調査レポート

2015年版 インド市場動向

インドは世界2位の人口規模と高い経済成長率を持つコンシューマービジネス業界における有望市場です。本レポートでは、インドのマクロ環境と、加工食品・飲料市場、日用品市場、小売市場の動向についてとり上げています。ここではサマリーをご紹介していますが、本編をご希望の方は、問い合わせフォーム(右矢印からアクセス)よりお申し込み頂けます。

1. マクロ環境

インドは広い国土、12億超の人口、多数の言語と宗教を持つ多様な国である。特に言語はヒンディー語が公用語であるが、他に憲法で公認されている州の言語が21言語あるなど、多様性の象徴となっている。人口は世界2位となる12億超を有しており、その半数以上が30代以下の若者である点が、今後の成長性という観点で極めて重要な意味を持つ。加えてモディ首相は政策において、経済重視・個人消費の拡大を打ち出しており、今後の経済成長が期待されている。GDPに関しては、規模は先進国や他のBRICs諸国に劣るものの、年々増加傾向にあり、近年では中国の成長率に陰りが見られることから世界一の成長率まであと一歩という水準に来ている。
一方で国民の所得水準は、徐々に改善はされているものの、2014年度時点で年間平均は4,000ドル程度であり、未だに貧困層が全世帯の半数以上を占めているなど課題も多い。

2.加工食品・飲料市場

急速なライフスタイルの都市化が、伝統的な家庭料理を中心とした食生活から、加工食品を中心とした食生活への変化を後押ししており、加工食品市場は安定的に成長している。
また消費者嗜好の変化として、健康意識の高まりが挙げられる。この消費者ニーズに対応すべく、各メーカーはこれまで展開してきたブランドのシリーズとして、低カロリーバージョン、低脂肪バージョンなどのラインナップを取り揃える動きが活発化している。
アルコール市場に関しては、消費税(excise duties)及び付加価値税(VAT)が2013年に大幅増税されたことを受け、成長が鈍化傾向にある。各メーカーは増税による単価の上昇を、プレミアムブランドを展開することで吸収しようとしている。
(詳細に関しては本編をご参照)
 

3.日用品市場

消費者の間では美白がブームとなっており、スキンケア、コスメティクス商品では各メーカー共に美白をうたった商品を多数展開している。尚、美白ブームは女性だけに留まらず、男性にも波及している。
また化粧品に対する男性の意識も変化しており、男性が化粧品を使うことに対する抵抗は薄れつつある。そこで各メーカーは男性向けシリーズを展開するようになってきており、 例えばJK Helene Curtis Ltd は男性向けのブランドとして、Beer Shampooシリーズを展開している。
ただし、男性のこうした意識の変化は都市部に限定されており、地方では以前として、男性の化粧品と言えばカミソリと石鹸といった状況に留まっている。
衛生用品の分野では、政府主導のASHAと呼ばれるサニタリーの無料配布プログラムなどにより、インド国民の衛生意識は高まりつつあり、結果として近年、衛生用品は大きな成長を遂げている。
一方で、ティッシュに関してはまだまだ都市部の上流階級が使う製品として認知されているため、各企業はこうした考え方を払拭させようと様々な施策を展開している。
(詳細に関しては本編をご参照)

4.小売市場

インドの店舗型小売ではトラディショナルトレード*1が今も大半を占めており、スーパーなどのモダントレード*2は都市部に限定されている。
都市部の消費者はトラディショナルトレードに比べて品揃えが多く、より安価に商品を提供するモダントレードを好むようになってきており、徐々にモダントレードのシェアが高まりつつある。

非店舗型の小売においては、Eコマース市場が急激な伸びを見せており、特に都市部でしか手に入らない海外ブランド製品などが地方に住みながら手に入るなどの利便性を背景に、地方での普及が都市部に比べて進んでいる。
(詳細に関しては本編をご参照)

*1. 零細小売店、小規模な食品・日用雑貨店などの伝統的小売業態を指す。
*2. ハイパーマーケット、スーパーマーケット、コンビニエンスストア(CVS)などの近代的小売業態を指す。

5.おわりに

インドは世界2位の人口、人口の半数を占める若年層といった魅力的なマクロ動態を有しており、また高い経済成長率を有している。人口減少・少子高齢化が進む先進国から見ると、今後、有望となる市場であることは間違いない。一方で、脆弱なインフラなど進出にあたっての課題も多く残っている。本レポートがインドを知り、市場を俯瞰する上での一介になれば幸いである。
なお、本文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをお断りする。

(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)

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<レポート本編の目次>
マクロ環境
 基本情報
 政治の動向
 人口
 GDP
 所得水準
 個人消費
 投資環境としての評価
 外資規制
 インフラ整備状況

食品・飲料市場
 市場規模/主要プレイヤー
 加工食品
 ソフトドリンク
 ホットドリンク
 アルコールドリンク

日用品市場
 市場規模/主要プレイヤー
 美容・パーソナルケア用品
 ホームケア用品
 ティッシュ・衛生用品

小売市場
 小売市場規模(店舗型)
 小売市場規模(非店舗型)

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