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日本企業のグローバル経営管理体制強化に向けて

米欧アジアとグローバル展開の完成を急ぐ日本の製造業が東京から自在にグローバルベースの収益管理ができる仕組みを構築

本プロジェクトの狙いや背景等

M&Aによる米欧での製造・開発拠点の確立とそれに伴うマーケット開拓力の大幅な向上を実現させた日本のとある伝統的製造業が、グローバルベースで統一された意思のもと、経営計画を立てそれを推進していく仕組みが必要となっていた。
M&Aによる海外展開において、日本の技術力と商品力が被買収側に受け入れられ一体での生産や販売が進んでも、経営管理の仕組みは元のままというケースが散見され、今回のケースも予算の管理単位が国・地域で異なるということが続いていた。グローバルでの経営環境変化に素早く対応するためには統一した制度・仕組み・管理サイクルをもち、トップダウンでの意思決定が経営計画として迅速に企業の各組織までいきわたらせる必要がある。
本プロジェクトにおいてデロイトの経営管理の専門チームとして、我々はクライアントの経営管理部門と一体となって年度事業計画の立案プロセスと四半期ごとの業績評価の仕組み、その中でも主要業績評価指標(KPI)の設定と管理方法をグローバルベースで統一し制度として確立させた

プロジェクトにかかわるメンバー及びそれぞれの役割について

約1年半にわたるプロジェクトで経営管理チームから多いときで十数名、常時5-6名がクライアントサイトに常駐で進めた。デロイトのチームメンバーは、経理知識と管理会計の知見をもったメンバーがクライアントの管理部門と連携し、現行の係数管理の課題の洗い出しを行いながら他社での取り組み事例を参考にして、クライアントにとってあるべき経営管理制度の考え方を策定、ついでそれを実務に落とし込み経営管理制度をどういう順でどこから改革すればいいかの実行計画を立案していった。
また、実際に新しい制度を導入するという段になっては、デロイトメンバーとクライアントメンバーが一緒に社内各関係部署を回り内容の説明を行いながら、なぜこうした改革が必要かということを外部の専門家の知見として説いてまわった。

プロジェクトを成功させる上でのポイントやプロセスについて

経営管理の仕組みを再構築するためには、会計情報を自在に加工・利用する知識が必要となるが、その前にクライアントのビジネスを理解し、Value Chainを読み解きどういうメカニズムでクライアントが収益を上げるかを実感をもって把握することが必須となる。デロイトでは、会計知識に長じた経営管理の専門チームが、クライアントとその業界構造に精通したインダストリーチームとタッグを組み、さらに米欧アジアそれぞれのマーケットの特徴も分析したうえで、経営管理上のキーとなる情報を整理し、どういう流れで計画立案から実績集計、分析と評価といったPDCAの仕組みを作ることがクライアントにとって最も重要かを常に議論しながら進めた。
また、経営管理としての業績評価の結果は、役員報酬や人事評価制度ともやがて連携が必要となる。さらに、今回は制度の変更から着手したがこれをグローバルに展開する上では情報システムの改修や新たなデータベースの設定などITの手助けが必要となる。デロイトには、人事評価制度や報酬制度の構築支援に実績があるHuman Capitalコンサルのチームがあり、業績評価制度構築にあたっては彼らとも適宜連携して進め、クライアントに将来派生する変革への備えを促し、またITに関してもデロイト内でTechnologyの専門チームに知見を求め制度改革に続くIT化の構想につき、青写真を描くという支援を行った。これらも、プロジェクトリーダーの差配のもと、チームメンバーが自ら考えクライアントにとって必要となるであろう情報をデロイト社内の協力体制のなかから見つけ出して形にしていくことでタイムリーに実現できた。

本案件ならではの難しさややりがい

日本の製造業の多くが、M&Aを駆使したグローバル化を進めてきているが、被買収企業の経営の仕組みを親会社のそれに収れんさせるいわゆるPMIに時間がかかることが多く、言語の壁もありグローバルで統一した意思決定を支える仕組みとしての経営管理基盤の再構築を迫られるケースが多い。当該クライアントも例外ではなく、各国各拠点で過去から続いてきた経営管理の方法を変更するのは並大抵のことではない。クライアントの経営企画部門とデロイトのメンバーが共同して米欧アジア各拠点の実情を調べ評価分析を行い、地域ごとあるいは事業セグメントごとに優先順位をつけて、経営管理制度のプロトタイプを作り根気よく説明を繰り返して合意を取り付けていった。

本案件における、DTCならでは、または、Divisionならではの取り組み

DTCの経営管理・会計の専門チームとして、日ごろからデロイトのグローバルでの方法論を研究し、経営管理のPDCAや業績評価(Performance Management)の枠組みについてはある程度の”共通言語”としてメンバー間でアプローチやテンプレートを共有している。それを今回のクライアントのケースにあてはめてカスタマイズすることで短期間に基本形の提示が可能となり、また当然元が英語で開発されたものであるからグローバル企業への適応についても効率的に進めることができた。
また、ソリューションの専門家としてのコアチームに業界・事業構造に関する知識の供給のためのインダストリーチームからの支援が得られやすいようDivisionとして支援体制を整えながら進めた。さらに、こうしたグローバルでのコンサルティング能力を高めるため、つねに外国籍のメンバー20名程度からなるInternational チームをユニット内に構成していて、協力して進めることでクライアントの海外拠点とのコミュニケーションにも支障がないよう配慮を行った。

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