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変換しつつある小売業

モバイル・デジタル革新を業績向上に活かす

モバイル・デジタルの技術革新の急速な進展により、買い物でスマートフォンを利用する消費者が増えつつあります。本稿では、モバイル・デジタル革新が小売業者の業績にもたらす効果、及び小売業者がモバイル・デジタル技術を導入する際に活用できる顧客の期待値評価のフレームワークをご紹介します。

変換しつつある小売業

1. 今後、モバイル・デジタル革新への取組みは重要な経営課題になる
昨今モバイルやデジタル等の技術革新が急速に進んでいる。しかし、現在、モバイル・デジタル革新の潮流を捉え、活用している小売業者は限られている。このような中にあって、将来の小売店舗では、モバイル・デジタル革新により店舗デザインや店内環境、マーケティング、プロモーション等、現在とは根本的に異なる買い物ができるように変化していくと想定され、企業がいかにモバイル・デジタル革新に取り組むかは、今後の差別化戦略にも寄与する重要な経営課題である。

本稿では、そのようなモバイル・デジタル革新が小売業績にもたらす効果、及び小売業者がモバイル・デジタル技術を導入する際に活用できる顧客の期待値評価のフレームワークを紹介する。

2. モバイル・デジタル革新が小売業績にもたらす効果とは
モバイル・デジタル革新は、売上を向上させるだけでなく、コストを削減することが可能である(図表1)。例えば、モバイル広告を活用することで、少ない情報発信でも重要顧客へメッセージを届けられるだけでなく、マス向け広告と比べてマーケティングコストを削減できる。

3. 顧客の期待値を評価するフレームワークの紹介
同じ小売業であっても、商品カテゴリによって顧客のニーズは当然異なる。図表2は商品カテゴリ毎に顧客がどのような要素を重視するかを整理した表である。例えば、アパレルであれば、独創的なディスプレイや魅力的な照明・音楽等の店内環境、ファッションに精通した店員から顧客個人に合ったおススメ等が重要であるが、食料品店では全く異なる。顧客は事前に何を買うかを決めてから店内に入り、特定商品めがけて価格・鮮度等の実利を追求した買い物を行う。

モバイル・デジタル技術を導入する際には、顧客ニーズ(期待値)に合致した買い物を実現できるかを適切に評価することが重要である。

4. 積極的にモバイル・デジタル革新へ取り組むべし
将来、モバイル・デジタル革新の潮流を的確に捉え、活用する小売業者は成功を収め、活用できない小売業者は取り残されることになるであろう。取り残されないためにも、小売業者はIT企業や通信企業と手を組み、技術革新に取り組むべきである。業種の壁を越えて協業を実現したものは、着実に将来の市場を勝ち取ることが出来るであろう。デロイト トーマツ グループはそのような積極的な企業を支援したい。

【図表1】売上向上/コスト削減をもたらすモバイル・デジタル革新の関係

【図表2】モバイル・デジタル技術を導入する際の評価のフレームワーク

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