コーポレート情報

南三陸町視察ツアー2015を開催

東日本大震災からの復興に向けて

2015年7月3・4日、デロイト トーマツ グループの様々なファンクションから総勢19名が集まり、宮城県南三陸町を訪問しました。東日本大震災から4年4か月が経過した、現在の南三陸町の復興の現状と、ASC認証、FSC認証取得を目指し、地域ブランドの世界への発信に取り組んでいる現場を視察するのが当ツアーの目的です。

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3度目の南三陸町訪問

デロイト トーマツ グループは2013年より社内で有志を募り、南三陸町を訪問しており、今回のツアーが3回目の開催となります。JR仙台駅に集合した参加者たちを乗せたバスは、一路南三陸町へ向かいました。南三陸町さんさん商店街で昼食を済ませた後、デロイト トーマツ グループが取り組んでいる「トーマツ古本寄付プロジェクト」の寄付先である南三陸町図書館を訪問しました。宮城県南三陸町図書館は、東日本大震災による津波で、建物・資料ともに甚大な被害を受けましたが、現在は、南三陸町オーストラリア友好学習館(コアラ館)の他、プレハブや移動図書館車、トレーラーハウスによる仮設図書館を運営しています。当日は図書館長さんから直々に「トーマツ古本プロジェクト」に対する感謝の言葉をいただき、参加者も直接図書館を訪問することでデロイト トーマツ グループが支援している図書館の再建について肌で感じることが出来たようでした。
トーマツ古本寄付プロジェクトとは

(参加者より)

  • 本の冊数が少なく、今後も整備に時間がかかっていくのだと感じさせられた。一方で、震災後、早いタイミングでこのような施設ができれば、心の安らぎにつながるのではと思った。

木の魅力を最大限に生かした加工

地域産の木材にこだわって製造・加工をされている木材加工の会社を訪問しました。社長の小野寺邦夫氏は復興支援室がメンターとして参画している、東北未来創造イニシアティブ「人材育成道場」第二期塾生のひとりで、「木の真の力を輝かせる」ことで、かけがえのない日常の暮らしに貢献していきたいと考え、南三陸杉の特性を生かした取り組みを行っておられます。海からのミネラルたっぷりの霧で潤された南三陸杉は、伊達政宗の時代からその良質さで知られていますが、この会社では杉を低温で長時間かけて乾燥させることで、精油成分が失われず、木の強い香りとツヤを残した材木に仕上げています。続いて、南三陸町の間伐杉を利用し、ノベルティグッズの制作を行っている工場を見学しました。

(参加者より)

  • 木材加工会社では、企業の社会的責任の真髄を感じた。材の自然に持つ本来のよさを引き立て利用し、かつ木から山、山から川、川から海、海から木へとエコサイクルを維持した持続可能な経営理念に感心した。FSC認証、低温乾燥、といった他の産地にない特徴を出そうと努力されている様子が伝わってきた。単に震災前に戻す、という復興ではなく、国内材の需要減という震災前からあった課題に立ち向かっているところに感銘を受けた。
  •  間伐材を利用したノベルティグッズの制作を行っている工場では、雇用の創出という価値創造を現地で行おうとする取り組みが外部の人の手で行われてきた事例について話を聞けて、刺激的だった。創業の場所が公的な助成の入った施設であった点など、成長の経緯も興味深かった。

WWFジャパン「暮らしと自然の復興プロジェクト」とは

その後は、WWFジャパンの「暮らしと自然の復興プロジェクト」の担当者の方からレクチャーを受け、翌日の養殖漁場見学に備えました。WWFジャパンでは、東日本大震災からの復興に向けた取り組みのひとつとして、「自然環境と生物多様性の再生」と「持続可能な水産業の支援」を目的とし、宮城県南三陸町(志津川湾)を復興支援モデル地域として選定し、同地域のサポートを行っています。もともと志津川湾は養殖業が盛んなところでしたが、震災後、環境負荷の小さな養殖業を目指し、WWFジャパンではASC(水産養殖管理協議会)認証という養殖版「海のエコラベル」制度を紹介し、その取得を視野に入れ、環境の測定や情報の提供などで支援を続けています。
WWFジャパンの「暮らしと自然の復興プロジェクト」

(参加者より)

  •  持続可能というキーワードのもと、このような活動を行っていることに、驚きと、興味が尽きなかった。また、オリンピック開催を目標に据えて、現地の方と連携をとって活動している姿勢をみると、先を見据えて腰を落ち着けた復興支援だと感じられた。

ギンザケの養殖場を見学

2日目早朝、波伝谷漁港から漁船に乗り込み、最盛期を迎えるギンザケの養殖場へ向かいました。しばらく船を進めると、円形の生簀があり、大きく成長し水揚げを待つ何百匹ものギンザケが集められていました。生き締めといって酸欠にせずその場で生きたギンザケを一匹ずつ血抜きをして出荷する作業を行っている様子も船上で見学することが出来ました。志津川漁港では、水揚げの様子を船の上から見学し、下船後は、ギンザケが選別される様子を見学しました。

(参加者より) 

  • 全ての工程がとても効率化されていて、漁というより農業に近いことが意外だった。しかし、これでも震災前より非効率だという漁師さんのお言葉を聞き、復興までの道のりが遠いことを感じたが、地域で力を合わせて前に進もうとしている姿に勇気づけられた。

養殖漁業の協業化に取り組む戸倉漁協の皆さんとの座談会

宮城県漁業共同組合志津川支所戸倉出張所(戸倉漁協)を訪問し、漁協関係者の皆さんとの座談会に臨みました。宮城県南三陸町は、志津川湾の豊かな漁場を抱え、ワカメ、カキ、ホタテ、ギンザケなど、養殖が盛んな水産の町です。座談会では、カキ、ギンザケの養殖に携わる方々を代表する方にASC認証取得に向ける取り組みについてお話をしていただきました。


(参加者より)

  •  プライベートの素朴な疑問から、漁業の将来についてまで幅広く知見を広げることができた。南三陸の漁師さんを身近に感じるようになり、心から応援し、注目し続けたいと思った。
  •  漁師さんたちの町と共に、自分たちの生活を良くしようと懸命に努力する姿に感動した。

間伐体験を通じて南三陸の森を知る

午後は、国際機関の森林管理協議会(FSC)の認証取得を目指し、良質な杉が育つ南三陸町で、林業を最大限に活用し復興につなげようと活動されている、佐藤太一氏と共に南三陸町入谷地区の森林へ向かいました。南三陸杉は海が近いことで、ミネラル豊富な海からの霧と潮風によって育まれることにより、ピンクがかった色合いになるそうです。佐藤太一氏から間伐について説明を受けた後、参加者はヘルメットを被り、ノコギリを手に間伐作業を体験しました。間伐する木を選んでいただき、参加者は慣れない手つきながらも、南三陸町の森林保全の一助になることを感じながら、間伐体験を行いました。山の栄養が海に流れるため、山が豊かなら海の生物も豊かになるというお話を伺い、山と海がつながっていることを改めて実感しました。


(参加者より)

  •  林業の新しい理念、エコシステム全体を考えることがとても勉強になった。
  • 認証の話や、海や山の生態系を含めて育てていくという話をいきいきとしている佐藤さんが印象に残った。木や山についての知識が豊富で、南三陸への熱意を感じた。また同日に海での水揚げを見学した上での間伐作業だったので、海と山の繋がりについて、より理解が深まった。

最後に

参加者から寄せられた感想を以下に掲載させていただきます。

  • 被災地の皆さんがそれぞれ、目標と意欲を持って仕事と生活をしていることに感動し、私ももっと自分のやっている仕事の意味を理解して、自分の社会の役割を意識するべきだと思った。
  • 復興というと震災前の状態に戻すことという考えになりがちだったが、震災前よりより良い状態にするという考え方がとても前向きで素晴らしいと感じた。目先のことではなく将来のことまで考えて行動するのは、口で言うよりはるかに大変なことだと思うが、こうした取り組みが成功し、広がっていくことを期待する。
  • 震災から4年がたち、少しずつ復興は進んでいるように見えたが、震災自体については忘れないように語り継いでいくべきものなのだと改めて感じた。
  • ASCやFSCといった認証取得を目指した試みは、可能性を感じさせるものだった。これらの認証制度は、経済合理性を一定レベルで充足あるいは少なくとも意識した形で「あるべき姿」を構想し、それを産業の個別のプレイヤーレベルで実現可能なモデルとして定義している。そのうえで審査や調査、指導といった役割を担う営利または非営利のプレイヤーを推進力として組み込みつつ、行政等の公的な機関に大口の需要の担い手や社会的な需要の誘導者としての役割を分担させるという分業から成り立っている。上記のような万能の行政や万能の法制度による社会運営が実質的には機能しないことを踏まえた上での現在進行形の取り組みなのだと感じた。さらに、こうした営利と非営利、民間と公が入り混じるスキームの運営やその支援という点について、デロイト トーマツ グループが貢献できる点が多くあるのではないかと感じた。
  • 画像や活字では繰り返し触れてきた東日本大震災だが、実際に被災地を見て、現地の人の話を直接聞くことの大切さを、改めて認識した。
  • 復興はかなり進んでいるのだと思っていたが、実際には瓦礫がなくなった程度であまり進んでいないことがショックであった。震災がいかに甚大な被害をもたらし、そこからの復興がどれほど難しいのかを突き付けられた。しかし、今回のツアーで復興に向けて前向きに進んでいる多くの方々にお会いすることができ、希望を持つことが出来た。地域の人々がとても魅力的で、また南三陸を訪れたいと強く思っています。

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