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CEOメッセージ

経済社会の「カタリスト」として、次代を生み出す変革を起こす

デロイト トーマツ グループCEOの永田高士が、産業構造や企業経営の転換期におけるデロイト トーマツの役割をお話します。

変化の時だからこそ勝機がある「哲学」と「テクノロジー」がカギ

―デジタルテクノロジーとグローバル化の急速な進展が、日本企業に未知の領域への挑戦を迫っている。海外の強力なプラットフォーマーを中核に、既存の業界の枠組みを破壊するエコシステムが形成されつつある。日本企業は今後、どうしていくべきか。

日本が置かれている状況は、大変に厳しい。5年、10年は何とか持ちこたえても、その後は分からない。既成概念と成功体験を捨て、ビジネスや社会の仕組みの新陳代謝を大胆に進め、自ら未来をつくり出すことが必要だ。その際に重要になるのは、国としても個別の企業としても、どこで勝負するのかを明確にし、独自の立ち位置を構築する「したたかさ」ではないか。そのしたたかさとは、突き詰めると「哲学」と「テクノロジー」の二つを解することだ。哲学だけでは戦えないが、テクノロジー偏重でも大局を見失う。変化の本質を見極め、両方をバランスよく実装したリーダーと組織を育てることが急務だ。

―日本にはテクノロジーはあるが哲学が欠けているということか。

哲学といっても特別なことではない。例えば、欧米のプラットフォーマーは哲学的な理念をベースに強烈なビジョンを示し、最先端のテクノロジーと人材を糾合して急成長を遂げている。つまり、哲学のレベルに遡って考えないと、テクノロジーがつくり出す未来の本質を読み切れないということだ。デロイト トーマツが関わるプロフェッショナルサービスの世界も、テクノロジーによって急速に変化しつつあり、従来型の「士業」のイメージを前提とした既成の枠組みでは、グローバルで存分に戦えない部分も出てきている。現在の延長線上の発想を脱却し、未来のあるべき社会から逆算して考えないと、変化の本質を見失いジリ貧になりかねない。他の業種・業界でも同様ではないだろうか。
 

「カタリスト(触媒)」として変革を促す力

―日本企業がこの大転換期にグローバルな競争力を獲得する上で生かすべき特質もあるのではないか。

日本人と日本企業の最大の強みは、「自走できる現場」に代表される「組織力」だ。これを生かして、グローバル企業に伍していくべきだと考える。ただし、これまでの日本は、リーダーシップに関していえば、個人の資質に依存する傾向が強かった。一人の天才的な経営者が偉業を成し遂げても、それをもう一段スケールの大きな変革へと発展させる「組織的リーダーシップ」が、必ずしも十分に機能していないケースが多かったと見ている。

―変革を促す上でデロイト トーマツ グループは何ができるのか。

われわれは1万2000人を超える日本最大級の総合プロフェッショナルファームとして、業界をリードする存在だ。単なる相談相手ではなく、企業や社会全体に積極的に働きかけて変革を促進し、熱量を上げる強力な「カタリスト(触媒)」だと考えている。全世界26万人のデロイトのネットワークもフルに活用することで、変化を妨げる課題を解決し、本当の意味での変革を促していく。
 

社会的公正を追求する姿勢と総合力で複合的な課題を解決

―政府に提言を行ったり、組織のリーダーを支えたりするシンクタンクやコンサルティングファームは他にもあるが、デロイト トーマツ グループは何が違うのか。

社会的公正を追求する企業姿勢と圧倒的な総合力だ。監査法人を祖業とする私たちのグループは、インテグリティ(誠実性)や社会的公正の実現に対する強い使命感を理念に掲げている。こうした使命感を背景に、さまざまな事象を客観的に定量化する技量と相まって、これまでも、個別ビジネスの枠を超えて多様な社会制度変革やルール形成に関わってきた。

このような社会的構想力は、これからのビジネスの変革にとって大きな力になる。また、デロイト トーマツは、経営に関わるあらゆる専門分野を網羅した、圧倒的な総合力を有している。個別のテーマ領域を超えた複合的な課題への対応力が大きな強みだ。

―「カタリスト」として大きな変革を成し遂げるには、デロイト トーマツ グループに関わる全ての者が、意識を変える必要があるのではないか。

すでに改革は進めている。今日の複合的な課題は、「個人プレー」では解決できないからだ。公認会計士やコンサルタント、税理士、弁護士などに加えて、データサイエンティスト、デザイナー、サイバーセキュリティーの専門家など、スキルの異なるタレントを積極的に採用し、組織の壁を取り払って「混成チーム」でサービスを提供する体制は、今では当たり前になっている。今後さらに、デジタルテクノロジーも活用し、専門分野のナレッジやソリューションの横断的な融合を一段と加速させ、より高い次元でシナジーを追求していく。その推進基盤として、「デロイト トーマツ インスティテュート」という機関を創設する計画だ。グループのリソースを集約し、次の時代を読み解きながら、政策提言・ナレッジの発信から、革新的なソリューションの提案までをカバーし、デロイト トーマツでないと実現できないシナジーの真価を示していきたい。リスクとチャンスが共存する時代にあって、日本の国と企業がしたたかに、そして力強く自己変革を遂げ、主体的に未来を創造していけるようリードしていく。

(2018年9月19日掲載)

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