Human Capital | オファリングサービス

グローバルグループガバナンスを強化し、真のグローバルカンパニーの実現へ

これまでの地域分権型運営から脱却し、グローバル一体運営体制を実現するために会社はどう変わるべきか

本プロジェクトの狙いや背景等

グローバル一体運営体制の実現に向けた経営体制・組織・権限・KPI・人事制度の改定
日本を代表するグローバル企業の1つである当クライアントでは、昨今の激しい経営環境の変化の中においても、各地域・国の垣根を越えたグローバルプロダクトの開発・生産・販売を推し進めてグローバル競争力を高めるとともに、盤石なガバナンス体制の構築を通じて一元的なリスクマネジメントを実現することこそが最重要経営課題と捉えていました。

当時クライアントにおいては、製品そのものはグローバル共通のプロダクトとして全世界に向けて製造・販売されているものの、事業運営は各地域統括会社(日本・欧州・米州・その他アジアなど)単位の裁量に委ねられており、組織構造や各種仕組み・制度、インフラは地域間で整合しておらず、GHQ(Global Headquarters)は各地域における実態も十分に把握できる状態にありませんでした。
その結果として、「グローバルで統一的な戦略が各地域で実行されない」「各国で発生した重大な問題がGHQまであがってこない」という問題が顕在化しました。

上記問題を解消すべく、クライアントでは経営執行体制、組織構造、権限・意思決定プロセス、責任体制・KPI、人事制度のグローバル一体運営化に大きく舵を切ることとし、本プロジェクトを実行するに至りました。

プロジェクトにかかわるメンバー及びそれぞれの役割について

デロイトの総合ファームとしての力を最大限発揮し、全改革テーマを統合的にサポート
デロイトでは、インダストリーチームとHCチーム、Finance & Performanceチームとで混成プロジェクトチームを組成し、①経営執行体制の構築、②全事業・機能部門の組織構造の見直し、②に伴う③経営会議体及び各職務の権限・意思決定プロセスの再構築、④各組織の役割設定に即した責任体制・KPIの設定、⑤人事・評価権の最適化とグローバル共通人事制度の設計、を企画・実行しました。(延べ関係者は100名以上にも及ぶ一大プロジェクトでした)
特にHCチームでは、①②③をインダストリーチームとの共同体制で組織設計をサポートするとともに、⑤を人材マネジメント方針から詳細の人事制度設計に至るまでを主導して支援しました。

クライアント側でも社長・副社長をプロジェクトオーナーとし、全CxO、各地域統括会社のトップ、GHQである日本の各事業・機能リーダー、経営企画・人事部門が総出でプロジェクトチームを組成し、この取り組みを進めることとなりました。

プロジェクトを成功させる上でのポイントやプロセスについて

1. 組織設計と権限・KPI・人事評価権の整合性担保

一般的には経営・事業・機能戦略に基づいて組織・ガバナンス構造を決定し、これに整合する形で権限・KPI・人事評価権を決めていくことが多いのですが、本プロジェクトはカットオーバーまでのタイムラインの都合上、全領域・テーマを同時並行的に進める必要があったため、常に各領域での検討内容・状況を他領域に可視化・共有しながら設計の前提条件や要件として盛り込みながら検討を進めました。そのため、検討の進め方もいわゆるウォーターフォール的なアプローチではなく、多少粗くとも先に設計の全体像を描いて詳細はアップデートしながら内容を詰めていくアプローチで進めていきました。そのため検討過程においては領域間の整合をとることに苦労しましたが、結果的にはいずれの領域においても無事カットオーバーを迎えることができました。

2. トップマネジメントとのスピーディな合意形成

本プロジェクトは、経営陣のコミットメントが非常に高く、社長・副社長及び全CxO、各地域統括会社のトップをメンバーとするステアリングコミッティー(プロジェクトに関する最終意思決定機関)を週次で開催し、あらゆる方針決定、組織・権限・KPI・人事制度の設計内容に関わる重要な意思決定をこの場で行っていました。通常のプロジェクト進行であれば、クライアント側の担当部門の方(プロジェクトチーム)とデロイトで設計内容を詰め切って、経営報告という形で上申することが多いのですが、検討する内容の全社に与える影響の大きさ、複雑さ、何より求められるスピードの速さから、経営陣の皆様も一緒になって内容について議論しどうするかを決めていくことになりました。
間近で経営陣1人1人の思いや悩みを聞き、それに対して我々がクライアントの担当者と一緒になって提案・議論していくプロセスは、非常にダイナミックで迫力のあるものでした。

3. グローバルカンパニーへの変容

前述の通り、本プロジェクトはクライアントが真のグローバルカンパニーになるための取り組みでしたが、設計内容やその導入場面においても、その変革プロセスをクライアントと一緒に辿ることができました。設計内容においては、日本とその他海外で大きく異なる組織や人事制度を運用している中で、どのような状態を共通項として目指すべきか(どこまでをどのような設計内容で揃えるか)を相当に時間をかけて議論を行いました。このプロセスを経ないと、日本に偏った設計内容となったり、過度に欧米化した設計内容になってしまい、グローバル全体最適とならないからです。また、導入場面においても、日本側で設計した内容を各地域のリーダーやHRと合意形成していくプロセスを丁寧に進めました。このプロセスを手厚く行いことで、設計する内容がより全体最適になっていくだけでなく、この議論を通じてお互いへの理解が進み、Global One Firmに早く正確に近づくことができたと思います。

本案件における、DTCならでは、または、Divisionならではの取り組み

圧倒的なカバー領域の広さと各領域における専門性の深さ

本プロジェクトで最も重要であり難しかったことの1つとして、「あるべき姿を描ききること(現行踏襲からの脱却)」と「実際に組織・ヒトが適切に動くこと(絵に描いた餅にしない)」の両立というものがありました。クライアントとしてもこのようなケースはいままでに経験したことがなく、非常に困難を極めるプロジェクトではありましたが、こういうときにこそ、デロイトの本当の強さが活かされたように思います。プロジェクトチームはそのテーマに合わせて最適な混成チームを組成し、何か特定のイシューが発生すれば必ずその専門家がDTC内、もしくはメンバーファームにおり、チームを助けてくれました。どのようなことがあっても、デロイトはクライアントの課題に寄り添うことができるファームなのだと再認識させられました。

組織・人事領域における総合力の高さ

今回のプロジェクトにおいては経営執行体制の再構築から組織設計、権限設計、責任体制・KPI設計、人事制度改定に至るまで非常に幅広い改革を進めたわけですが、いずれの領域も我々ヒューマンキャピタルのメンバーがプロジェクトチームの一員として参画していたことが一つ大きなポイントだと考えています。あらゆる仕組みにおいても、最終的にはヒトが動かすものなので、組織・人事領域に長けた我々がプロジェクトチームに参画することでその実効性をより高めるための提言・提案(その仕組みを入れることで本当にヒトは動くのか?)を行うことが出来たと思います。

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