ニュースリリース

トーマツと日鉄ソリューションズ、ゼロボードが協業し、金融機関投融資先の温室効果ガス排出量算定支援に向けた共同検討を開始

~PCAFスタンダードに基づく排出量の算定と開示を支援するソリューション開発~

2022年7月1日

デロイト トーマツ グループの有限責任監査法人トーマツ(東京都千代田区、包括代表:大久保 孝一、以下「トーマツ」)と、日鉄ソリューションズ株式会社(代表取締役社長:森田宏之、以下「NSSOL」)及びNSフィナンシャルマネジメントコンサルティング株式会社(代表取締役社長:杉本好正、以下「NSFMC」)、並びに株式会社ゼロボード(東京都港区、代表取締役:渡慶次道隆、以下「ゼロボード」)は、金融機関による投融資先の温室効果ガス(以下、「GHG(=Greenhouse Gas)」)排出量の算定・開示をサポートするソリューション確立のための共同検討を開始します。

2015年に採択されたパリ協定において、世界の平均気温上昇を産業革命以前のレベルから2℃未満にとどめ、さらに1.5℃以下とすることを目指してGHG排出量を削減するコミットメントが世界に求められています。
特に各国の金融機関に対しては、「Financed Emissions」と呼ばれる、自らの投融資先のポートフォリオに起因するGHG排出量について、その算定・開示、および削減に向けた取り組みがTCFD(※1)のスコープ3(※2)開示の観点から求められています。

Financed Emissions の算定手法については、金融機関の国際的なパートナーシップであるPCAF(※3)が提唱する基準がグローバルスタンダードとなりつつありますが、この基準には、融資シェアやデータ品質スコアなど、TCFDで求められる標準的な算定基準にはない指標が導入されています。そのため、 PCAFの基準に対応したGHG排出量のデータ収集・算定ロジックを構築する必要があるとともに、資産や業種別の詳細なGHG排出量算定ルールの整備も不可欠であり、実際のFinanced Emissionsの算定に向けて金融機関が対応すべき課題は非常に多くなっています。

こうした金融機関の課題に対して、4社はそれぞれの強みを活かしながら、PCAFに対応したFinanced Emissionsの算定・開示を支援するソリューションの確立に向けて共同検討を行います。トーマツはPCAFスタンダードに基づくGHGの算定ロジックや方法論についての知見を多数保有し、また、NSSOL及びNSFMCは金融機関向けソリューション開発における実績から培ったシステム機能開発におけるノウハウを豊富に持っています。さらに、ゼロボードは上場企業中心にGHG排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard」を提供しています。この4社が協業することで、市場優位性の高いソリューションの早期実現に向けた具体的検討を始め、2022年度上期中のベータ版のリリースを目指します。

デロイト トーマツ グループは、2020年12月にグループCEOのもと「Climate Sustainabilityイニシアチブ」を立ち上げ、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル実現」に向けて、社会システム、資本市場、企業経営などのあり方の変革を、構想から実行までグループの総力を結集して推進・支援しています。今回の取り組みを通じて、Financed Emissionsの算定を通じた金融機関と投融資先企業の脱炭素化に向けた取り組みの促進に寄与していきます。

(※1) TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース(TaskForce on Climate-related Financial Disclosures)の略称。G20の要請を受けた金融安定理事会によって設置され、2017年に気候関連の情報開示の基礎となる枠組みを提示した。
(※2) スコープ3:TCFDが各企業・組織に開示を求めるGHG排出量のうち、事業者の活動に関連する他社の排出量。
(※3)  PCAF:金融機関向け炭素会計パートナーシップ(Partnership for Carbon Accounting Financials)の略称。

<会社概要>

日鉄ソリューションズ株式会社

所在地:東京都港区
代表者:代表取締役社長 森田 宏之
事業内容:経営及びシステムに関するコンサルテーション/情報システムに関する企画・設計・開発・構築・運用・保守及び管理/情報システムに関するソフトウェア及びハードウェアの開発・製造並びに販売及び賃貸/ITを用いたアウトソーシングサービスその他各種サービス

NSフィナンシャルマネジメントコンサルティング株式会社

所在地:東京都港区
代表取締役社長:杉本 好正
事業内容:金融関連コンサルティング/金融サービス開発

株式会社ゼロボード

所在地:東京都港区
代表者:代表取締役 渡慶次 道隆
事業内容:温室効果ガス排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard」の開発・提供/電力・環境価値に関するコンサルティング/ブランディング・キャンペーン支援

報道機関の方からの問い合わせ先

デロイト トーマツ グループ 広報担当 高木、菊池
Tel: 03-6213-3210  Email: press-release@tohmatsu.co.jp

デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市以上に1万5千名を超える専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。

Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。

デロイト アジア パシフィック リミテッドはDTTLのメンバーファームであり、保証有限責任会社です。デロイト アジア パシフィック リミテッドのメンバーおよびそれらの関係法人は、それぞれ法的に独立した別個の組織体であり、アジア パシフィックにおける100を超える都市(オークランド、バンコク、北京、ハノイ、香港、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、メルボルン、大阪、ソウル、上海、シンガポール、シドニー、台北、東京を含む)にてサービスを提供しています。

Deloitte(デロイト)は、監査・保証業務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリー、税務、法務などに関連する最先端のサービスを、Fortune Global 500®の約9割の企業や多数のプライベート(非公開)企業を含むクライアントに提供しています。デロイトは、資本市場に対する社会的な信頼を高め、クライアントの変革と繁栄を促し、より豊かな経済、公正な社会、持続可能な世界の実現に向けて自ら率先して取り組むことを通じて、計測可能で継続性のある成果をもたらすプロフェッショナルの集団です。デロイトは、創設以来175年余りの歴史を有し、150を超える国・地域にわたって活動を展開しています。 “Making an impact that matters”をパーパス(存在理由)として標榜するデロイトの約345,000名のプロフェッショナルの活動の詳細については、(www.deloitte.com)をご覧ください。