ニュースリリース

デロイト グローバル、取締役が果たすべき役割をまとめた『Directors’ Alert 2018:成功に結びつけよ』を発行

取締役会が「自社の評価」を向上させ、その評価を守るために必要なのは、「CEOの継承と企業文化」、「デジタルイノベーションと戦略」、「戦略とリスクアペタイト」を結びつけること

2018年5月16日

本ニュースリリースは2018年2月12日にニューヨークで配信された内容を翻訳し、一部加筆したものです。

 

このたびデロイト グローバルでは、『Directors’ Alert 2018:成功に結びつけよ』を発行しました。

人、組織、経済、政治、リスクなどのすべてが境界線を越え密接につながり、情報は肯定的なものであれ否定的なものであれ、現代では瞬く間に流布します。そのような環境の中、企業が自社の評価(レピュテーション)を守り、また向上させていくために取締役会が果たすべき役割について、『Directors’ Alert 2018:成功に結びつけよ』は解説しています。

「Directors’ Alert」は今号で初回発刊から9年目を迎えますが、今回取り上げた内容は、今後、企業の中長期的な企業価値の向上に向け、世界各地の取締役会が議題として扱うべき重要なテーマです。

デロイト グローバル センター フォー コーポレートガバナンスのシニアマネジングディレクター、ダン・コニグズバーグ(Dan Konigsburg)は、以下のように述べています。 「評価(レピュテーション)は企業にとって最も価値のある資産の一つであり、それを守り、向上させることは企業の将来にとって極めて重要なことです。適切な施策により、取締役会は企業の評価に悪影響を与えるリスクを、それらが顕在化する前に特定することができます」

 

■CEOの後継者計画でのミッシングリンク:企業文化
近年CEOが急に交代するような重大な不祥事や、CEOが交代した結果、企業文化が機能不全となった事案が生じています。これらの事案は、企業文化とCEOの後継者計画が密接な関係にあることを意味しています。CEOは他のどの経営幹部よりも、企業文化が組織にどのような影響を与えるかを見定める重い責務を担っています。CEOの選任にあたり、過去の実績や業界での経験、そしてビジネス界での地位が、企業として望ましい企業文化との整合性よりも重視される傾向にありますが、これは企業に求められる企業文化を無視することにつながり、ビジネス機会の喪失や、企業の存続を危うくされる事態にまでつながる可能性があります。また、企業文化を考慮することは自社の評価を守り、向上させることにつながります。

取締役会は企業の評価に悪影響を与えるリスクを最小化するためにCEO候補者が以下の条件を満たすことを確認する必要があります。

CEO候補者が満たすべき条件
・望ましい企業文化、行動に適合すること。CEOは日々のコミュニケーションと行動を通じて、企業文化に大きな影響を与えます。取締役会はCEO候補者の検討にあたっては、企業文化への影響の観点から必要なリーダーシップ能力を理解する必要があります。
・自身が企業文化と適合していることを知り、前向きな変革を推進すること。CEOは自身の考えや行動が企業文化と適合していると認識している場合、効率的にリーダーシップを発揮することができます。自らの判断軸で現状を肯定するケースと変化を求めるべきケースを使い分け、企業文化を形成する日々の決定や行動に対応できるからです。
・共通の目的を創造するために、人々の心を掴むことができること。望ましい企業文化を維持するために、リーダーは従業員の心に寄り添い、共通の目的を創造し、意欲を引き出す必要があります。共通の目的を創造し、意欲を引き出すことはどの世代に対しても重要ですが、特にミレニアル世代には重要です。

 

■デジタルイノベーションを監督する
デジタルイノベーションが今ほど重要ではなかった時代に採られていた監督手法は、もはやデジタル時代には通用しません。取締役会によるデジタルイノベーションに対する監督は十分ではないとよく言われます。デジタルイノベーションの成否はこれにより従来からの思考方法や行動様式が一新できるかどうかで判断されます。

デジタル時代の監督に際しては、取締役会が「Think Digitally:デジタル的に考える」能力を身につける必要があります。企業に重要なデジタルテクノロジーに着目し、考え方を変えるべきです。取締役会は自社のデジタルへの変革の取組みの目標が、既存のビジネスの改善にとどまらず、飛躍的な変化を志す点にあることを理解すべきです。また、プロダクトではなく新しいビジネスモデルを生み出すことを意識すべきです。取締役会は自社のデジタルへの変革の取組みを、長期的な視点と短期的な視点を適宜使い分け、より多くの人や組織とより迅速に協働するオープンな開発プラットフォームを構築することを心がけるべきです。さらに取締役会はデジタルイノベーション自体への理解を深め、それにあった監督手法を実行する必要があります。

コニグスバーグは次のように述べています。「課題はあるが、取締役を務めるのはエキサイティングな時代になってきています。リスクは日々大きくなっていますが、企業と社会全体の双方に前向きな影響をもたらす機会は今日及び将来の取締役にとってまたとない貴重な機会でしょう」

 

■戦略とリスクアペタイトの結びつきを強化する
企業を取り巻く環境の不確実性が増し、難しい意思決定が求められる現代において、事業を遂行する上でのリスクや課題は増加傾向にあります。そのため、取締役会はこれらのリスクを監督することに今まで以上に注力する必要があります。リスクの監督を強化するために取締役会が取るべき方法のひとつに、リスクアペタイト、すなわち経営陣の戦略実行にあたり自社が許容できるリスクの総量を可視化し、承認する方法があります。この方法は、まず取締役会が経営陣の戦略を十分理解し、承認することから始めます。

デロイト グローバルでリスクアドバイザリーのビジネスリーダーを務めるサム・バラジ(Sam Balaji)は、以下のように述べています。「企業が新たな価値を創り出すためにリスクを取るのは、価値を棄損させるリスクを回避するのと同じように重要です。取締役会はリスクの取扱いについて戦略的なビジョンを策定・共有し、CROとの良好な関係を築くことで、リスクに関する十分な情報に得て、企業の短期的及び長期的な観点から望ましいバランスを取るために重要な役割を果たしていきます」
        
取締役はリスクアペタイトと戦略を監督することが自らの役割だと分かっているにも関わらず、ほとんど議論をせず、また仮に議論をしたとしてもリスクアペタイトと戦略についてまだ十分には向き合っていません。取締役会はリスクの内容、特に非財務リスクについて十分に理解をしておらず、むしろ直感的であることの方が多いです。

取締役会は、企業とそのステークホルダーのために自社の評価を守り、高めるため、リスクアペタイトと戦略の監督を次のレベルに引き上げるべきです。このような取組みにより、取締役会は戦略とリスクの結びつきの理解を深めることができます。

・経営陣にリスクキャパシティ、アペタイト、許容値、プロファイルを定義してもらう
・経営陣に戦略の実現に向けて付随するリスクについて議論を投げかける
・重要な事項は、報告の仕方を適宜変えていく
・重要なステークホルダーに集まってもらい、戦略的計画やリスクマネジメントについてのレビューを依頼する

<報道関係者からの問い合わせ先>
有限責任監査法人トーマツ
広報担当 新井、田邊
(デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社)
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