調査レポート

2013年版 中国流通・小売市場

中国は2000年以降、工業製品の輸出急増を背景に「世界の工場」としての地位を確立してきましたが、高度成長を背景に所得水準が向上し、近年は「世界のマーケット」としても注目されています。本レポートでは、中国におけるマクロ環境と、流通チャネル、小売市場の概況などについてとり上げます。レポートのサマリーと目次を下記にご案内いたします。レポート本編は、ページ下の問い合わせフォームよりお申し込みいただけます。

マクロ環境

中国は、アジア最大の国土面積(日本の約26倍)と世界最大の人口(13.5億人)を有している。GDPは2010年に日本を抜き、米国に次ぐ世界第2位の経済大国となっている。首都の北京は政治・経済・文化の中心地となっており、国内最大都市の上海は商業・金融・工業・交通などの中心地となっている。

2012年11月、10年に亘る胡錦濤政権が終わり、2013年3月の全国人民代表大会で習近平政権が発足した。引き続き持続的で健全な経済発展を目指している。中国経済は、改革開放により輸出主導で急成長を続けてきたが、今後は内需拡大による安定成長が見込まれている。経済成長を背景に中間所得層が急増し、2012年には全世帯の6割を占めるに至った。今後は中間層の中でも購買力の高い上位中間所得層と富裕層の増加が見込まれており、消費が急速に拡大していくとみられている。 

所得階層別の世帯割合と個人消費

流通チャネル

中国市場は、広大な国土面積や所得格差に起因して、販売ターゲットが多岐にわたるので、流通チャネルが複雑だ。日系メーカーが市場参入する際は、先行投資を抑えられる代理店を活用するケースが多いが、ターゲット市場における有力な代理店を特定して、その中からパートナー候補を選定することが求められる。パートナーとしての能力をあらゆる面から網羅的に評価し、自社に合った代理店を見極めることが重要といえる。ただし、代理店の能力をどこまで引き出せるかは、メーカー側の代理店管理体制・プロセスの構築度や交渉ノウハウによる。 

小売市場

中国の小売市場はグロッサリー*及びノン・グロッサリーともに高成長が続いている。グロッサリーリテール市場はハイパーマーケットやスーパーマーケットなどのモダントレードが約6割を占めており、今後も急速な成長を続けていくとみられている。

仏カルフールは外資系リテーラーでは先行して中国小売市場に進出し、かつては外資系トップの座についていたが、2008年以降に躍進著しい台湾系RTマートや米ウォルマートに逆転されている。一方、地場の華潤万家や聯華超市は提携・合併を繰り返し、大規模な総合リテーラーに成長している。

* 主に食品・飲料、日用雑貨、タバコを販売する小売業態を指す。 

小売業における事業展開上のポイントと留意点

小売業の店舗展開においては、事業展開地域やターゲット顧客の特定、MD、商品調達力などが重要なポイントとなっている。一方、留意すべきことも多い。まず人事面では、2008年施行の新労働契約法により労働者の義務と権利が明確化・強化された。さらに同法の2013年7月の改正では、労務派遣業務の経営について明確な規範が設けられ、企業側の雇用に関する自由裁量権が制限されたので、柔軟な雇用調整が難しくなっている。

また、中国の小売業は、商品販売による粗利ではなく、メーカーに入店料や棚貸料、販売リベートなどの支払いを請求することによって稼ぐ構造にある。最近は行き過ぎた取引費用の徴収を規制する動きもあるようだ。さらに、取引先に関する煩雑な情報管理、主要都市の交通規制や輸入通関時の検疫内容の不透明さなどといった課題もある。 

おわりに

中国は経済成長の牽引役が輸出主体から消費に転換しつつあることから、従来の生産拠点としてではなく市場と捉えて進出する日本企業が増えている。ただし、メーカー・小売業ともに、進出する際には様々な留意点が存在することを考慮する必要がある。

なお、本文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをお断りしておく。

本レポートは、日系企業の海外案件を手がけるトーマツ日系企業サービスグループ Japanese Services Group(JSG)*の協力を得て作成したものである。JSGの中国担当コンサルタントが「中国における統括会社の設立」について解説しているので、あわせてお読みいただければ幸いである。

*レポート作成時点の組織名であり、現在は「DTC Global Strategy Office(GSO)」である。

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<レポート本編の目次>
マクロ環境
 ・基本情報
 ・政治の動向
 ・総人口/構成比
 ・GDP
 ・世帯所得/個人消費
 ・教育
 ・(参考)主要40都市の市場環境比較
 ・(参考)主要40都市の地理的配置

流通チャネル
 ・流通モデルの類型
 ・流通構造
 ・代理店の評価

小売市場
 ・小売市場規模
 ・グロッサリーリテール市場規模
 ・モダングロッサリーリテール市場の主要プレイヤー

小売業におけるビジネス展開上の留意点
  ・事業展開のポイント
  ・事業展開の留意点(1)人事
  ・事業展開の留意点(2)取引慣行
  ・事業展開の留意点(3)取引先/物流
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