調査レポート

Consumer Signals:グローバル消費者動向調査~最新号(2024年3月)

世界19か国における消費者意識の追跡調査

インフレの長期化など世界的な景気後退が予想される中、消費者の支出意向や購買行動は絶えず変化しています。変わりゆく消費者のニーズに対応しようと取り組むコンシューマー企業に気づきを提供すべく、デロイトでは2020年4月から世界の消費者を対象とした動向調査を実施していましたが、2023年10月より「ConsumerSignals」として、インフレや個人消費に関する新たなインサイトを追加し、今後の消費者行動を理解・予測するデータを提供しています。

グローバル消費者動向調査

本調査「Consumer Signals」 は、世界19カ国を対象に毎月実施しているオンラインパネル調査です。各国18歳以上の1,000人をサンプルとし、経済的な豊かさや消費動向、旅行に関する消費マインド、自動車需要などについて、世代別/世帯年収別にデータを提供しています。

調査概要、および対象国など調査の詳細については以下をご覧ください。

Consumer Signals:グローバル消費者動向調査

Wave53(2024年3月末実施)結果

前週と比べた不安・緊張感

「先週と比較して不安や緊張感を感じる」要素を国別に比較すると、中国を除くすべての国で「個人的な財務状況」が最も高い。日本の消費者においては、昨年末以降「その他の健康」が最上位であったが、今回調査(2024年3月末)ではわずかに財務状況が上回った。一方、中国においては経済や財務に関する項目が他国と比較して顕著に低い結果が継続している。(図1)

図1:前週と比べて不安・緊張を感じる項目


旅行意向

今後3か月間におけるホテル宿泊や各交通機関の利用意向を、過去4年間の同月(3月末)で比較すると、今回調査が最も意向が高い結果となった。国内線に比べ国際線の需要回復は緩やかであり、今回調査時点でも主要国との差があるが、Wave1(2020年4月前半)からの増減をみると約3倍に利用意向が拡大しており、主要国よりも増加幅は大きい。

国際線を利用する可能性があると回答した層に最も訪れたい国を質問しているが、韓国・中国・米国の消費者は日本を上位に挙げている。中でも韓国では、すべての世代において日本が訪れたい国の最上位であり、拡大しているインバウンド消費への期待が高まる。(図2)

図2:今後3か月間における旅行の可能性

一方、旅行に行く可能性が低いと回答した層の理由では、すべての年代で「余裕がない」ことが最上位であり、旅行を控える最大の懸念点は金銭的理由であることが示された。なお、この傾向は本項目の聴取を開始した2022年9月時点と比較して変化は見られない。(図3)

図3:年代別 旅行に行く可能性が低い理由上位

 

旅行に関する行動・意識

旅行に関する意識では、中国の消費者はより贅沢にお金をかけて自分の望む体験を望む意向が窺える。一方、日本の消費者はワンランク上の旅行や自分が望む体験をしてみたいという意向がありつつも、航空やホテルなどにお得感を求める傾向がある。(図4)

図4:旅行に関する行動や意識

Consumer Signals

本調査結果のハイライトをご確認いただけるダッシュボード(英語)へはこちらからアクセスください。

調査項目ごとの国・年代・世帯収入別の時系列データを掲載しております。

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