調査レポート

2014年版 ベトナム市場動向

ベトナムでは、経済成長や若年層の厚み、中間所得層の拡大などから、消費市場としての将来性が期待されています。本レポートでは、ベトナムにおけるマクロ環境と、食品・飲料市場、日用品市場、リテール市場の動向についてとり上げます。レポートのサマリーと目次を下記にご案内いたします。レポート本編は、ページ下の問い合わせフォームよりお申し込みいただけます。

マクロ環境

ベトナムは、インドシナ半島の東側に位置し、南シナ海に沿って南北に細長い国土を有している。面積は33万k㎡、総人口は8,877万人(2012年時点、以下同じ)である。北部には首都ハノイ(人口684万人)、南部には最大都市ホーチミン(人口768万人)、中部には主要港湾都市ダナン(人口97万人)があり、それぞれ地域性が異なっている。民族はキン族が9割弱を占める他、53の少数民族で構成されている。公用語はキン族の言語であるベトナム語だが、少数民族はそれぞれ独自の言語が認められている。仏教徒が8割を占めるが、キリスト教やカオダイ教なども信仰されている。

1976年の南北統一以来、ベトナム共産党による一党支配体制が続いているため、政治・社会的には安定している。1986年に導入したドイモイ政策を現在も継続しており、今後も外資導入に向けた構造改革や国際競争力強化を推進していく方向性である。外交面では、1995年に米国との国交正常化、ASEANに加盟、2007年にはWTOに加盟するなど、全方位外交を展開している。

人口は増加し続けており、30歳未満の若年層が約半数を占めていることから、消費市場としての将来性が期待される。GDPはこれまで外国投資に支えられて着実に成長してきており、今後も成長が続くとみられている。一人当たりのGDPも高成長が続いていることから国民の所得水準が上昇し、中間層世帯数が急増している。それに伴い、個人消費が急速に増加しており、今後もさらなる拡大が期待されている。

加工食品・飲料市場

所得水準の上昇とライフスタイルの変化により加工食品・飲料の需要が増え、加工食品、ソフトドリンク、ホットドリンク、アルコールドリンクの各市場は急速に拡大している。今後5年間は各市場とも金額ベースで10%以上の成長が見込まれている。

特にソフトドリンク市場は2008~2013年の年平均成長率が28%と急速に拡大している。茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ・栄養ドリンク、ジュース、ボトル入り飲料水等の各カテゴリとも売上を拡大しており、中でも紅茶飲料とジュースは2008~2013年の年平均成長率が30%超と成長が著しい。10年前は外資2強のペプシコとコカ・コーラによる寡占市場だったが、茶系飲料に強みを持つ地場タンヒエップファットグループが市場拡大に伴い売上を伸ばし、直近ではコカ・コーラに次ぐポジションを獲得している。
(加工食品、ホットドリンク、アルコールドリンクについてはレポート本編にて掲載)

日用品市場

経済成長に伴う所得上昇と美容・衛生意識の高まりを背景に、日用品市場は急速に拡大している。美容・パーソナルケア用品、ホームケア用品、ティッシュ・衛生用品の各用品とも今後5年間は15%程度の成長が見込まれている。

特にホームケア用品市場は2008~2013年の年平均成長率が20%と急速に拡大している。最大カテゴリのランドリーケアをはじめ、食器用洗剤、クリーナー、家庭用殺虫剤、トイレケア等の各カテゴリとも売上が拡大している。幅広く商品展開しているユニリーバは市場の過半を占め、圧倒的なトップポジションを築いており、2位のP&Gとの差は大きい。
 (美容・パーソナルケア用品、ティッシュ・衛生用品については、レポート本編にて掲載)

リテール市場

グロッサリーリテール*1市場は、トラディショナルトレード(TT)*2が78%を市場の大半を占めているが、モダントレード(MT)*3は都市部を中心に急成長している。MTは参入当初は価格設定がTTより高めだったが、TTに対抗して徐々に価格を下げたり、品揃えを強化したりすることで、顧客層拡大を図っている。都市部ではモダングロッサリーリテーラーの競争が激しくなっているものの、現状、圧倒的なプレイヤーは存在しない市場と言える。

2009年に外資100%の市場参入が認められたが、事実上の出店規制(ENT)*4が参入障壁となっている。2013年6月に同規制の要件が緩和されたものの、定義や運用範囲などに曖昧な点が残っている。

*1. 主に食品・飲料、日用雑貨、タバコを販売する小売業態を指す。
*2. 小さな個人食料雑貨店や市場などの伝統的小売業態を指す。
*3. ハイパーマーケットやスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの近代的小売業態を指す。
*4. Economic Needs Testとは、外資リテーラーが2店舗目以降を出店する場合に政府が実施する出店可否の審査を指す。

おわりに

ベトナムは、経済成長に伴い加工食品・飲料、日用品などの消費市場が急速に拡大していくとみられており、日系メーカーにとって魅力的な市場である。ただし、早期に進出したグローバル大手や地場大手による市場の寡占化が進んでいるため、既に流通している類の商品で参入しても市場シェアの獲得は容易ではないだろう。現地消費者の潜在ニーズを満たすような商品開発やまだ開拓されていない市場での先行参入など、他社の差別化が求められるとみられる。

一方、グロッサリーリテール市場については、MTが急成長していること、その一方でまだ圧倒的なプレイヤーがいないこと、外資規制の緩和が進んでいくことなどを踏まえれば、新規参入による事業機会が十分にあるといえよう。

また、メーカーが全国展開を視野に入れる場合には、販売チャネルは依然としてTTが主流であり、かつホーチミンやハノイなどの大都市が南北に離れているため、地域ごとに流通網を持つディストリビューターの協力を得る必要があるとみられる。

なお、本文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをお断りしておく。

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<レポート本編の目次>

マクロ環境
  ・基本情報
  ・政治の動向
  ・総人口/構成比
  ・GDP成長率/一人当たりGDP
  ・所得/個人消費 
  ・投資環境としての評価
  ・外資規制・奨励
  ・インフラ整備状況

食品・飲料市場
  市場規模/カテゴリ別市場構成/主要プレイヤー
  ・加工食品
  ・ソフトドリンク
  ・ホットドリンク
  ・アルコールドリンク

日用品市場
  市場規模/カテゴリ別市場構成/主要プレイヤー
  ・美容・パーソナルケア用品
  ・ホームケア用品
  ・ティッシュ・衛生用品

リテール市場
   ・グロッサリーリテール市場規模
   ・モダングロッサリーリテール市場の主要プレイヤー

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