ニュースリリース

国家の政策が製造業競争力の鍵

2013年5月10日

本プレスリリースは 5 月 2 日にデロイト トウシュ トーマツ リミテッドが発信した内容をトーマツ 製造業グループが翻訳したものです。
和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文を優先します。

ニューヨーク 2013 年 5 月 2 日- デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)が世界経済フォーラム(フォーラム)向けにまとめた報告書「Manufacturing for Growth」によると、政府の政策が国家の製造業の育成や破壊を左右する、と 70 人以上のグローバル企業の経営者が語っている。
「Manufacturing for Growth」(全 3 冊)によると、世界各国の経営者は、強力なエネルギー・インフラ政策、重点的な教育、労働力の枠組みに加え、税制の簡素化と自由で公正な貿易を保護する政策を切望している。
また、製造業の発展を促す科学、技術、イノベーション政策も望んでいるという。

「本報告書は、企業や政府からの支援を反映している。それは製造業にとって、進歩的で革新的な環境を創生するために必要なことである。」とダウ・ケミカル・カンパニー会長兼 CEO で世界経済フォーラムのManufacturing for Growth プロジェクトのグローバル・チーフ・エグゼクティブ・チャンピオン、Andrew Liveris 氏は話す。「製造業は付加価値をもたらす。他の分野よりも多くの雇用を創出し、社会のあらゆる部門でイノベーションを促し、消費者にソリューションを与える。これらはすべて長期的で持続的な経済成長の鍵である」

CEO をはじめ、上級役員や産学官の世界的リーダーへのインタビューを基に作成した本報告書は、米国が国内のエネルギー生産を支援する政策を立案し、熟練労働者を増やす教育施策を策定する一方で、法人税率を引き下げることができれば世界の製造大国としての地位を引き継ぐだろうと予測する。

一方、報告書で経営者らは、製造立国のドイツはイノベーションと新技術で繁栄の道を維持しているが、エネルギー分野における課題のほか、人件費と原料費の上昇という課題に直面していると吐露する。課題に取り組むにあたり、経営者はドイツがエネルギー転換に向けて現実的な手法を編み出すべきだと提言する。さらに、高度技術におけるイノベーションを重視し、労働法の硬直性に対応すべきだとしている。

世界有数の経済大国である日本は、製造業のベストプラクティスとして国際的に認識されているものの、人口減少や高い税金、天然資源の少なさなどの課題に取り組む必要があると役員らは述べる。競争力を保つために、本調査に参加した役員らは、日本は為替の安定とインフレ対策に寄与する金融政策を立案すべきだという。さらに、税負担の軽減のほか、現在の多様な労働市場を踏まえた雇用政策の立案、科学技術への長期投資を促す政策の強化を検討すべきだとも述べている。

「世界経済が低迷する中、製造業企業は引き続き強い逆風に見舞われるだろう」と DTTL 製造業インダストリーグローバルリーダーのTim Hanleyは話す。「本報告書は各国経営者の声を反映したもので、企業が成長と実績の引き上げに向け、先進国市場のほか新興国市場やフロンティア市場に目を向けている時宜に適ったもの」だという。

経営者らは、歴史的に強い製造大国は競争力を維持する必要がある一方で、新興大国は成長と他の国家ニーズとのバランスを取るという、製造大国とは異なる政策課題に直面すると示唆している。

また、中国は急速に世界最大の製造業立国になったが、国家と国民の健全性に必要な環境・エネルギー政策の点では相当の遅れが見られる。

同様に、インドは 2025 年までに 1 億人の雇用を創出し、製造業の対 GDP 比率を 25%*1に増やすとしている。
しかしこの成長を達成するには、規制の少ない労働法を施行する必要があり、世界的に競争力の高いインフラに投資し、海外直接投資の水準に係る政策を緩和すると経営者らは見ている。

また、ブラジルは人材開発、イノベーション、教育、特に科学技術に重点を置く必要があると調査に参加した役員らは言う。さらにブラジルは物流と運輸を改良するインフラ事業に投資し、クリーンで持続可能なエネルギー事業に継続投資する必要があり、税制の簡素化と政治、法律、規制の安定を確立することで恩恵を受けるだろうと話している。

「各種高性能製品の設計、開発、製造に関する国家のイノベーション力を高める公共政策の総合ポートフォリオをどのように作成するか、各国はより戦略的に考えている。すなわち、高度な製造生態系をどう育てるかだ」と世界経済フォーラムの専務理事兼モビリティ・インダストリーチームのトップを務める John Moavenzadeh 氏は話す。

今回の報告書では国家政策の状況を調査し、主要 6 カ国で政策がどう競争力を促すかを特定して分析した。

本報告書では他に、航空宇宙、自動車、化学などの主要産業部門のバリュー・チェーン分析も実施している。

*1 Government of India Ministry of Commerce & Industry Department of Industrial Policy & Promotion (Manufacturing Policy Section). National Manufacturing Policy. 4 November 2011.

一つ例を挙げると、新しい生産施設が地域社会に与える経済的な影響として、雇用への直接的、間接的な影響や経済への最終的な影響を調査し、一つの生産施設が地方経済に年間 10~40 億米ドルの影響を与え、同地域に相当額の追加的民間投資を呼び込むと結論付けている。

「本調査では、現在の製造業バリュー・チェーンはグローバルで、相互接続性も高く急速に変化している」と米国デロイトLLPバイスチェアマン兼コンシューマー&インダストリアルプロダクト業界リーダーのCraig Giffiは話す。
「世界各国は、高度製造業の育成、高付加価値の雇用創出、経済的繁栄の結実を図るため、政策決定をし、熟練労働者の育成に必要な投資を行い、インフラを改良し、イノベーションを促す」という。

本報告書では、政策の効果を拡大する PPP(官民パートナーシップ)の重要性を検討した。また、インタビューを受けた役員らは一様に、官民両セクターが相互に協力し、大学や国立研究所、研究センターや非営利団体とも協力する必要性を強調した。

『Manufacturing for Growth』レポートはこちらよりご覧になれます。
http://www.deloitte.com/manufacturingforgrowth(英語) 

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