ニュースリリース

2013年 世界製造業競争力指数 新興国は急成長し、米国・ドイツ・日本は逆転されると企業のCEOたちが予測

製造業で競う上で、優秀な人材の確保は今後も重要なドライバー

2012年12月14日

当資料は 11 月 16 日にデロイト トウシュ トーマツ リミテッドが発信した内容をもとにデロイト トーマツ コンサルティングで翻訳したものです。和訳版と原文'英語(に差異が発生した場合には、原文を優先します。

ワシントンD.C. 2012年11月16日(EST) デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)のグローバル製造業グループ、および米国競争力審議会が作成した「2013年 世界製造業競争力指数」報告書によると、米国・ドイツ・日本など、20世紀の製造主要国は、今後5年間の間に、中国・インド・ブラジルなどの新興国に対する競争力の維持が困難になるという。

世界各国の製造業企業のCEO、および企業経営陣ら550名以上を対象に行った調査を詳細に分析した結果、競争が激しい製造業における展望は、大規模なパワーシフトの真っ只中であることが判明した。

「2013年 世界製造業競争力指数」では、中国は現在も、また5年後も世界で最も製造業競争力がある国として首位を守っている。また、ドイツ・米国は今回上位3カ国内の座に残った。しかし、同調査によると、5年後にはドイツは4位、米国は5位と、ほんの僅かに韓国を上回る形で、両国とも順位を落とすことが判った。現在、上位10カ国内にランクインしている先進国の日本とカナダもまた、今後5年間で競争力が衰えると予測されている。カナダは7位から8位に下がり、日本は上位10位内から完全に脱落してしまい、12位となる見込みである。

ASEAN5カ国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム)は現在上位20カ国以内にランクインしているが、5年後には上位15カ国以内に食い込む見込みである。シンガポールは同水準、タイとマレーシアはその順位を落とすものの、インドネシアが現在の17位から11位に、ベトナムが18位から10位へ飛躍的に上昇すると予想されている。

さらに、ドイツの競争力の低下はドイツ以外の欧州諸国'イギリス・フランス・イタリア・ベルギー・オランダ・ポルトガル・ポーランド・チェコ共和国(の劇的な競争力低下に連結することが窺える。これらの国々は、劇的な競争力の低下が予想されている。例えば、ポーランドは14位から18位まで、英国は15位から19位まで順位を落とす。

この報告書の著者であり調査チームを率いた、Deloitte United States (Deloitte LLP) のバイスチェアマン、およびコンシューマー アンド インダストリアルプロダクツ インダストリーリーダーのクレッグ・ギッフィは「米国と欧州は過去10年間に渡り、新興国市場が熟し手強い競争相手となるまでを、ただじっと観察してきた」と述べている。

また、ギッフィは、主要新興国は5年以内に上位に食い込むと指摘している。ブラジルは現在の8位から3位に、インドは4位から2位へ浮上する。また、中国は確固として1位の座に君臨するだろう。

「米国・ブラジル・カナダ・メキシコなど、米州各国は今後5年間も引き続き優れた生産能力を見せ、最も競争力があるとする上位15ヶ国位内にランクインする一方で、アジアには多様な優位性が傾いているため、10年以内に上位15カ国中10ヶ国をアジア諸国が占めようになるであろう」と、ギッフィは述べている。

DTTL製造業インダストリー グローバルリーダーのティム・ヘンリーによると、「ベトナムやインドネシアなどの、アジアのフロンティア市場は上昇傾向にある。今回のグローバルでのCEOへの調査によって、中国やインドが未だ重要な市場である一方で、製造業各社は、地元消費者の需要拡大と、戦略的生産拠点としての役割を手に入れ、事業拡大のためフロンティア市場へ焦点をシフトしていることが見受けられる」という。

米国競争力審議会プレジデント兼CEOのデボラ・L・ウィンス・スミス氏は、米国や先進国の減退は、迅速なアクションを要する傾向であることを警告するものだと考えている。

「私たちは、製造業の未来や、世界経済再生のための構造変化の要因である非常に複雑な力に対する一層の理解が必要である。新興国は急成長を続け益々強力になる。賢明な政策やプラクティスは米国の強みを発揮させるだろう。我が国の製造業エンジンを過給させ、技術の商品化を新たな高みに向上させ、米国の経済成長と雇用創出を推進するだろう」と彼女は続けた。

2013年 世界製造業競争力指数

全文PDF-「表:2013年 世界製造業競争力指数」をご参照ください)

優秀な人材が道を拓く

この報告書によって、国家競争力の指標となるのは優秀な人材の確保であり、貿易、金融・税制、そして労働と続くことがわかった。

「CEOにとって、イノベーション課題に貢献できる人材の品質・可用性・生産性ほど重要なものはない」と、ギッフィは言う。従来の製造業リーダーにとって、効果的な人材基盤の強化・拡大は、依然として競争の中核的要素であり、また、新興国市場の新鋭にとっても同様である。

世界の製造業界の競争力を左右する要因

ランク

要因

1

優秀な人材によるイノベーション

2

経済、貿易、金融、税制

3

労働コスト、供給力

4

サプライヤーネットワーク

5

法規制

6

物理的インフラ

7

エネルギーコスト、エネルギー政策

8

地域市場の魅力

9

医療制度

10

製造業への政府投資

Source: Deloitte Touche Tohmatsu Limited and U.S. Council on Competitiveness. 2013 Global Manufacturing Competitiveness Index


この報告書で、従来からの製造業プレイヤーと、新興プレイヤーの競争力ではいくつかの差異があることが明らかになっている。中でも注目すべき事項を以下に記載する。

・従来の製造大国は、優秀な人材主導のイノベーションにおいて優位性がある 高度生産に必要不可欠な熟練者がいるという点で国家競争力を向上している国は米国・ドイツ・日本ということに対し、世界の企業経営陣の85%以上が「非常にそう思う」「そう思う」と回答している。一方、中国は58%、インドは49%だった。

・製造大国は、地域経済・貿易・金融・税制の面で、新興国よりもはるかに優勢である 世界のビジネスリーダーの70%が、地域経済・貿易・金融・税制の面で競争優位性がある国はドイツ、米国であることに「非常にそう思う」「そう思う」と回答した。インドはわずか43%であった。

・介護や公共医療に関する規制方針など、製造大国の優れた医療制度は、新興プレイヤーに対し明確に優位性がある ビジネスリーダーの70%以上が米国・ドイツ・日本の医療制度が非常に高い競争力を培っている。中国・インド・ブラジルを同様に思っているのは30%以下だった。

・労務費、労働力の有無に目を向けると製造大国は受身であることが考察できる 世界のエグゼクティブの約90%が、中国・インドは労務費や労働力で非常に競争力があるとしており、米国・ドイツ・日本については40%未満だった。

・新興大国はサプライヤーネットワークの点で前途遼遠 サプライヤーネットワークの面で非常に競争力がある国家として、エグゼクティブの50%未満がインド・ブラジルを、80%以上が米国・ドイツ・日本を選んだ。

・新興大国は競争の際に自国の法制度が障害に 中国・インド・ブラジルでは法制度が競争力に寄与していることに「非常にそう思う」「そう思う」と回答した世界のビジネスリーダーは 40%未満であった。米国・ドイツ・日本に対し 80%以上が同様の回答をした。

・製造業の新鋭は物理的インフラ競争力で、厳しい環境に直面する 製造業の競争において、インドはインフラが非常に優れていることに対し「非常にそう思う」「そう思う」と回答したビジネスエグゼクティブは25%未満であった。同様に、米国・ドイツ・日本については90%近くであった。

「20世紀の製造大国である世界の競合の成長力をかわすため、新興製造大国は急速な成長と高価値雇用の創出を後押しする高度な生産能力、経済・政治基盤構築に注力するだろう」

ギッフィはまた「20世紀に経済的繁栄を築いた大国にとって、製造業は依然として極めて重要である。これらの国は、ゲームに生き残りさらに繁栄できる術を未だ十分に持っている」と締めくくった。

2013年 世界製造業競争力レポートは、こちらよりご覧になれます。
www.deloitte.com/globalcompetitiveness

調査報告書について
「2013年 世界製造業競争力指数」は、米国競争力審議会およびデロイト トウシュ トーマツ リミテッドのイニシアチブにより、世界中のCEOが、どのように製造業の競争力を評価しているか測定するために作成されました。CEO、およびシニアエグゼクティブ552名の回答に基づき作成されたグローバルCEO調査は、最も重要な「製造業の競争力を左右する要因」の見通しを提供しています。また、同調査の結果は、関連する製造業国の競争力のランキングを行い、経営陣の「今後5年後に変化する可能性がある要因」の認識手段を反映している、唯一の「世界製造業の競争力指標」の作成にも貢献しています。この詳細な調査は、新たな市場勢力図の中における競争力の発展・維持に必要な能力という観点から、製造業の卓越性を明確にし、製造者に対する影響を引き出そうとしています。また、製造業競争力を支援する目的で、参加者には、グローバルな経済・政治的活動について自身の見解を提供してもらいました。本文の詳細はこちら:www.deloitte.com/globalcompetitiveness

米国競争力審議会について
米国競争力審議会は、米国が全世界のリーダーとしてあり続けるよう取り組んでいるCEO、大学教授、労働組合幹部から構成される指導団体です。このゴールはただ一つ、「公共政策の革新的な解決策のために、カタリストとして行動することで米国の競争力強化を図ること」です。詳しくはこちら:www.compete.org

問い合わせ先

デロイト トーマツ コンサルティング株式会社
マーケティング&コミュニケーション
03-5220-8600
DTC_PR@tohmatsu.co.jp

デロイト トーマツ コンサルティングについて:
デロイト トーマツ コンサルティング'DTC(は国際的なビジネスプロフェッショナルのネットワークである Deloitte(デロイト)のメンバーで、有限責任監査法人トーマツのグループ会社です。DTC はデロイトの一員として日本におけるコンサルティングサービスを担い、デロイトおよびトーマツグループで有する監査・税務・コンサルティング・ファイナンシャル アドバイザリーの総合力と国際力を活かし、日本国内のみならず海外においても、企業経営におけるあらゆる組織・機能に対応したサービスとあらゆる業界に対応したサービスで、戦略立案からその導入・実現に至るまでを一貫して支援する、マネジメントコンサルティングファームです。1,200 人規模のコンサルタントが、国内では東京・名古屋・大阪・福岡を拠点に活動し、海外ではデロイトの各国現地事務所と連携して、世界中のリージョン、エリアに最適なサービスを提供できる体制を有しています。

トーマツグループについて:
トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド'英国の法令に基づく保証有限責任会社(のメンバーファームおよびそれらの関係会社'有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー株式会社および税理士法人トーマツを含む(の総称です。トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。また、国内約 40 都市に約 6,800名の専門家'公認会計士、税理士、コンサルタントなど(を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はトーマツグループ Web サイト(www.tohmatsu.com)をご覧ください。

デロイトについて:
Deloitte(デロイト)は監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスをさまざまな業種の上場・非上場クライアントに提供しています。Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド'英国の法令に基づく保証有限責任会社(およびそのネットワーク組織を構成するメンバーファームのひとつあるいは複数を指します。デロイト トウシュ トーマツ リミテッドおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です。その法的な構成についての詳細は www.tohmatsu.com/deloitte/をご覧ください。

DTTL 製造業インダストリーグループについて:
デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(Deloitte Touche Tohmatsu Limited:DTTL)グローバル製造業インダストリーグループは世界 45 カ国を超えるメンバーファームの 2,000 名以上のパートナーと 13,000 名を超える専門家'公認会計士、税理士、コンサルタントなど(からなるネットワークです。各国のメンバーファームが連携しながら、深い業界知識、調査・研究、経験を活用し、クライアントの複雑な経営課題解決をサポートします。デロイトのメンバーファームは、最良の専門家を有し、誠実性、クライアントに対する価値の提供、構成員相互の強い信頼、多様性を生かした強みを共通の価値観として築いています。また、デロイトのメンバーファームは、フォーチュン 500 の製造業企業 80%にサービスを提供しています。詳細は製造業インダストリーグループサイト www.deloitte.com/manufacturing をご覧下さい。

お役に立ちましたか?