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レジリエントな(危機対応力の高い)リーダーのための経済回復シナリオ2021年

世界の再構築: COVID-19とその後の世界

COVID-19拡大と、その対応が2021年も継続する中、リーダーは来期の経済的影響を見据えています。一方で来期にリーダーが下す決断は、今後、組織がどのように長期的に成長していくかを決定づけます。今こそリーダーたちは、COVID-19による悪影響を回避するたにの力強い行動を取り、同時に、来るべき変化に備える時なのです

2021年に向けた 4 つのシナリオ

本編の短期的なシナリオは、リーダーの2021年の戦略、財務、および運用計画の指針となることを目的としています。

各シナリオは、経済的影響を引き起こすであろう未来の状況を想定しています。

また、これらのシナリオは、何が起こるかという予言でも、何が起こるべきなのかという我々の期待でもありません。むしろ、計画の議論を組み立てることを目的とし、様々な条件下で、何が起こり得るかについて解説しています。

これら4つのシナリオは、2021年に今後の経済を方向づけるであろう2つの重大な不確実性に基づいています。すなわちパンデミックとその経済的影響に対する政府の対応、およびワクチンの流通と接種状況です。

天気雨

2020年は驚くべき事象が続いた年として記憶に新しいですが、2021年は、それに加えて予想外の出来事も起こりました。最も残念なことは、承認されたワクチンの数が増えても、数十億人分に達するには、予想よりもはるかに困難であることが判明したことです。記録的な速さで複数のワクチンを開発した科学には、非の打ちどころがありません。しかし、流通の脆弱性、不信感、そして人類の反応よりも速く広がり始めた疫病によってもたらされた状況は、無慈悲で容赦のないものでした。

しかしもう一つ、予想外のものとして、よりポジティブな驚きが用意されていました。それは、世界最大級、かつ、最も影響力のある市場に対する政治的信頼の高まりでした。米国における、ビジネスと労働者への強力な政府支援と厳しく一貫した健康に関する要請は、有権者の分裂にも関わらず、経済活動の維持に役立ちました。ブレグジット後、EUはパンデミックを乗り切るための相互支援へのコミットメントを再確認しました。

ワクチンがパンデミックの抑制に苦戦していたにも関わらず、 特に東西間の世界貿易は回復し、悲観論者が懸念していたよりも大きな経済成長を促しました。人々は、COVIDとそれが彼らの生活と暮らしにもたらした多くの制限から解放されることを切望しましたが、効果的な政策支援を通じて時間を稼いだことにより、ワクチンが効果を発揮しました。

終わりのない冬

年が明ければ状況が良くなると信じていた希望は、偽りだったと気づきました。もちろん、ワクチンは存在しましたが、継続的な流通の課題により、パンデミックの制圧に必要な量よりもはるかに少ないワクチンしか流通しませんでした。また、ワクチン・ナショナリズムと生産の課題により、数十の中所得国では、十分な量のワクチンを投与することができず、その結果、彼らの経済は需要と供給の両方の低迷に苦しみました。

さらに、ワクチンに対する懐疑論の広まりにより、流通していた場所でさえ、集団免疫を成しえませんでした。その結果、パンデミックとそれに関する規制は、世界的に、2021年のはるか先まで続くと感じられました。 相次ぐウィルスの変異種は、ワクチンの普及よりも速く広がり、ほとんど一年中、どこかでロックダウンが続けられています。マスク着用義務、ロックダウン、旅行制限など、「流行を鎮静化する」ための効果的な政策をめぐる国内外の緊張により、ほとんどの国で、ウィルスを封じ込めことができませんでした。

年末まで、旅行、接客、従来の小売り、サービス業は依然として世界の大部分で苦しんでおり、感染者数を抑え込むために警戒と成功を持続したきた国 (例:台湾、ニュージーランド、ベトナム、韓国)でさえ、貿易相手国が健全な状態でなければ、成長は見込めないと考えています。

激しい雨

初冬にワクチン配布に関して滞りが見られましたがその後、予防接種プログラムが加速し、受け入れられるようになりました。そして、晩春までには、先進国のかなりの数の人々が正常(Normal)な感覚を取り戻す準備ができるでしょう。

但し、唯一問題があるのは、戻る先の正常状態(Normal)に対して、その準備ができていないという事です。多くの中小企業がパンデミックの12〜15ヶ月を耐え忍ぶことができませんでした。倒産が当たり前の出来事となり、債務負担が管理不能になり、債務不履行の波が高まっています。影響は一様ではなく、多くの場所で、戻るべき十分な仕事がありません。人々の中には、もはや家賃や住宅ローンの支払いをする余裕がなく、債務不履行に陥ってる人もいます。その結果、世界のいくつかの経済大国で生じる需要側のショックは、世界中に波紋を広げます。金融市場と先端技術(ハイテク)は高騰している為、投資家は幸せですが、幸せな投資家と欲求不満の労働者の間の目に見えるギャップは、ポピュリズム(大衆主義)蜂起の新しい波を激高させる恐れがあります。

路上では、ビジネスや政治に対する不満が高まっており、有権者は、健康ではありますが、空腹でもあります。彼らは、政権や「現状の経済状況」に再び反対しています。

新たな夜明け

数週間のうちに世界経済を停止させたパンデミックから、世界各地の壊滅的な山火事まで、2020年が災難続きの一年であったのに対し、2021年は解毒剤のような年でした。年が明けると、COVIDのワクチンが世界各国で導入され、そして春の間に益々効果的に展開されました。政府と中央銀行は強い刺激策を打ち出し、企業が安定した状態を保ち、安定した雇用を維持し、消費者の信頼と社会的結束を継続することを可能にしました。一部の人々はワクチンに対して慎重な姿勢を示していましたが、富裕な国では夏の終わりには集団免疫を獲得し、多くの新興国もそれに続くでしょう。ウイルスを抑制するための対策は、経済活動を回復するための扉を開き、一部の地域では経済が成長します。その結果、新しいビジネス投資、新しい個人消費、新しい公共インフラストラクチャーを解き放つ自信の波となります。

打撃をうけた企業は依然として課題を抱えていますが、政府の支援を受けて立て直すことができるでしょう。夏から初秋までには、ほとんどの場所でロックダウンが解かれます。旅行が始まり、消費者は失われた時間を埋め合わせます。株式市場は回復します。予防接種パスポート、連絡先の追跡など、新しい手続きがあちらこちらで行われます。しかし、それらは、すでに新しい活況を呈すであろう次世代を楽しみにしている世界中の人々には、小さな代償のようです。 

 

2021 is still uncertain

2021年のこれらのシナリオは、COVID19危機の近い将来に起こりうるさまざまな経済状況を示しています。詳細、または、組織の将来に与える影響をご検討される際は、お問い合わせください。

レジリエントな(危機対応力の高い)リーダーのための経済回復シナリオ2021年

For more information about scenario planning, please also contact: Gopi Bila- Principal, Deloitte Consulting LLP

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