ニュースリリース

『電気自動車(EV)と次世代車に関する消費者意識調査』の結果を発表

2013 年 8 月 23 日
■ EVに対する認知度は横ばい、購入意向は下降
  • EVに対する認知度は昨年と同程度で推移 (2012年87.2%⇒2013年85.0%)
  • 購入検討意向は昨年に比べ下降 (2012年17.9%⇒2013年15.0%)

■ 認知度・購入意向ともに高いHVが、当面の次世代車普及を牽引
  • 購入検討意向においてはHVが圧倒的、次いでPHV、クリーンディーゼル。ゼロエミッション車であるEV、FCVに対する購入検討意向は未だ低い
  • 十分な認知度を獲得しているHV、EVに対し、PHV、クリーンディーゼル、FCVは認知度の向上が必要
  • EVは普段使いの「セカンドカー」としての活用ニーズが高い


デロイト トーマツ コンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:近藤 聡)は日本の消費者における電気自動車(EV)を含む次世代車に関する意識調査を実施、その動向を分析した。
低炭素化、石油依存からの脱却に対する社会的要請は引き続き高く、それに呼応するように、自動車業界ではクリーンな次世代車が出揃ってきた。既にHV(ハイブリット車)、PHV(プラグイン・ハイブリット車)、クリーンディーゼル、EVは各社が量産モデルを発売しており、また、「究極のエコカー」として期待されるFCV(燃料電池車)についても、2015年頃の市場化を目指し、各社合従連衡しながら開発を加速している。このような環境下、当社は2013年3月、一般消費者2,075名を対象に、EVをはじめとする次世代車についての調査『電気自動車(EV)と次世代車に関する消費者意識調査』を行った。日本の消費者の主な特徴は以下の通り。なお、本調査は2010年以降、毎年継続して実施している。


■ EVに対する消費者意識の経年変化:
EVに対する認知度は横ばい、購入意向は下降

【EVの認知度】EVに対する認知度は昨年と同程度で推移 (2012年 87.2%⇒2013年85.0%)
EVに対する認知度は、今年は85.0%と、ほぼ横ばいで推移している。


【EVの購入検討意向】購入検討意向は昨年に比べ下降 (2012年17.9%⇒2013年15.0%)

昨年の調査では17.9%だった購入検討意向者層は、本年は15.0%に下降した。「価格」「航続距離」「充電インフラ」という三大障壁が依然として立ちはだかっていること、EV商品ラインナップの拡大がさほど進んでいないことが、下降傾向の原因として推測される。


■ 次世代車に対する消費者意識:
認知度・購入意向ともに高いHVが当面の次世代車普及を牽引

【次世代車の購入検討意向】HVが圧倒的、次いでPHV、クリーンディーゼル。ゼロエミッション車であるEV、FCVに対する購入検討意向は未だ低い
HVは、他の次世代車に比べ圧倒的に購入検討意向割合が高い。PHV、クリーンディーゼルがそれに続く。ゼロエミッション車であるEV、FCVの購入検討意向割合は、それぞれ15%、9%であった。今後の次世代車普及の展開として、当面はガソリン車からHVを中心とする「省石油」の次世代車への移行が進み、将来的に「脱石油」を可能にするゼロエミッション車への移行が進むというステップが予測される。


【次世代車の認知度】既に十分な認知度を獲得しているHV・EVに対し、PHV・クリーンディーゼル・FCVは
認知度の向上が必要

EVは、既にHVと同等以上の認知度を獲得しているにも関わらず、購入検討意向割合が低い。「価格」「航続距離」「充電インフラ」という三大障壁の払拭や商品ラインナップの拡充、新しい移動のあり方提案など、消費者にとっての魅力付けが必要だ。一方で、PHV・クリーンディーゼル・FCVは、明らかに認知度が劣っている。購入検討意向割合を高めるためには、まずは積極的なプロモーションを通じて認知度を高めることが必要である。


【次世代車想定利用用途】EVは普段使いの「セカンドカー」としての活用ニーズが高い

前述のように、EVに対する購入検討意向割合は高くない。ところが、1台目を補う目的で購入する「セカンドカー」としての利用を想定している人数で見ると、EVがHVに次いで高かった。様々な用途に利用するクルマとして考えると限定的な航続距離やインフラ数が不安要素となるが、日常的な移動の手段として考える場合には購入候補となるという、消費者の意識がうかがえる。超小型モビリティを含め電動車両は、普段使い用途としては十分にポテンシャルがあるといえる。


<調査概要>

  • 調査期間:2013年3月28日~30日
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:東京23区、政令指定都市、その他地域に住む20-69歳の男女
    (自動車保有者9割、非保有者1割)
  • 調査実数:2075サンプル

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