調査レポート

2013年版 インド市場動向

インドは91年に経済自由化に転じて以降、急速な経済成長が続いています。それに伴い所得水準が上昇し、消費市場は急速に拡大していくとみられています。本レポートでは、インドにおけるマクロ環境と、食品・飲料市場、日用品市場、リテール市場の動向についてとり上げます。レポートのサマリーと目次を下記にご案内いたします。レポート本編は、ページ下の問い合わせフォームよりお申し込みいただけます。

マクロ環境

インドは、12億人超の人口を有し、多言語・多宗教を抱える国家である。インドの公用語は22存在し、公用語のヒンディー語やベンガル語、準公用語の英語が主要な言語となっている。宗教はヒンドゥー教徒が多数派(約8割)を占めているが、イスラム教徒も1億人以上存在し、他にはキリスト教徒、シーク教徒、仏教徒、ジャイナ教徒などと、多様である。

政治体制は議会制民主主義を維持している。04年の総選挙でコングレス党を中心とする連立政権として、シン首相を首班とする統一進歩同盟(UPA)政権が発足した。09年の総選挙では、経済の急成長を実現させた政権運営が評価され、コングレス党が大勝し、第二次UPA政権が発足した。しかし、11年から汚職が続発し、経済成長が鈍化していることなどから、現政権の支持率は低下傾向にあり、14年の次回総選挙を前に12年の大型地方選で敗北し、難しい政権運営を迫られている。

インドは独立以来、長らく閉鎖的な経済体制にあり、経済成長率は低水準だったが、91年に経済自由化路線に転じてからは、急速な経済成長が続いている。それに伴い所得水準が上昇し、01年時点では全体の9割超を占めていた貧困層世帯が11年には5割以下に減少し、一方で、一定の購買力を持つ中間層が全体の約5割を占めるまでに増えている。個人消費は急速に拡大しており、今後もさらなる拡大が期待されている。
(外資規制・外資奨励については、レポート本編にて掲載) 

加工食品・飲料市場

経済成長に伴う中間層人口の増加を背景に、食品・飲料市場は急速に拡大している。中でもソフトドリンク市場は成長が著しく、今後5年間は20%以上の成長が続くとみられている。カテゴリ別市場構成比をみれば、01年時点では約7割を占めていた炭酸飲料の割合が11年には4割弱にまで減少しており、一方でペットボトル飲料水の割合が急増し、炭酸飲料と並ぶ市場規模になっている。各カテゴリの市場において上位を占めるグローバル飲料大手のコカ・コーラとペプシコが、市場全体のシェアで1位、2位を維持しているが、地場飲料水大手のビズレリがボトル入り飲料水市場の拡大に伴い急成長しており、2社を追い上げている。尚、上位3社で市場全体の約7割を占める寡占市場となっている。
(加工食品市場やアルコールドリンク市場については、レポート本編にて掲載) 

ソフトドリンク市場

日用品市場

経済成長に伴う所得上昇および衛生意識の高まりを背景に、日用品市場は急速に拡大している。美容・パーソナルケア用品市場における直近5年間の平均成長率は15%と高く、今後も高成長が見込まれている。カテゴリ別構成比をみれば、バス用品、ヘアケア用品、オーラルケア用品が主要カテゴリとなっている。メーキャップ用品の占める割合は11年時点で5%程度とさほど大きくはないものの、インド人女性の社会進出拡大により美容ニーズが高まっていることから急成長を続けており、今後もさらに成長していくものとみられている。各カテゴリで上位を占めるユニリーバが市場全体の3割強を占めて首位となっている。2位以下は外資と地場のプレイヤーの競争が激しくなっている。
(ホームケア用品、ティッシュ・衛生用品については、レポート本編にて掲載) 

美容・パーソナルケア用品市場

リテール市場

グロッサリーリテール*1 市場は、「キラナ」と呼ばれる零細小売が多数存在していることから、トラディショナルトレード*2 が98%を占めており、モダントレード*3 はたったの2%となっている。しかし、経済成長に伴う可処分所得の増加を背景にモダングロッサリー市場は成長を続け、11年には40億ドル(06年比約3倍)に達しており、15年には約70億ドルに達する見込みであることから、外資企業にとっても魅力的な市場になりつつあるといえる。

インド政府は長らく零細小売保護のために外資の市場参入を規制してきたが、ここにきてようやく、国内流通網の整備やインフレ抑制を目的に小売業への規制緩和を進め始めている。直近では単一ブランド小売業に対して条件付ながらFDI比率の上限を撤廃し、FDIを全面的に禁止していた複数ブランド小売業についても条件付で最大51%のFDIを認めた。このような規制緩和を受け、小売大手企業のインド進出が加速するとみられる。ただし、複数ブランド小売業者は単独出資が認められていないことから、地場の合弁パートナーを選定する必要がある。

*1. 主に食品・飲料、日用雑貨、タバコを販売する小売業態を指す。
*2. 小さな個人食料雑貨店や市場などの伝統的小売業態を指す。
*3. ハイパーマーケットやスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの近代的小売業態を指す。 

おわりに

インドは、世界第二位の人口規模を有し、今後の経済成長が見込まれていることから、食品・飲料、日用品などの消費市場は急速に拡大していくとみられている。したがって、海外進出を加速する日本企業にとって有望な市場になりつつあるといえるが、宗教や言語が多様であることから、そこへの対応が必要である点には注意しておきたい。

なお、本文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをお断りしておく。

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<レポート本編の目次>

マクロ環境
 ・基本情報
 ・政治の動向
 ・人口/実質GDP
 ・所得水準
・個人消費

投資環境
 ・外国直接投資
 ・外資規制/外資奨励

食品・飲料市場
 市場規模/カテゴリ別市場構成/主要プレイヤー
 ・加工食品
 ・ソフトドリンク
 ・アルコールドリンク

日用品市場
 市場規模/カテゴリ別市場規模/主要プレイヤー
 ・美容・パーソナルケア用品
 ・ホームケア用品
 ・ティッシュ・衛生用品

小売市場
  ・グロッサリーリテール市場規模/構成
  ・小売業の外資規制
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