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内部監査の品質評価

内部監査の有効性を評価する

内部監査は適切な基準を遵守して、一定水準以上で実施されている必要がある。その有効性を評価することを内部監査の品質評価という。 今日では内部監査を取り巻く関係者が広がってきており、また、企業不祥事や企業倒産が多発しリスク管理が声高に叫ばれるなか、これら関係者の内部監査への期待が高まってくるのに伴い、内部監査の品質評価が注目を集めてきている。

内部監査の品質評価とは

内部監査による監査結果や改善提案が関係者に信頼され受け入れられるためには、内部監査が適切な基準を遵守して、一定の水準以上で実施されている必要がある。このように、内部監査が一定の水準以上で実施されているかを確認して、その有効性を評価することを、内部監査の品質評価という。 

品質評価重視の背景

今日では、内部監査を取り巻く関係者が、経営者、取締役会(監査役会)や被監査部門のみならず、外部監査人や監督官庁その他外部利害関係者にも広がってきている。

 

また、企業不祥事や企業倒産が多発しリスク管理が声高に叫ばれるなか、これら関係者の内部監査への期待も大きく変容してきており、1)ビジネス・リスクに焦点をおく、2)内部監査諸活動を経営戦略およびアカウンタビリティと密接に結び付ける、3)合理的保証サービスを提供し続けつつもアドバイザリーおよびコンサルティング・サービスを通して経営者に貢献する、といった内容が内部監査に求められてきている。

 

このように内部監査への期待が高まってくるのに伴い、内部監査がきちんと期待に応えているか、内部監査の品質は十分であるか、といった点に関係者が関心を持つことは自然の流れといえる。この流れを受けて、内部監査の品質評価が注目を集めてきている。

内部監査人協会の内部監査実施基準での記載

内部監査人協会(IIA)の内部監査の専門職的実施の基準(基準)では、内部監査の品質評価について、次のように記載している。

 「1300-品質保証および改善プログラム

CAE(内部監査担当役員)は内部監査活動にかかるすべての問題を網羅し、その有効性を継続的に監視する品質保証および改善プログラムを作成し、維持しなければならない。プログラムは、内部監査部門が組織体の運営に価値を付加し、また改善することに役立ち、内部監査部門が基準および「倫理綱要」を遵守していることの保証を与えるように設計されなければならない。」

 

また、基準1310では品質評価は内部評価と外部評価を含まなければいけない旨、基準1311、1312では内部評価と外部評価の概要、基準1320では品質評価の報告、等についても記載されている。

品質評価の種類

内部監査の品質評価には大別して、内部評価と外部評価がある(基準1310)。内部評価とは組織体内部で行われる評価のことを言い、外部評価とは組織体の外部者によって行われる評価のことを言う。

 

さらに内部評価は、1)内部監査活動の同時進行的レビューと、2)自己評価または内部監査実務および基準に関する知識を持つ組織体内の他の人々により実施される定期的レビュー、の2つに分けられる(基準1311)。1)は監査プロジェクト進行中での監督のことであり、2)は監査プロジェクト終了後にプロジェクト参加者以外の人によって行われる評価のことである。なお、1)と2)はどちらか一方を実施すればよいのではなく、双方とも実施しなければならない。

 

一方外部評価は、3)組織体外部の有資格者による評価と、4)独立の正当化を伴う自己評価、の2つに分けられる。外部評価の本来の意味を考えれば3)しか認められないところですが、経済性や実践可能性といった理由から、外部者に評価を依頼することが困難な場合も考えられる。このような場合に3)の代替案として、組織体内部で評価を実施し、有資格かつ独立の評価者が評価結果をレビューするという4)の方法も認められている。

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