調査レポート

2013年版 タイ市場動向

ASEANは今後さらなる経済発展が期待されていますが、中でもタイは外資系メーカーの製造輸出拠点として経済成長を続け、それに伴い消費が拡大していることから、有望な消費市場として注目されています。本レポートでは、タイにおけるマクロ環境と、食品・飲料市場、日用品市場、小売市場の動向についてとり上げます。レポートのサマリーと目次を下記にご案内いたします。レポート本編は、問い合わせフォームよりお申し込みいただけます。

マクロ環境

タイは、インドシナ半島の中央及びマレー半島の北部に位置している。面積は51.4万k㎡で日本の1.4倍である。総人口は65.5百万人(2010年時点)であり、首都バンコクは820万人超を有する国内最大の都市である。民族はタイ族が大半を占める他、華僑、マレー族、山岳少数民族などで構成されており、公用語はタイ語である。宗教については仏教徒が国民の9割以上を占めており、少数派(4%)のイスラム教徒は南部4県に集中している。

政治は、1932年の立憲革命以降、立憲君主制が続いている。タクシン政権は01年に発足したが、06年にタクシン派と反タクシン派の対立が激化し、軍事クーデターの発生によりタクシン政権は崩壊した。その後しばらく混乱が続いていたが、11年にタクシン元首相の妹であるインラック氏が首相に就任してからは、政情が比較的安定している。しかし、反政府集会が依然実施されるなど、タクシン派と反タクシン派の対立は続いている。外交面では、柔軟な全方位外交を維持しつつ、ASEAN諸国との連携と日・米・中などの主要国との協調を基本方針としている。

総人口は成長が続いているが、伸び率は1%未満であり、今後の大幅な増加は見込まれていない。年齢別構成比をみれば、30歳未満の若年層の割合が急速に減少している一方で、高齢層や壮年層の割合が増え続けている。

経済は、政府による外資導入と輸出振興策により急成長してきた。08年秋のリーマンショックの影響で09年は輸出急減により景気が後退したが、10年には回復した。11年の歴史的な大洪水で再び景気が減速するも12年には急回復しており、今後の成長が見込まれている。

経済成長に伴う世帯所得の増加により、一定の購買力を持つ中間層が急増し、12年には全世帯の67%を占めている。今後は中間層の中でも購買力の高い上位中間層と富裕層の増加が見込まれている。個人消費は、所得水準の上昇に伴い急速に伸びており、今後も高成長が見込まれている。

(投資環境、外資規制/外資奨励については、レポート本編にて掲載)

【図1】 所得階層別の世帯割合と個人消費

加工食品・飲料市場

生活水準の上昇に伴い、加工食品や飲料の需要が増え、加工食品、ソフトドリンク、ホットドリンク、アルコールドリンクの各市場は急速に拡大している。今後5年間は各市場とも5~10%の成長が見込まれている。

ソフトドリンクの市場規模は、年平均成長率(07-12年)6%で拡大している。カテゴリ別市場規模をみれば、炭酸飲料、スポーツ・栄養ドリンク、ボトル入り飲料水、果実・野菜ジュース、紅茶飲料等の各カテゴリが成長している。中でもボトル入り飲料水と紅茶飲料は強い伸びを示している。上位4社のコカ・コーラ、ペプシコ、地場オソトスパ、地場TCファーマは、炭酸飲料やスポーツ・栄養ドリンクに強みを持っている。

(加工食品、ホットドリンク、アルコールドリンクについてはレポート本編にて掲載)

【図2】 ソフトドリンク市場

日用品市場

生活水準の上昇と美容・衛生意識の高まりを背景に、日用品市場は急速に拡大している。美容・パーソナルケア用品、ホームケア用品、ティッシュ・衛生用品の各用品とも今後5年間は5~10%の成長が見込まれている。

ホームケア用品の市場規模は、年平均成長率(07-12年)7%で拡大している。カテゴリ別では、市場の6割を占めるランドリーケアをはじめ、食器用洗剤、殺虫剤、エアケア、クリーナー等の各カテゴリとも順調に伸びている。ランドリーケアと食器用洗剤に強みを持つユニリーバとライオン、殺虫剤とエアケアに強みを持つSCジョンソン、花王の4社で市場は寡占状態にある。

(美容・パーソナルケア用品、ティッシュ・衛生用品については、レポート本編にて掲載)

【図3】 ホームケア用品市場

小売市場

タイの小売市場は2012年に750億ドル超に達し、年平均成長率(07-12年)4.7%の拡大基調にある。市場の7割を占めるグロッサリーリテール*1市場は同5.1%と市場全体の成長を上回っている。また、モダントレード(MT)*2が拡大しており、グロッサリーリテール市場の4割超を占めるに至っている。

モダングロッサリーリテール市場は年平均成長率(07-12年)で拡大しており、特にコンビニエンスストア(CVS)業態の成長が著しい。CVS大手の「セブンイレブン」を運営するCPオールは、09年に「テスコ・ロータス」を運営するエカチャイの売上を抜いて以降、市場トップとなっている。また、11年にビッグCがカルフールのタイ事業を買収し、シェアを伸ばしている

*1. 主に食品・飲料、日用雑貨、タバコを販売する小売業態を指す。
*2. ハイパーマーケットやスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの近代的小売業態を指す。

【図4】 モダングロッサリーリテール市場

おわりに

タイは生産・輸出拠点として経済成長を続けていることから、購買力のある消費者が急増している。それに伴い、食品・飲料、日用品といった消費財の需要は拡大し続けており、今後もさらなる拡大が見込まれている。このようなことからタイは有望な消費市場として注目されているが、小売業、卸売業をはじめとするサービス業の多くに外資規制が存在する点には留意しておきたい。

なお、本文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをお断りいたします。

また、タイに駐在しているコンサルタントが現地での生活を通じて感じていることを「タイ小売市場の新興業態」にて紹介していますので、あわせてお読みいただければ幸いです。

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<レポート本編の目次>

マクロ環境
  ・基本情報
  ・政治の動向
  ・人口
  ・GDP
  ・所得水準
  ・個人消費
   ・投資環境としての評価
   ・外資規制/外資奨励
  ・インフラ整備状況

食品・飲料市場
  市場規模/カテゴリ別市場構成/主要プレイヤー
  ・加工食品
  ・ソフトドリンク
  ・ホットドリンク
  ・アルコールドリンク

日用品市場
  市場規模/カテゴリ別市場規模/主要プレイヤー
  ・美容・パーソナルケア用品
  ・ホームケア用品
  ・ティッシュ・衛生用品

小売市場
   ・小売市場規模
   ・モダングロッサリーリテールの市場規模/主要プレイヤー

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レポート本編では、各国市場についてのより詳細な情報を記載しております。ご覧になりたい場合は、問い合わせフォームより、「氏名、メールアドレス、会社名、部署名、住所、電話番号」を明記の上、資料請求の旨をご連絡ください。メールにてお返事の上、郵送させていただきます。

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