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地域の経営者が魅力ある“ひと”となり、産業・雇用の創造を志すことが、地方創生の鍵

ひとづくりを通して、地域の未来づくりに伴走する(2)

地域の未来はまず「ひとづくり」から。デロイト トーマツ グループの復興支援室では、「ひとづくり・ちいきづくり・しごとづくり」の3つの視点から、地域の「未来づくり」に伴走しています。「ひとづくり」の活動の中心となる「人材育成塾」では、これまでに延べ350名もの卒塾生を輩出しています。実際に卒塾生にはどのような変化があったのでしょうか。今回は卒塾生お二方の事例をご紹介します。

「行動する経営者」としての覚悟

デロイト トーマツ グループの復興支援室では、「人材育成塾」を通じて、地域の未来を切り拓く「ひとづくり」を支援しています。2013年から東北被災地の各地域で展開してきた人材育成塾は延べ350名の卒塾生を輩出しています。人材育成塾で経験した自己との対峙、会社経営との対峙は、塾生それぞれの人生、働き方、地域との向き合い方に大きなインパクトを与え、卒塾後の行動にも変化が表れています。
宮城県南三陸町で運送業を経営する佐藤克哉さんは、2014年に気仙沼市で実施された人材育成道場「経営未来塾(第二期)」に参加されました。東日本大震災発災時、救援物資を被災者に届ける活動に奔走し、多くの人々に感謝された「運送業」という家業に、佐藤さんは大きな誇りを持っていました。一方、多くの難しい課題を抱える運送業の未来に迷いがあったことも事実。そこで、人材育成塾に参加されることを決めました。人材育成塾では、「あなたは自身のこれからの人生を一体何に本当に費やしたいのか」という問いに衝撃を受け、このことを考え悩む日々が続いたそうです。何か月もの自身との対話の結果、たどり着いた答えは「笑顔」。家族の笑顔、社員の笑顔、お客さんの笑顔、そして地域の笑顔のために、そして皆が安心して暮らしていけるまちづくりのために自身の人生を賭けたい、社業を通じてそれを実現しようと思うに至りました。それからは自社の経営には迷いがなくなり、「行動する経営者」になったそうです。
佐藤さんが卒塾時の事業構想として打ち出したバイオマス事業は、いまや、南三陸町が目指す資源循環を軸とした持続可能な地域づくりを牽引する役割を担うまでになりました。行動を起こしたことで、佐藤さんの志や考え方に共感する多くの住民・事業者が伴走者として集うようになりました。いまや、佐藤さんは紛れもない地域のリーダーとして認知され、ご自身もそれを自覚され、行動を続けておられます。
佐藤さんにとって、人材育成塾は何だったか、そして現在の心境を伺いました。「地域をリードする経営者になるという覚悟ができるまでの間は本当に自分自身、迷走が続きました。しかし、トーマツのメンターの皆さんはそれをずっと見守り、背中を押してくれました。『人生、やるか、やらないか、だ』という言葉も自分自身を大きく奮い立たせてくれました。まちづくりの最前線に立っていると、プレッシャーも大きいですが、今は自分自身の覚悟があります。そして多くの同志、仲間がいます。この仲間とともに、プレッシャーをはねかえし、変化のうねりを自分らで創ってやろうという気になっています。」

気仙沼と世界をつなぐ道をつくる

宮城県気仙沼市で建設業を経営する菅原渉さんも、佐藤さんと同じく2014年の人材育成道場「経営未来塾(第二期)」に参加されました。当時、気仙沼の建設業は復興特需の真っ只中。いずれこの特需はなくなることは頭ではわかっているものの、目先の危機感や問題意識はさほどないまま入塾したそうです。しかし、様々な業種・業態から集まっている人材育成塾の仲間たちと語るうちに菅原さんは「地域」に目覚めます。それまでの「自社・社員・その家族」だけを見ていた経営から「生き生きとした地域があっての自社」という考え方に大きく変化していったそうです。「愛する気仙沼に菅原さん自身と、会社は何をなし得るのか」「見えざる殻や壁を打ち破った自分史上最大の挑戦は何か」、メンターの伴走を受けながら模索する中でたどり着いたのは、「インドネシア進出」という事業構想でした。
復興特需後の事業環境変化に備えるという「守り」ではなく、再生アスファルトを利用した道路舗装技術を海外に展開することで、気仙沼に世界に開かれた骨太の建設事業を残すという壮大で意欲的な構想でした。構想から4年。菅原さんのインドネシア進出事業は着実に実を結びつつあります。
人材育成塾の体験を振り返って菅原さんは言います。「『地域における存在意義』を考え方や判断基準の軸に据えられたことで自分自身も会社も、格段に視野が広がりました。本当に塾に参加して良かった。今は、まちを車で走りながら目に入ってくるあらゆるものが解くべき課題であり挑戦に見えてきます。もう私には失敗という言葉はありません。ただ壁に当たったときに見える課題を潰し続ければ良いのです。気仙沼の子どもたちにも伝えたい。気仙沼にいても世界と勝負できる仕事はあるんだと。」
「気仙沼と世界をつなぐ道をつくります」- 菅原さんの挑戦は続きます。

地域に対する思いの深まりが変化点

デロイト トーマツ グループの復興支援室が毎回塾生に行うアンケートによれば、佐藤さんや菅原さんに限らず、この人材育成塾を受講した多くの塾生が「地域に対する思いの深まり」をご自身の変化点として挙げられています。

私たちは塾の中で「lead the self」(まず自分自身が行動を起こすこと)の重要性を強調します。そのことを塾生の皆さんが真正面から受け止めてくださっているのだと実感します。
こうした各地域で育ちつつある地域リーダー達が、地域を超え、また人材育成塾の参加時期を超え、ヨコだけではなくタテの連携も強化することで、地域のリーダーたちが有機的に繋がるよう、私たちはこれからも卒塾生を支援していきます。地方創生の鍵は、「地域の経営者が地域ならではの魅力ある“ひと”となり、産業・雇用の創造を志すこと」です。デロイト トーマツ グループの復興支援室は、その原点、すべての始まりの源である“ひと”づくりを今後とも力強く推進していきます。

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