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業界展望2020 小売

利便性という提供価値

消費者にとって、今日の購買体験はかつてないほど便利になったが、利便性への期待値は高まるばかりである。本レポートでは、2020年の業界トレンドと併せ、小売業として今後求められる利便性への対応について検討する。

2020年の小売業界トレンド

2019年は小売業界にとって転換の年となり、世界の小売業者のトップ5は安定性があるものの、有名企業の破産も見受けられた。

業界をリードする企業とそれを追う企業の差は、消費者が本当に望んでいるものを理解できているかという点である。特にサプライチェーン、デジタルテクノロジーの進化、およびその他の技術革新の収束において、消費者の期待がどのように変化しているかを理解することはこれまでになく重要になっている。

2020年は、不況や関税による影響により、小売業界が不確実性に見舞われる可能性があるため、小売業者は有事に備え対応策を検討しておく必要がある。しかし、これを低迷期を乗り切るための戦略を見直す良い機会ととらえることも悪くない。準備を整えるために、小売業者が優先すべき4つの要素として以下が挙げられる。

  • 顧客から見た「自社の存在意義」を再確認する
  • 資金を蓄え、成長に向けて投資する
  • テクノロジーやオートメーションを取り入れ、成長機会を活かす
  • 組織の外に目を向け、パートナーシップを活用する

(960KB, PDF)

消費者の期待の変化

急速な技術の進歩と社会の変化により、卓越した顧客サービスや体験に対する消費者の期待はグローバル化している。多くの小売業者は、競争力を維持するために、何を提供し、いかに利益を確保するかという難しい戦略的判断を迫られることになる。

利便性とは、顧客が主観的に「楽だ」と感じる経験である。消費者の利便性の認識は「時間が節約できる」から「1か所ですべてのニーズが満たされる」ものまであるが、多くの人々が求めているのは、肯定的な体験をしながら生活を簡素化するものである。人々は、商品を入手する作業を「外注」し、自身の時間は商品を使うことに費やしたいと考えている。

小売業者は、消費者が本当に必要としていることと、小売業者側に求められる品揃えや業務費用などの投資のバランスを見極めなくてはならない。変化に対応するには、より戦略的な投資と柔軟な計画が必要であるが、小売業者はどの視点で戦略を立てていくべきだろうか。

デジタル小売動向の要点

2020年には、更に利便性の高いオプションが数多く登場するだろう。小売業者がより利便性の高い小売体験を実現するためのステップには以下が考えられる。

  • 利便性は消費者の体験全体に関係するものであり、よりストレスの少ない買い物の工程かつ、付加的なサービスの提供も利便性に含有されることを理解する。
  • 利便性の概念が組織全体にまんべんなく織り込まれているかなど、組織全体での実績評価を行う。
  • 利便性は一時的な流行やトリックではなく、新しい常識であるため、自社のブランドプロミスに最も合った分野での利便性に投資をする。
  • 利便性において、消費者の支払い意欲と自社組織の投資意欲を見極める。

組織全体での取り組みを集約し、それをサプライチェーンに向けることで、新たな小売事業モデルが進化していく。この新しい冒険をうまく乗り切れるかどうかが勝負の分かれ目であり、こうした冒険によって小売業の未来が形成される。

原文(英語)レポートは以下よりご参照頂けます。

2020 retail outlook (PDF,1.5MB)

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