ナレッジ

アフターコロナを捉えたコンシューマー企業の取組 第3回

コンシューマー企業の「食の未来」へ向けた変革の重要性

パーソナライズ、信頼性の確保、健康への貢献など「栄養摂取へのパーソナライズ化」へ企業が備えるべきこととは。Food & Beverage/食品・飲料企業が今後、検討すべき食領域でのオポチュニティについて解説する。

はじめに

国際情勢の変化やパンデミック長期化、再拡大の可能性等によるビジネス環境の不確実性が続き、かつ消費者を取り巻く環境変化の速度が増している。このような状況下であるからこそ、食品・飲料企業は、社会・市場からの期待の変化を捉えつつ、顧客提供価値視点でのグランドデザインを持ち、自社製品・サービスの在り方を見つめ直すことが必要となる。

本稿では、前半にグローバルで大きな流れとなりつつある、食分野における食×パーソナライゼーションの概況について、後半では、日本での食の変化の潮流や先進事例を交え紹介し、食品・飲料企業が、より持続可能で健康的な食システムの構築へ貢献し、未来へつなげることができる新たな機会創出に向けたヒントを提供する。

調査レポート(PDF, 1.8MB)

2050年の食生活とは:「パーソナライズされた栄養摂取」の実現へ向けた企業のビジネス機会の活用

近い未来、私たちの食生活や栄養摂取は、より「パーソナライズ」され、生物学的構成、ライフスタイル、健康状態、環境要因、個人の好みなどに基づいて、「食」が個人のニーズに合わせ最適化されるようになるだろう。パーソナライズされた食生活の実現は、栄養失調や肥満などの世界的な健康問題に対する解決策に繋がり、新たな価値創出を目指す企業に多大な機会を提供すると考えられる。

食品・飲料企業が、消費者の健康的な生活の実現へ向け、「栄養摂取のパーソナライズ化」に伴う機会を活用し、製品やサービス提供を推進できる領域として以下のような事例が挙げられる。

「パーソナライズされた栄養摂取」における機会とは
※クリックまたはタップして拡大表示できます

このように、「パーソナライズされた食の未来」を実現するためには、第一に、消費者の食事のニーズに影響を及ぼす様々な要因の理解、第二に、個人の健康状態のデータを収集し、エネルギー摂取必要量と組み合わせ、個人の状態に合わせた食事のアドバイスへ変換する技術、さらに、第三に、今後、消費者自身が食の未来に備え、健康意識を高める必要性といった要素が必要不可欠となる。
 

 

変化する食品・飲料ビジネスへの社会・市場からの期待と対応 – 消費者に提供されるべき価値

日本においても、コロナ禍の中で、消費者の健康志向やサステナビリティへの関心の高まりの加速化、デジタル活用の急速な普及などの変化がめまぐるしく起こり、食品・飲料業界も自社の新たなビジネス、サービス向上へ向けた早急な対応を余儀なくされている。

今後も更なる変化が予測される中で、食品・飲料企業は、社会・市場からの期待の変化を捉えつつ、顧客提供価値視点でのグランドデザインを持ち、自社製品・サービスの在り方を見つめ直さなくてはならない。そして価値提供の実現に向けては、顧客関連データの活用拡大が必須であり、その「足場固め」となる取り組みの実行が必須である。
 

消費者の変化
※クリックまたはタップして拡大表示できます

既に、ポストコロナのレースが始まっていることを正面から捉え、危機感にも近い感覚で「足場固め」を行えるか否かが、食品・飲料業界における10年、20年先の日本企業の生き残り成否に大きく影響すると考えている。

 

本レポートはDeloitte Touche Tohmatsu Limited が発表した内容をもとに、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社が翻訳・加筆したものです。和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文を優先します。

 

デロイト トーマツ 消費財セクターでは、コロナ禍における国内外の最新トレンドの分析・発信をしています。

プロフェッショナル

松岡 和史/Kazufumi Matsuoka
デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

消費財メーカー、飲料・食品メーカーを中心としたコンシューマービジネス業界を対象に10年以上に渡るコンサルティング実績を持つ。企業・事業戦略、組織戦略、海外進出・展開、新規事業創出といったストラテジー領域を中心に数多くのプロジェクトを手掛けており、直近は、市場の変化と未来像を捉えた形での戦略テーマなども実施している。

さらに見る

 

著者

山下 真輝/Masaki Yamashita
デロイトトーマツコンサルティング シニアマネジャー


食品飲料・消費財業界を中心としたグローバル企業における、市場参入戦略策定、サプライチェーン業務改革、IT戦略・基幹システム構想策定など幅広い分野のプロジェクトへ従事。

 

(2021.8.25)
※社名・役職・内容等は、掲載日時点のものとなります。

 

お役に立ちましたか?