調査レポート

2014年版 インドネシア市場動向

インドネシアはASEAN最大の人口を有し、経済成長に伴い中間層が急速に拡大しており、消費市場として注目されています。本レポートでは、インドネシアのマクロ環境と、食品・飲料市場、日用品市場、小売市場の動向についてとり上げます。レポートのサマリーと目次を下記にご案内いたします。レポート本編は、問い合わせフォーム(右矢印からアクセス)よりお申し込みいただけます。

1.マクロ環境

インドネシアは、東南アジアの南部に位置し、首都ジャカルタのあるジャワ島をはじめ東西に広がる一万数千の島々から成る国である。人口は2.4億人超と世界第4位の規模であり、今後も緩やかな増加が見込まれている。

2004年からのユドヨノ政権下では福祉向上、汚職撲滅、経済発展政策が推し進められていたが、2014年のジョコ・ウィドド大統領への政権交代以来、経済・社会政策を最優先課題として、インフラ整備や社会保障の充実を目標に掲げている。ユドヨノ政権下の直近10年間は概ね5~6%の経済成長を実現しており、一定の購買力を備えた中間層の増加が個人消費を押し上げていることから、今後も貿易先の景気変動の影響を受けにくい自律的な経済成長が期待される。

インドネシアの投資環境を確認すると、事業環境の評価については、世界銀行の「Doing Business*1」最新版で189カ国中114位と、先進諸国に比べて厳しい評価を受けている。公的セクターの透明度については、Transparency Internationalの「Corruption Perceptions Index*2」で先進諸国よりも低水準ながら徐々に評点を上げてきている。また、リスク面については、Economist Intelligence Unitの「Country Risk Service」において、ソブリンリスク、政治リスクなどの各種リスクが先進諸国より高いとみられている。

外資の参入に対しては、政府の投資促進政策により徐々に規制緩和が進んでいるものの、依然として多くの業種においてパートナーシップ、外資比率、立地などが制限されている。また、外資への税務上の優遇措置についても、特定地域を除けば、関税減免などに限られており、他のASEAN諸国と比べてやや少ないといえる。

*1. 世界銀行が世界各国でのビジネスのしやすさを10項目の指標に基づきランキングし、毎年発表している。
*2. Transparency Internationalが世界各国における公的セクターの透明度を10段階で評価し、毎年発表している。

2.食品・飲料市場

経済成長に伴う所得水準の上昇により、インドネシアの食品・飲料消費は増えており、加工食品、ソフトドリンク、ホットドリンク、アルコールドリンクの各市場とも今後5年間について年率10%以上で拡大すると予想されている。

加工食品市場はあらゆる商品において消費額が拡大しており、特に乾燥加工食品やベビーフードの成長が著しい。なかでも地場食品大手インドフードが首位を維持しているが、古くから進出しているネスレやダノンなどのグローバル食品大手も一定のポジションを築いている。

ソフトドリンク市場はボトル入り飲料の急成長が市場を牽引している。市場全体ではグローバル飲料大手のダノンやコカ・コーラ、及び地場飲料大手のシナール・ソスロの3社が首位争いをしている。直近では、ミネラルウォーターのトップブランド『AQUA』を擁するダノンがシェアを伸ばし、首位となっている。

(「ホットドリンク」「アルコールドリンク」についてはレポート本編をご参照。)

3.日用品市場

所得水準の上昇と美容・衛生意識の向上により日用品の需要が増え、美容・パーソナルケア用品、ホームケア用品、ティッシュ・衛生用品の各市場とも急速な拡大が続いている。今後5年間、各用品とも概ね10%以上の高成長が見込まれている。

美容・パーソナルケア用品市場においてもあらゆる商品の消費が拡大しているが、女性の美白や老化防止へのニーズの高まりから特にスキンケアの成長が著しい。スキンケアをはじめ幅広い商品展開で強いブランドを持つユニリーバが4割弱の市場シェアを占め、首位を維持している。

ティッシュ・衛生用品市場は乳幼児用の紙オムツが市場の成長を牽引している。当分野およびサニタリーなどに強みを持つユニチャームは、シェアを拡大し続けており、2008年以降は首位を独走している。

(「ホームケア用品」についてはレポート本編をご参照。)

4.小売市場

インドネシアの小売市場は、2013年には1500億ドル超の販売額に達し、拡大基調にある。同市場の3分の2を占めるグロッサリーリテール*1市場において、トラディショナルトレード*2の存在感は依然として大きいが、モダントレード*3が急速に成長している。

モダングロッサリーリテール市場では各業態とも成長しており、なかでもコンビニエンスストア(CVS)の成長が著しい。政府が外資小売業の直接投資を長らく規制してきたことから、地場リテーラーの優勢が続いてきたが、1998年の規制緩和を機にいち早く進出した仏カルフールが、積極的な出店攻勢で急成長を遂げて一時は首位にあったこともある。直近ではCVS運営の地場インドマクロとスンブルが同チャネルの急成長に伴い売上を伸ばし、首位を争っている。

 *1. 主に食品・飲料、日用雑貨、タバコを販売する小売業態を指す。
 *2. 零細小売店、小規模な食品・日用雑貨店などの伝統的小売業態を指す。
 *3. ハイパーマーケットやスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの近代的小売業態を指す。
 

5.おわりに

このようにASEAN随一の人口・経済規模を誇るインドネシアでは、経済成長に伴う中間層の拡大が見込まれており、食品・飲料、日用品などの消費市場の拡大は今後も続くとみられている。そのため、海外進出を加速する日本の消費財・小売企業にとって有望な市場と言えるが、他のASEAN諸国と比べて外資企業の投資規制が依然として厳しい点には留意しておく必要がある。

(著者:デロイト トーマツ コンサルティング株式会社 古山蘭)

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<レポート本編の目次>
マクロ環境
● 基本情報
● 政治の動向
● 人口
● GDP
● 個人消費
● 所得水準
● 投資環境としての評価
● 外資規制/外資奨励
● (参考)インフラ整備状況
食品・飲料市場
● 食品・飲料市場規模
● カテゴリ別市場規模/市場シェア
  ・ 加工食品
  ・ ソフトドリンク
  ・ ホットドリンク
  ・ アルコールドリンク
日用品市場
● 日用品市場規模
● カテゴリ別市場規模/市場シェア
  ・ 美容・パーソナルケア用品
  ・ ホームケア用品
  ・ ティッシュ・衛生用品
小売市場
● 小売市場規模
● モダングロッサリーリテール市場規模/市場シェア

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