最新動向/市場予測

消費財業界の規制動向

加速する複雑性

消費財業界における規制は、かつては限られた分野にのみ影響を与えていましたが、現在は新しい分野や地域に広がりを見せています。デロイトが発表しているレポート “Accelerating complexity: Regulatory trends in the consumer goods industry” では、消費財業界における規制の動向を解説しております。本稿ではこの本レポートの主なポイントをご紹介します。

消費財業界の規制動向

■はじめに

消費財業界における規制は、かつては限られた分野にのみ影響を与えていたが、現在は新しい分野や地域に広がりを見せている。本書では消費財業界における規制の動向を紹介する。ビジネス面や社会面における規制の影響を理解することは、企業(や政府)が消費と経済の両方に良好かつ持続可能な意思決定を行うことに役立つであろう。

■規制の動向

 近年、健康や社会・環境問題等を背景に、多くの政府において多様な商品カテゴリでの規制導入が検討されている。そのうえ、いずれの国家においても、かつてない財政赤字を抱えており、新たな収益源としての商品課税の導入を余儀なくされている。特にタバコやアルコール、不健康な食品(脂肪、塩、砂糖等)を規制する動きは顕著である。

•オーストラリアでは、全ブランドのタバコパッケージを無地にする法律を制定中
•アイスランドでは、タバコ販売を禁止にする法案を審議中
•タイでは、アルコール飲料のラベルに健康への警告掲載を検討中
•デンマークでは、不健康な飲食品に対する課税を25%まで引き上げ
•ハンガリーでは、高脂肪・塩分・糖分を含む食品への特別課税を導入
など

■規制が増える要素

このように消費財業界において規制は増加傾向にある。改めて、要素を整理すると主に3つあると考えられる。中でも特に食品は下記3つすべてに関係するため、規制を受けやすい商品カテゴリであると言える(図表1)。

•国家財政の赤字補填のため、税収として課税を増やす(財政)
•国民の健康を守るため、タバコや酒、肥満の摂取を制限する(健康)
•気候変動や温暖化進行を抑えるため、消費を制限する(環境)

デロイトUKでは、世界13カ国におけるタバコ、アルコール、食品の規制動向を調査し、8つの特徴 (1)商品内容、(2)商品表示、(3)パッケージへの健康被害警告、(4)POS情報、(5)広告制限、(6)販売・所有、(7)消費地、(8)商品課税)ごとに整理している。共通して言えることは、いずれも規制は強化され続けているということである。また、市場や商品カテゴリを時系列で見ても、市場では先進国⇒発展途上国⇒新興国の順に、商品カテゴリではタバコ⇒アルコール⇒食品の順に、時を追うごとに規制範囲は広がっている。(図表2)

■おわりに

我々の経験上、成功を収めるためには、主要な規制問題に早い段階から関与し、時間や資源の投資に関する優先順位を定めることが重要であると考える。一方で、グローバルに事業を展開する企業は、世界中に散らばる規制に対峙するために十分なリソースやスキルを割けないという課題を抱えている。

デロイトは規制リスクを認識し、コントロールするための支援ツールや方法論を保有している。また、デロイトグローバルで連携して対応することにより、各国の規制を適切にハンドリングし、実現可能かつ包括的な計画策定(経営戦略、コーポレートリスク、財務等を含む)を支援することが可能である。

原文レポート”Regulatory trends in the consumer goods industry”はこちら

【図表1】規制を受ける要素と商品カテゴリの関係性

【図表2】規制の広がり(市場・商品カテゴリ)

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