M&A | オファリングサービス
先進的データ活用ビジネス構想の展開にむけて
投資先企業の事業展開計画を支えるシステムとITマネジメントの強化
本プロジェクトの狙いや背景等
クライアント企業はデータ活用ビジネスの拡大を指向して、アーリーステージにある投資先企業への増資を検討していました。
投資先企業は多国に展開するメディア系企業であり、先進的な配信技術に強みを有していました。クライアント企業は対象企業が構想する新規事業の成長やリスクの蓋然性を判断する必要がありましたが、とりわけ、ビジネスプロセスの根幹がITに大きく依存していることから、開発が計画されている基幹システムの信頼性、安全性、拡張性、ビジネス変化に対するIT組織としての機動性などに大きな関心を寄せていました。
プロジェクトにかかわるメンバー及びそれぞれの役割について
本件において、Deloitteは以下の体制でクライアント企業の検討をサポートしました。
パートナー A:Deloitteのサービスデリバリーに関する最終責任者、デジタルソリューション動向や他社事例の知見提供
シニアマネジャー B:プロジェクト作業の遂行、分析レポートの作成に関するリード
シニアマネジャー C:データセンターソリューションや高頻度データ処理に関する技術知見提供
マネジャー D: ローカルレギュレーションを考慮したIT組織運営に関する知見提供
シニアコンサルタント E:対象会社からの情報収集やインタビューの窓口
アナリスト F・G:情報分析、レポートドラフトの作成
プロジェクトを成功させる上でのポイントやプロセスについて
スタートアップに近い状態であった対象企業は”管理”の面では十分と言えない状況にありました。具体的には、開発中のシステムの設計資料や検討資料を記録として体系的に残していない(情報の多くがメンバーの頭の中にある)、中期の投資計画や事業展開の計画が明文化されていない(もしくは、資料間で記載整合性が取れていない)などの事象が分析の初期段階において認識されました。かかる状況を踏まえて、本件では、提示された資料の読み解きはほどほどに留め、対象会社の事業構想リーダーに対するインタビューを中心に分析作業を進めるアプローチを採用しました。対象企業にて現在進行中の開発案件の概要、開発チームのCapability、将来構想などを聞き出し、理解した内容を都度、文書化しました。明文化することを通じて新たに認識された不明事項については補完調査し、2週間ほどで主要論点の把握に成功しました。
Deloitteの分析に基づき、クライアント企業は対象協議との協議を継続しました。分析作業の時間的制約により生じた誤解も、誠意ある質疑応答を通じて解消し、相互の立場に対する理解も深まりました。
事業の成功確度をより高めたいというクライアント企業の意向を踏まえ、Deloitteが提言したシステム開発プロジェクトの管理精度向上に向けた施策の実施について、対象企業も快諾したことでクライアント企業の増資検討に弾みがつく形となりました。
本案件ならではの難しさややりがい
本件の最大のチャレンジは参考にできる先行事例が存在しないことでした。対象会社の事業モデル、計画されているシステムの構成、採用する技術の組合せが先進的であるが故に、同様のサービスを志向しているプレーヤーの事例からの学びが皆無に等しい状況でした。端的な例としては、議論しているデータのボリュームが膨大なものであったことが挙げられます。(一般事業会社が取り扱うデータの100億倍にも及ぶ大量データの発生を想定した検討をしていました)
そのような大量データ処理を前提としたデータセンターを確保できるのか?
パフォーマンス劣化を生じさせることなく運営できるのか?
さらにその上で、ビジネスを多国に展開していけるのか?
これらの疑問に適切に回答するには、最新ソリューション動向、各国のITインフラ成熟度、ビジネス、法制度に対する深い洞察を必要としますので、誰にでも取り扱えるお題という訳ではありません。
前人未踏のシステムの計画を分析し、事業の成功可能性を高めるための施策に思いを巡らせ、ひいては、新しい社会インフラの実現に向けた構想に参画できたことを誇りに思います。
本案件における、DTCならでは、または、Divisionならではの取り組み
本件遂行に当たり、必要となった知見として以下のものが例示できます。
・ITの最新技術動向(AI、Fingerprinting など)
・ビジネスモデル
・システムアーキテクチャ
・個人データの加工/転用に関わる各国法制度
・個人データの匿名化手法
・各国のITインフラの整備状況(高速ネットワークの提供状況やデータセンターの可用性、信頼性など)
・各国のIT人材市場
・事業計画の策定
・IT投資計画の策定
・IT組織マネジメント
・ITプログラム/プロジェクト ガバナンス
これらを包括的に論じることを可能としたのは、Deloitteの組織力に他なりません。
DeloitteのM&Aユニットでは、IT技術やM&Aプロセスに精通した専門家が相互に連携・協働することで、クライアント企業が真に必要とするサポートを提供しています。
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