「Tech Trends 2020 日本版」を発行

ニュースリリース

「Tech Trends 2020 日本版」を発行

ヒトとデジタル技術の共存に関わる先端テクノロジーを解説

エシカルテクノロジー、デジタルツイン、ヒューマンエクスペリエンスプラットフォームなど、ヒトとデジタル技術の共存に必要な倫理観や信頼について、企業が取り組むべき7つのテーマを解説

2020年5月27日

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:永田高士)は、デロイト グローバルが毎年まとめている最先端のデジタル領域に関するレポートに日本独自の動向と見解を加えて解説した「Tech Trends 2020日本版」を発行しました。

グローバル版では11回目、日本版では6回目の発行となる本レポート。2020年版では、ヒトとデジタル技術の共存に関わる論点として、エシックスという倫理観に関わるトピックや、Human Experienceのトピック等について考察しています。テクノロジーの進化によって人間の仕事が奪われるなど、脅威と捉われがちなデジタル技術ですが、AIをはじめとする技術は人間の仕事を奪うものではなく、人を助け新たな付加価値を加えるものです。これまで不可能だった新たな仕事を生み出し、ヒトの可能性を拡大する役割を担うデジタル技術とヒトをより融合し、人間中心の観点でどう共存していくのか、そのために必要な倫理観や信頼がどういったものか、本レポートで考察し、トピック別で解説しています。

「Tech Trends 2020日本版」レポート全文 

 

ニュースリリース本文はこちら〔PDF, 431KB〕

Tech Trends 2020 日本版が取り上げる7つのテーマに関するサマリーと日本のコンサルタントの視点

マクロテクノロジーフォースの実力/過去、現在、未来におけるイノベーションの主軸を再考する

過去10年にわたって、デロイトはデジタルエクスペリエンス、アナリティクス、クラウド、デジタルリアリティ(DR)、コグニティブ、ブロックチェーン、ビジネステクノロジー、リスク、コアモダナイゼーションといった領域における新たなテクノロジーの誕生と発展の経緯をつぶさに見てきた。「Tech Trends 2020」では、これらのマクロテクノロジーフォースの企業における導入状況や、今後1年半から2年の間にビジネスに創造的破壊をもたらすと予測されるテクノロジートレンドについて考察する。テクノロジーを最大限に活用して高い効用を得る手立てとして、どのような新たなテクノロジーやIT部門の管理手法があるのか、どうすればテクノロジーを複合的に駆使してさらに高い価値を生み出すことができるのか、多くの企業が模索している。アンビエントエクスペリエンス、飛躍的に進化するAI、量子コンピューティングといった時代の先を行く新興テクノロジーの力を自社に取り込むためにも、まずはマクロテクノロジーフォースを使いこなし、これらを管理することが重要な第一歩となる。

日本のコンサルタントの見解

デジタル技術における米中頂上決戦、アイデア創出における課題などについて
 

エシカルテクノロジーと企業価値/コアバリューをテクノロジー、ヒト、プロセスへ展開せよ

先進企業は、テクノロジーの創造的破壊による自社へのあらゆる影響について認識し始め、社会的信頼を得る機会、逆に失うリスクの相反する両面についての理解が進んでいる。こうした企業では、コンプライアンスや広報活動の一部にとどまらず、ビジネス上優先すべき重要目標として、信頼に取り組んでいる。ここでは、自組織におけるテクノロジー、プロセス、および従業員が関わるあらゆる側面で一貫性が保たれ、多くのステークホルダーから期待される高いレベルの信頼を維持し、保証するための360度の取組みを意味する。ビジネスリーダーは、データの管理、パートナーエコシステムの構築、従業員のトレーニングなどを通じて、自社の製品やサービスの提供、そして意思決定がいかに対外的な信頼につながるのか再評価している。CIOは倫理性をクリアしている「エシカルテクノロジー」に着目し、ディスラプティブテクノロジー(破壊的技術)をどう使うか判断する際に倫理上のジレンマを認識するサポートツール群を準備している。自社の価値観やエシカルテクノロジーを組織全体に根付かせることができるリーダーは、ステークホルダーとの長期的な信頼関係を築くことができる「良き行い」にコミットしている。

日本のコンサルタントの見解

「攻め」のエシックス、AI時代の働き方などについて


ファイナンスと未来のIT/アジャイルの速度でイノベーションに資金を配分する

テクノロジー戦略が企業のビジネス戦略の中枢を担う比重が高まると同時に、より高い成果を出すことが求められるようになった。そのためには、IT 部門および財務部門のリーダーがもっと互いに協力し、柔軟な手法でイノベーションに取り組み、アジャイル感覚のスピードで通常業務を運用していくことが期待されている。イノベーションをサポートする、破壊的影響から自社を防御する、もしくはデジタル変革を実行に移すといった名目で、IT 部門がテクノロジーイノベーションのガバナンス問題を効果的に再考するほか、アジャイル手法に適応し、そして創造的資本を確保するためにも財務部門のサポートが欠かせない。イノベーションを支える新たな財務・予算・会計プロセスへの移行作業は、一夜にして成せるものではない。しかし、CIOとCFOの両者には、効果的なイノベーション資金の調達方法を見つけたいという共通の確固とした動機がある。既にこうした潮流に乗り、可能な選択肢について模索している企業もある。時代の最先端にいる企業として、財務部門がアジャイルな速度でイノベーション資金を融通できるようになれば、競争上の優位性を最初に享受することになるだろう。

日本のコンサルタントの見解

新しい開発アプローチの採用、デジタル化に対する日本企業の意識の変化などについて


デジタルツイン/物理世界をデジタル空間に橋渡しする

仮想モデルを使用してプロセス、製品、またはサービスを最適化するという考え方は、まったく新しいものではない。とはいえ、最近ではシミュレーションやモデリングが高精度化され、電力状況が可視化でき、相互運用性も向上したほか、IoTセンサー、広範囲で利用可能なプラットフォームやツールが登場するなど、従来のレベルを超えた詳細で動的なシミュレーションを実行できるようになった。デジタルツインは製造効率を高め、サプライチェーンを最適化できるほか、予兆保守作業の変革や交通渋滞の改善など、ほかにも多くのことを支援できる。製品単体の販売から、製品・サービスのバンドル販売へ、または「サービス化」へ舵を切る企業では、デジタルツインの利用を加速している。機能が高度化し、より洗練されるとともに、プロセスの最適化、データに基づくリアルタイムの意思決定、さらに新製品・サービスやビジネスモデルの設計といった用途でデジタルツインはさらに普及することが期待される。デジタルツインのさらなる可能性を追求するためには、長期的にエコシステム全体におけるシステムやデータを統合する必要が出てくるであろう。

日本のコンサルタントの見解

デジタルツインの本質、国内動向、技術発展、今後の展望などについて


ヒューマンエクスペリエンスプラットフォーム/アフェクティブコンピューティングは、エンゲージメントのルールを変える

「アフェクティブコンピューティング」または「感情AI」と呼ばれる発展中のAIソリューションが、我々のテクノロジーの体験の仕方を再定義しつつある。今後数カ月のうちに、人間をより良く理解し、より適切に対応するために、まだ不完全であるが、増大傾向にある新たなテクノロジーの需要に多くの企業が対応していくことになるだろう。歴史的にコンピュータは出来事を人間の感情や感情的要因と関連付けることができなかった。しかし、イノベーターたちがテクノロジーの知能指数(IQ)に感情指数(EQ)を付加することに成功し、かつての制約は薄れつつある。AI、人間中心デザイン、そして神経学の研究分野で現在用いられている技術を組み合わせて人間のニーズを深く理解することで、ヒューマンエクスペリエンスプラットフォームはユーザの感情とその背景にある文脈を認識し、適切に対応できるようになるだろう。実際、大規模な範囲で感情データを認識し、インテリジェントプラットフォームを駆使して感情を解析する能力は、今後の企業活動において最も重要かつ大きなビジネスチャンスをもたらす源泉の一つに数えられる。

日本のコンサルタントの見解

インテリジェントインターフェースの活用、先進事例、日本企業の現在地などについて


アーキテクチャの覚醒/さあ、目覚めよう

テクノロジーアーキテクチャの科学が、これまで以上に戦略的重要性が高いものであると認識しているテクノロジーリーダーや経営層が増えている。実際、イノベーションが創造的破壊をもたらしている市場で競争力を維持するためには、従来型の組織はアーキテクチャのアプローチを進化させる必要がある。まず、テクノロジーアーキテクトの役割を変革することが最初のプロセスとなる。今後数カ月のうちに、アーキテクトの活動場所を従来の研究棟から現場へ移行させる企業が増えるであろう。有能なアーキテクトは、サービスやシステム開発に対してより大きな責任を持ち、システム運用にも関わることになるだろう。目的は単純で、経験豊富なアーキテクトを最も必要とされる場所、つまり複雑なテクノロジーを設計するソフトウエア開発チームにシフトさせることにある。アーキテクトやアーキテクチャに投資し、その戦略的価値を全社的に推進することで、自社のIT機能をデジタル経済市場における競争上の差別化要因に進化させることができる。

日本のコンサルタントの見解

エンタープライズアーキテクトの実態、アーキテクトへの期待などについて


水平線の向こうへ/今後の展望

企業の関心は、「最新のトレンドは何か」から「次に来る波は何か」という視点に移っている。当然のことではあるが、最新事情を理解することで早期の計画が可能になり、将来の収益源の芽を刈り取る関係性を先んじて作り出すことができる。先進企業は、長期的なテクノロジーの展望を見据え、ビジネス戦略と同期をとりながら、規則性や効果測定が組み込まれたイノベーションプログラムを実施してきた。こうした企業は、将来のマクロテクノロジーフォース(アンビエントエクスペリエンス、飛躍的に進化するAI、量子コンピューティングなど)をまず感知して識別し、調査や実験を経て、一定規模に育てるためのプログラムアプローチを採用し、テクノロジー、マーケットおよび業務アプリケーションの成熟度が社内全体にスケールする段階に適したレベルに達するのを待たずに先行して準備している。どの企業も、創造的破壊の波に飲み込まれて手後れになる前に、既知のナレッジを拠り所に自組織の在り方を再考し、変革に向けた検討をすべきである。未知が無限に広がって見える世界では、既知のテクノロジー群に焦点をあてることが意味を成し、次なる地平線への道筋を示すのに役立つであろう。

日本のコンサルタントの見解

日本企業とイノベーション、イノベーションの標準化などについて

デロイト トーマツ グループ Chief Technology Officer (CTO) 安井 望によるコメント

「多くの日本企業にとって、DX(デジタル変革)のスピードを速めることは困難な作業である。なぜなら相応の投資判断が早期に求められるにもかかわらず、なかなか意思決定ができない領域だからである。旧来の投資判断の尺度が通用しないことがその原因である。投資のポートフォリオを決定する際に、将来の収益を見積もって判断することになるが、DXはその特性から将来生み出す収益(リターン)を予算段階で正確に見積もることが難しい。したがってその領域に精通し、一定の不確実性の中で未来を予測して意思決定を行える意思決定者が必要になる。これはIT 部門のみならずファイナンス部門の意識改革が必要であることを意味しており、この点は日本企業にとって思った以上に壁となる可能性がある。

「Tech Trends 2020」は、次の時代のテクノロジーに思いをはせてワクワクするレポートというよりは、今後更に広がっていくであろうDigitalワールドにどう向き合っていくべきなのか、企業としてあるいは人としてどういうアプローチを採っていくべきなのかを考えさせられるレポートであった。もちろん正解は企業によって違うだろうし、より不確実性が高まっている昨今の経済情勢では、思いもよらない技術の活用方法も出てくるだろう。大切なのは常にグローバルの動きを見極め、自分(自社)と照らし合わせながら次の一手を考え、行動することである。」

デロイト トーマツ グループは、日本最大規模のプロフェッショナルサービスファームとして有する圧倒的な専門性・総合力と、データ・アナリティクスやデジタル・テクノロジーに関する最先端の実践的知見を融合することで、経済社会や産業の将来像を指し示し、その実現に必要とされる経営変革と社会イノベーションを加速させる「経済社会の変革のカタリスト」となることを目指しています。

<報道機関の方からの問い合わせ先>

デロイト トーマツ グループ広報担当 高橋、青堀
Tel: 03-6213-3210  Email: press-release@tohmatsu.co.jp

デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市以上に1万名を超える専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。

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