Consumer Tracker:グローバル消費者動向調査~最新号(2023年4月) ブックマークが追加されました
調査レポート
Consumer Tracker:グローバル消費者動向調査~最新号(2023年4月)
世界26か国における消費者意識の追跡調査
デロイトでは、2020年4月より世界26か国・各1,000人を対象に新型コロナウイルスによるパンデミック発生以降における消費者意識の変化について定期調査を実施しています。本調査結果に基づき、消費者のマインドや消費動向について解説します。
グローバル消費者動向調査
本調査「Global State of the Consumer Tracker」 は、世界26カ国を対象に毎月実施しているオンラインパネル調査です。
各国18歳以上の1,000人をサンプルとし、経済的な豊かさや消費動向、旅行に関する消費マインドなどについて、世代別/世帯年収別にデータを提供しています。
調査概要、および対象国など調査の詳細については以下をご覧ください。
Wave42(2023年4月末実施)結果
前週と比べた不安・緊張感
ゴールデンウィーク前の今回調査(#42)では、「前週と比較し不安・緊張感がある」と回答した日本の消費者の割合は前回調査(#41・3月後半)から2pt増加したものの、3割程度で推移していることに変化はない。一方、中国の消費者が不安や緊張感を抱える割合は22%と、今年1月時点から14pt減少する結果となった。(図1)

消費者が不安や緊張感を感じる大きな要因の1つが「個人的な財務状況」であるのは、主要国で共通している。一方で、「コロナ関連」を要因として挙げる割合は、他の主要国と比較して日本の消費者で高い状況が続いている。(図2)

今後の旅行の可能性
今後3か月間の旅行の可能性は、全国支援旅行割の再開以降増加傾向にあるが、昨年夏頃までの回復までは至っていない。しかし昨年同月(#30)と比較すると、旅行意向は増加しており、ゴールデンウィークや夏休みに向け、旅行への意向も高まりつつある。(図3)

今後3か月以内に国際線を利用する可能性があると回答した層に最も訪れたい国を質問しているが、中国・韓国・米国では日本が上位に挙げられている。中でも韓国は前回調査から引き続き訪れたい国1位が日本である。4月末には入国制限解除を含む水際対策が終了となり、訪日外国人観光客の増加が予想される中、今後のインバウンド消費に期待が高まる。(図4)

旅行の可能性が低いと回答した理由は、回答者全体では「金銭的余裕がない」が最多であることに変化はなく、世帯年収が低いほど割合が高くなる傾向も変わらない。しかし、2月末時点をピークに減少傾向にある。今回調査はゴールデンウィーク前の調査であるものの、「仕事を休むことができない」「行きたいところがない」「お金を他のことに使いたい」といった理由を挙げる層が各所得層で増加する結果となった。(図5)

レジャー・旅行に関する意識と支出見込み
レジャー・旅行に関する意識においては、高所得層でよりお金をかけたレジャー・旅行を志向する傾向は継続しているが、所得の高低に係わらずお金をかけたい部分に濃淡が窺える。(図6)

今後2週間の支出見込みにおいても世帯年収によるギャップは継続している。「支出なし」と回答した割合は、高所得層と低所得層間で2~3割の差が窺える。上述の項目で今後3か月間の旅行の可能性は昨年同月(#30)に比べ増加したが、レクリエーション・娯楽における「支出なし」層は所得の高低に係わらず増加している。行動制限がなくなり旅行への消費意向が高まりつつも、相次ぐ値上げなど経済的不安が増す中で実際の消費に二の足を踏む消費者も一定数存在している可能性も推測される。(図7)


Global State of the Consumer Tracker
本調査結果のハイライトをご確認いただけるダッシュボード(英語)へはこちらからアクセスください。
調査項目ごとの国・年代・世帯収入別の時系列データを掲載しております。