ニュースリリース

取締役会実態調査アンケート結果を公表

最も足りない情報は「最高経営責任者等の後継者の計画の進捗状況」(38%)

本調査はJPX日経インデックス400銘柄企業(平成27年8月31日時点)及び有限責任監査法人トーマツで選定した企業の計509社を対象とし、2015年12月1日~12月25日に169社から回答を得た。

-取締役会に最も足りない情報は「最高経営責任者等の後継者の計画の進捗状況」(38%)
-期待役割を果たすため独立社外取締役に重視するのは経営経験と専門的な知見
2016年3月8日 

有限責任監査法人トーマツは、取締役会に関する実態調査アンケート結果を本日公表する。本調査はJPX日経インデックス400銘柄企業(平成27年8月31日時点)及び有限責任監査法人トーマツで選定した企業の計509社を対象とし、2015年12月1日~12月25日に169社から回答を得た。

1.総括

本アンケート結果から以下の点が明らかとなった。

  • 取締役会に不足している情報は「最高経営責任者等の後継者の計画の進捗状況」(38%)が最多
  • 独立社外取締役に必要なのは経営経験と専門的な知見の両面
  • 取締役会の重要な業務執行の範囲や取締役への委任の範囲について「議論している」もしくは「見直したいと考えるが議論できていない」企業は75%
  • 取締役会付議事項の割合は決議事項が60-70%、報告事項が30-40%が最多であり、モニタリングよりもオペレーションに関する件数が多いことがうかがえる 

2.主な調査結果

本調査の質問票は、取締役会がその役割・責務を全うするため、構成(Plan)議題・運営(Do)分析・評価(Check)役割・責務の見直し(Action)の⼀連のサイクルが適切に運用されているか、という観点から作成しており、全35問の設問の内、その一部を抜粋して公表する。なお、本アンケート結果の作成にあたっては、連結売上高5,000億円以上と5,000億円未満の企業に回答を分類した。両者の合算数が全回答企業169社の回答となる。

(1)不足している情報

「取締役会が入手すべき情報として不足していると考えるもの」(複数回答)として、「最高経営責任者等の後継者の計画の進捗状況」(38%)、「投資家・株主との対話に関する事項」(31%)、「決定した重要な業務執⾏の進捗」(29%)を選び、取締役会の監督機能を発揮するうえで必要な情報が不足していることがうかがえる(図表1)。

特に投資家・株主との対話に関する事項については、ステークホルダーとの対話の内容が取締役会に報告されておらず、取締役会が戦略や中⻑期経営計画を審議するうえで、ステークホルダーの視点が不足している可能性が考えられる。

図表1 取締役会が入手すべき情報として不足していると考えるもの(複数回答可)
図表1 取締役会が入手すべき情報として不足していると考えるもの(複数回答可)
(2)独立社外取締役に必要な経験・知見

「独立社外取締役が期待される役割を果たすために必要な経験・知見などで重視している項目」(複数回答)として、最も多かったのが「経営幹部の経験」(82%)。次いで「コンプライアンス・法務に関する知見」(43%)、「国際ビジネス経験」(40%)、「財務・会計に関する知見」(37%)となった。経営経験と専門的な知見の両面を重視しているとことがうかがえる。(図表2)

図表2 独立社外取締役に必要な経験・知見として重視する項目(複数回答可)
図表2 独立社外取締役に必要な経験・知見として重視する項目(複数回答可)
(3)業務執行の範囲 

取締役会が担うべき重要な業務執行の範囲(監査役設置会社)や取締役への委任の範囲(監査役設置会社以外)に関する取締役会での議論の状況」について、「議論している」(44%)もしくは「見直したいと考えているが議論できていない」(31%)と回答しており、見直したいと考えている企業は全体の75%だった(図表3参照)。経済産業省が2015年7月に公表した報告書(*1)において、取締役会への上程事項の範囲の限定に係る考慮要素が示されたこともあり、「執行と監督の分離」の観点から、見直しの機運が高まっていることがうかがえる。

*1 経済産業省コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会報告書「コーポレート・ガバナンスの実践 〜企業価値向上に向けたインセンティブと改革〜」(2015年7月24日)
 

図表3 取締役会が担うべき重要な業務執行の範囲や委任範囲についての議論の状況
図表3 取締役会が担うべき重要な業務執行の範囲や委任範囲についての議論の状況
(4)取締役会付議事項の件数 

「直近事業年度(1年間)における取締役会の件数」は、決議事項「31件以上40件以下」(17%)、「41件以上50件以下」(20%)との回答が多く、平均(*2)で55.4件となった。また、報告事項は「21件以上30件以下」(18%)、「31件以上40件以下」(19%)という回答が多く、平均では45.9件だった。決議事項と報告事項の件数割合は、決議事項が60%-70%、報告事項が30%-40%と回答する企業が最も多く、全体的にも決議事項の件数割合の方が高い傾向にある。これにより、取締役会の付議事項の件数でみると「モニタリング」よりも「オペレーション」に関するものが多いことがうかがえる。(添付PDF 図表4参照)

*2 平均件数は、「20件以下」は15件、「101件以上」は105件、それ以外の回答は選択肢の件数幅の中間点(「21件以上30件未満」であれば、25件)と仮定したうえで、合計件数を算出。
なお、1件当たりの審議時間を加味せず、議題の件数のみで分析。そのため、調査結果は実際の議論の深度をそのまま反映するものではないことに留意する必要がある。

図表4 直近事業年度(1年間)における取締役会の議題の件数
図表4 直近事業年度(1年間)における取締役会の議題の件数
図表4 直近事業年度(1年間)における取締役会の議題の件数
図表4 直近事業年度(1年間)における取締役会の議題の件数

3.調査概要

本調査はJPX日経インデックス400銘柄企業(2015年8月31日時点)及び有限責任監査法人 トーマツで選定した企業(売上高や時価総額等が一定規模以上の企業)の計509社を対象とした。調査対象企業の取締役会事務局に対し質問票を配布し、2015年12月1日~12月25日に郵送、メール、Webアンケートシステム等の方法により169社(うち、JPX日経インデックス400銘柄企業は126社)から回答を得た。

取締役会実態調査アンケート結果(日英)はこちら
全調査概要や調査結果のサマリーおよび全35問の質問票を紹介しています。
 


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