの話を聞き、改めて親を頼れない若者が抱える問題やシェアハウスの運営意義を学びました。活動にご協力いただいたMasterpieceの皆様に貴重な機会をご提供いただいたことを、改めて感謝申し上げます。
「人とひとの相互の共感と信頼に基づく『Well-being(ウェルビーイング)社会』」の構築に貢献する──。デロイト トーマツ グループが掲げているAspirational Goal(目指すべき社会の姿)です。Personal/ Societal/ Planetaryのそれぞれについて、Well-beingすなわち健全な状態を目指します。わたしたちは今後も継続的に、デロイト トーマツ グループの財産であるメンバーのPersonal Well-being実現のための取り組みを進め、それぞれのメンバーがSocietal well-being、Planetary Well-being実現のために、よりサステナブルな将来を構築するべく、共に取り組んでまいります。
人とひとの相互の共感と信頼に基づく 「Well-being 社会」