ニュースリリース

リスク管理戦略センターを設置

金融機関支援で培った経験を基に一般企業のフォワードルッキングなリスク管理を支援

2014年2月27日

有限責任監査法人トーマツ(東京都港区 CEO 兼包括代表 天野太道)は、近い将来に起こり得る様々なストレス事象に備えた一般企業のフォワードルッキングなリスク管理態勢の構築を支援するために、2014 年 2 月、リスク管理戦略センター(センター長 大山剛、CRMS: Center for Risk Management Strategy)を設置しました。
フォワードルッキングなリスク管理とは、先行き起こり得るストレス事象(自社の収益や健全性にダメージを与えるような事象)を予め具体的に想定し、これへの対応策を練ることです。そして、このリスク管理手法を活用し、経営戦略遂行に伴う実際のリスクを、経営者が有するリスクアペタイト(目標を達成するために経営が取ろうと考えているリスクの水準付近)に制御する枠組みを「リスクアペタイト・フレームワーク」と呼びます。
多くの大手金融機関のストレステスト態勢の整備やストレス・シナリオ作成支援や、フォワードルッキングなリスク管理・経営戦略を標榜するリスクアペタイト・フレームワークの構築等を支援してきた実績を基に、このたび一般企業向けにも支援を開始します。

金融機関だけでなく一般企業にも重要なフォワードルッキングなリスク管理

2008年~2010年に発生したグローバル金融危機は、最先端を行くと信じられてきた多くの欧米大手金融機関のリスク管理さえ、金融危機という深刻な事態に対し十分機動的に対応できないことを明らかにしました。この結果、その後グローバル金融機関の多くは、マクロ経済や金融環境に係る精緻なシナリオ分析を通じて、将来起こり得る様々なストレス事象を考慮した上で、最適なリスク管理・経営戦略を取る態勢を構築しつつあります。トーマツが継続的にストレステスト態勢等を支援する主要金融機関は今や 20 近くに達し、預金ベースで全国の約 5割を占めています。
また、先行きのマクロ経済や金融等の外部環境に係る不確実性がますます強まっており、これは一般企業にも影響を与える事象となっています。グローバル金融危機に端を発した「ニューノーマル」に向かう動きは、混迷の度を深めています。また日本経済の世界経済に占める比率が趨勢的に低下する中で、国内が主要なビジネス基盤である企業にとっても、海外の事象から受ける影響が大きくなっています。このように、一般企業にとっては、近い将来世界のどこで何が発生し得るのかを読み解き、これに備えておくことが重要な課題となっています。
そこで、金融機関だけでなく一般企業も支援していくことを主な目的にリスク管理戦略センターを設立しました。

リスク管理戦略センターの主な活動

  1. 各企業のストレス・シナリオの作成
    業界・企業の特性に応じて、経営者やリスク管理担当者が考慮すべき、それぞれの企業にとって最も重要な相応に蓋然性のあるストレス・シナリオを作成します。例えば、米国の量的緩和の縮小は今後どのような影響を米国経済やエマージング諸国経済に与えるのか、マクロストレステストの実施を控える欧州で金融システム不安は再発するのか、中国のシャドーバンキングの問題は中国発のグローバル危機をもたらすのか、そしてアベノミクスと日銀の量的・質的緩和の先行きをどう読むか、といったストレス・シナリオです。これらの不確実要因は、今やほとんど全ての企業のパフォーマンスに大きな影響を与えるものです。
  2. 特定のストレス事象の発生蓋然性をモニタリングする体制の整備
    特定ストレス・シナリオの発生可能性を示す複数の早期警戒指標を設定することで、重要なストレス・シナリオが顕在化しそうなタイミングを捉える支援をします。ありうるストレス・シナリオといっても、想定する事象が実際に発生する蓋然性は、シナリオによって様々です。数カ月内に発生する可能性が高い事象もあれば、実際に蓋然性が高まりそうな時期は 2~3 年後という事象もあります。ストレス事象が発生する可能性が異なれば、同事象に対する具体的な行動も異なってきます。
  3. 特定のストレス事象発生を前提としたコンティンジェンシー・プランの作成
    ありうるストレス・シナリオが作成され、同シナリオの発生可能性が高まれば、今度は同事態に対応するコンティンジェンシー・プラン*1 が必要です。そこで、シナリオのタイプとそれぞれの企業が有する特徴に応じて、ダメージを最小に抑えると同時に、危機を一段の成長のバネにつなげるための最適なコンティンジェンシー・プランを作成します。
  4. 大手金融機関に対するさらなるフォワードルッキングなリスク管理の強化支援
    従来に引き続き、日本の主要金融機関に対し、監督当局や株主といった主要ステークホルダーが一番強く期待しているフォワードルッキングなリスク管理態勢のさらなる強化を支援します。具体的には、システミックに重要な金融機関(Sifis)*2 に求められるストレステスト態勢の一段の高度化、リスクアペタイト・フレームワークの構築、リスクデータ・ガバナンスの強化、再建破綻処理計画の作成を支援します。

サービス提供体制

12 名のリスク管理専門家、及びマクロ経済分析に精通したエコノミスト等を擁します。日本の主要金融機関のフォワードルッキングなリスク管理態勢強化を支援してきた専門家が中心となり、有限責任監査法人トーマツ アドバイザリー事業本部内に構成されています。2 年後までに、グローバルにビジネスを展開する、あるいは不動産等長期的視点からリスク分析が求められる業種を中心に、20 社程度の顧客を獲得することを目標にしています。

*1 コンティンジェンシー・プラン
危機時においてそのダメージを最小限に抑えるために、具体的にいかなる組織的な対応をすべきかに関し、事前に定めた計画。
*2 システミックに重要な金融機関(Sifis)無秩序な経営破綻が生じた際に、広範囲にわたって金融システムや経済活動に重大な混乱をもたらす金融機関。主要国の財務省・銀行監督当局・中央銀行により設立された金融安定理事会(Financial Stability Board)が定義するもので、グローバルな視点からシステミックに重要な銀行としてすでに邦銀 3 行を含む 29 行が指定されている。

問い合わせ先

有限責任監査法人トーマツ
コーポレートコミュニケーション
新井 香織
03-6720-8090
press-release@tohmatsu.co.jp

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トーマツ グループについて: 
トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそれらの関係会社(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー株式会社および税理士法人トーマツを含む)の総称です。トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。また、国内約 40 都市に約 7,300名の専門家(公認会計士、税理士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はトーマツグループ Web サイト(www.tohmatsu.com)をご覧ください。

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