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「地方にある世界の港町」への変革を目指す「気仙沼まち大学」構想

「ちいきづくり」活動の事例(1)

デロイト トーマツ グループの復興支援室では、震災の被害にあった東北や熊本の被災地域に重点を置き、「ひとづくり・ちいきづくり・しごとづくり」の3つの視点から、地域の「未来づくり」に伴走しています。今回は、「ちいきづくり」の活動の事例として、我々のメンバーが構想段階から深く関わった「気仙沼まち大学」構想についてご紹介します。

「気仙沼まち大学」構想の立脚点

この「気仙沼まち大学」構想は、まちの未来づくりに立ち上がる市民リーダー達を主役に据え、「市民が主役のまちづくり」として2017年4月にスタートしました。産業界や地域づくり分野など気仙沼のあちこちで生まれつつある新しい挑戦やイノベーションを磨き、有機的につなげるプログラムとして各セクターが行う人材育成事業をプラットフォーム化し、また、集い、対話し、創発がおきる「空間」、「場」として「☐シップ(スクエアシップ)を開設しました(写真は、スタート時のスクエアシップの様子)。市民と行政、市民と企業、あるいは市民どうしが、タテヨコナナメでつながって、さらに新しいアイデアや取り組みが生まれる場として大いに期待されています。


そのきっかけとなったのは、震災から2年後の2013年に気仙沼市が始めた「経営未来塾」でした。1期半年にも及ぶこの人材育成プログラムは、「このまちをなんとかしなければ」という塾生ひとりひとりの深い思いや志を、経済同友会を中心とした在京の会社が、いわばヨソモノとして関わり、塾生と伴走しながら、事業構想を磨いていくプロセスです。(参考:『ひとづくりを通して、地域の未来づくりに伴走する(1)』)延べ5期、85名に上る「卒塾生」は、こうした自己との対峙、ヨソモノとの出会いや塾生どうしの協創を通じ、現状への危機感と変革への思いを深くしたリーダーとして地域と再び向き合うことになります。こうして震災後生まれた市民リーダーを有機的につなげて(スクエアシップの開設)、水産業や観光業といった産業にとどまらず、他の市民も巻き込んで、気仙沼を、「ミニ東京」「ミニ仙台」ではない、先取の気鋭に富んだ、「地方にある世界の港町」に変革していこう、というのがこの「気仙沼まち大学」構想の立脚点です。

私たちに問われていたものとは

私たちデロイト トーマツ グループの復興支援室は、気仙沼市を全面的に支援していた経済同友会と連携し、経済同友会の活動として職員を現地に常駐させ、この「気仙沼まち大学」の構想段階から深く関与し、スクエアシップの開設を支援しました。地域には、さまざまな立場からのさまざまな考え、正義があり、時として、それらが激しくぶつかり合います。このまち大学構想も例外ではありませんでした。一口に事務局の立場からの利害調整といっても、それは容易なものではなく、ヨソモノの立場から関わる場合はなおさらです。私たちは、気仙沼市に常駐した職員を通じて、地域の人々の危機感や思いと正面から向き合い共有することに努めました。そうした愚直な姿勢がやがて何人かの方々の信を得、信頼される事務局として機能する基盤となっていきました。問われていたのは、伴走する私たち自身の地域課題への理解と共感力でした。

これから始まる地方創生の成功事例へ

気仙沼まち大学構想が立ち上がり、スクエアシップが開設し1年半が経った今、官民学金が連携して新しい取り組みを構想する場、また地域のベンチャーを支援するフラッグシップの場として機能し始めています。当初掲げた理念「一人一人の一歩を応援し合うまちになる」ためのエンジンとしてこれからますます期待が高まっています。

「ひとづくり」に始まった気仙沼市の復興への取り組みは、地域の未来を担うリーダーシップをもった新しい人材を手に入れました。このリーダーを、行政、地域住民、そして我々のようなヨソモノの事業者、それぞれの立場と持ち味で、これからも応援していきたいと思います。それが、人から始まる地方創生の具体的な成功事例を作っていくと信じています。

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