調査レポート

2015年版 中国市場動向

国内消費の落ち込みなど経済の減速が大きな課題となっている中国ですが、依然、世界一の人口規模を持つ大国であることには変わりはありません。本レポートでは、中国のマクロ環境と、加工食品・飲料市場、日用品市場、小売市場の動向についてとり上げています。ここではサマリーをご紹介していますが、本編をご希望の方は、問い合わせフォーム(右矢印からアクセス)よりお申し込み頂けます。

1. マクロ環境

中国はアジア最大の国土面積と世界最多となる約13億人の人口を有するアジアの大国である。
政治体制として人民民主共和制を採用しており、習近平を国家主席をとする中国共産党政権の統治下にある。日本との間には歴史認識や領土問題で政治的課題が存在がしている為、日系企業のビジネスに悪影響をもたらすことも多く、中国共産党一党体制による政治リスクも無視できない状況にある。

中国は2020年までにGDPと都市・農村住民の一人当たり平均収入を2010年の2倍とし、10数億の人口が適度に繁栄した社会(小康社会)を全面的に実現することを掲げており、経済建設を中心とした国家の経済社会発展を継続するとしている。外交面では、平和で安定した国際環境が必要であるとし、自らを「世界最大の途上国」と位置づけ、中国の発展は他国の脅威とはならないとする「平和的発展」を主張している。

現在、世界最大の人口を有してはいるが人口成長のピークは既に過ぎており、国内では少子高齢化が鮮明になってきている。中国政府は「一人っ子政策」の一部緩和*を打ち出してはいるものの、劇的な改善は今のところ見込まれていない。これまで主に公共投資により経済を成長させてきた中国であるが、近年は国内消費や輸出入の落ち込みなどが見られるようになってきており、経済成長は減速気味である。GDP規模はアメリカに次ぎ、世界2位の規模を誇っているものの、一人当たりGDPでは他の先進国から大きく遅れを取っている点も課題のひとつとなっている。またリーマンショック後の個人消費の落ち込みからは一時、回復の兆しが見えたが、2011年以降の成長速度は鈍化している。2013年に就任した李克強首相は消費主導型の成長を打ち出しているものの、未だに具体的な成果は見られない状況にある。

前述の通り、経済には減速も見られる一方で、世帯の可処分所得は基本的には増加基調にあり、多くの中間層及び富裕層が拡大してきている。今後もこの傾向は続くものと考えられており、2004年には人口の92%を占めていた年間可処分所得5000ドル以下の貧困層は2019年には14%まで減少すると予測されている。

*1. 北京市や上海市、広東省などでは人口抑制に関する条例が改正され、「夫婦のどちらかが一人っ子の場合は2人目の出産を認める」とした細則が公布されている。
 

2.加工食品・飲料市場

近年、中国では政府や食品会社が消費者に対して健康的な食生活を啓蒙するキャンペーンを多数打ち出してきた。結果として消費者の食品に対する意識が高まっており、高価でもより安全な食品や低カロリー食品が人気となっている。これらのニーズを取り込みながら加工食品市場は拡大していくと見込まれているが、特にベビーフードは直近、大きく成長している有望市場となっている。2008年に発生した粉ミルクの汚染問題を背景に、中国の母親達はより高品質で安全性が高い輸入物の粉ミルクを求めるようになっており、特に都市部の富裕層を中心にこの傾向が顕著である。これら「高品質」「安全性」製品へのニーズに加えて、政府による一人っ子政策の一部緩和の追い風もあり、ベビーフードは大きく成長している。

飲料市場に関しては茶/紅茶、果汁飲料、飲料水の3つが中国ソフトドリンク市場では大きな規模を誇り、また成長も著しい。ビネガードリンクやエナジードリンクは規模こそ大きくはないものの、茶/紅茶飲料、果汁飲料、飲料水を上回る年平均成長率20%以上で成長している有望市場である。

アルコール市場ではスピリッツが最も大きな市場を形成しているが、近年では成長が鈍化してきており、ワインとビールの成長に押され気味である。特にワインは小規模ながらも大きく成長しているセグメントとなっている。

(ホットドリンクの市場動向、及び詳細データについてはレポート本編にて掲載)

3.日用品市場

中国の個人消費の成長が鈍化していることにあわせて、日用品市場でも成長率が減速傾向にある。特にホームケア用品*1は今後も成長率が落ち込み続けることが予想されている。一方で、美容・パーソナルケア用品に関しては一時に比べると成長率は落ち込んでいるものの、高成長セグメントであるスキンケア商品を筆頭に今後は成長が回復する見込みである。美容・パーソナルケア用品はP&G、L'Oréalといった外資系企業が多数ひしめく苛烈なセグメントとなっているが、その規模は2014年で450億ドルを上回り、2019年には800億ドル弱までの成長が見込まれる一大市場となっている。またトップシェアを維持し続けているP&Gが徐々にシェアを落としており、L'Oréalが近年ではシェアを伸ばし続けているといった傾向も見られる。美容・パーソナルケア用品では中国現地企業の存在感はあまりないが、ことホームケア用品に関しては、こちらもP&G、Unileverといった外資系企業が多数参入しているにも関わらず、中国企業のGuangzhou Liby Enterprise Groupがトップシェアを維持している。またティッシュ・衛生用品市場においては、乳幼児用紙オムツが年平均成長率29%と著しい伸びを見せている。

*1. ランドリーケア、殺虫剤、クリーナー(床用・台所用・バス用)、食器用洗剤、研磨剤、エアケア、トイレケアなどを指す
 
(詳細なデータについては、レポート本編にて掲載)

4.小売市場

中国の小売市場においては、国内消費を積極的に喚起しようとする中央政府の政策に加えて、消費者の可処分所得の増加が高品質製品の販売増に貢献している。その為、中国の店舗型小売市場は高品質製品の扱いが多いノン・グロッサリーリテール*1を中心に拡大している。10年前にはグロッサリーリテール*2の方が、ノン・グロッサリーリテールよりも規模が大きかったが、近年ではその規模は逆転しており、益々差が開いてきている。


非店舗型の小売では2010年を境にEコマースの成長が極めて著しくなっている。2005年から2014年までの年平均成長率は75%と驚異的であり、中国でのEコマースの急速な普及がうかがえる。この成長を支えているのが、アリババグループが運営するオンラインストアTmallであり、非常に多くの小売業者がTmall上にショップを展開している。直近ではAmazonが自社サイト以外の運営として、Tmall上に独自のデジタルチャネルを展開しており、中国オンラインストアでの影響力の強さがうかがい知れる事例となっている。

*1. アパレル製品、家電製品、趣味・娯楽品などを販売する小売業態を指す
*2. 主に食品・飲料、日用雑貨、タバコを販売する小売業態を指す。

(詳細なデータについては、レポート本編にて掲載)

5.おわりに

国内消費の落ち込みなど経済の減速が大きな課題となっている中国ではあるが、依然、世界一の人口規模を持つ大国であることには変わりはない。この大国でのビジネスをどう展開するか。本レポートが中国でのビジネスの一介になれば幸いである。
なお、本文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをお断りする。

(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)

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<レポート本編の目次>
マクロ環境
● 基本情報
● 政治の動向
● 人口
● GDP
● 個人消費
● 所得水準
● 投資環境としての評価
● 外資規制
● インフラ整備状況

食品・飲料市場
 市場規模/主要プレイヤー
● 加工食品
● ソフトドリンク
● ホットドリンク
● アルコールドリンク

日用品市場
 市場規模/主要プレイヤー
● 美容・パーソナルケア用品
● ホームケア用品
● ティッシュ・衛生用品

小売市場
● 小売市場規模(店舗型)
● 小売市場規模(非店舗型)
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