最新動向/市場予測

組織末端まで浸透したアナリティクス

Analytics Trends 2016

データを活用して貴重なインサイトを浸透できる組織、Insight Driven Organization(略してIDO)へと変貌を遂げようとしている。

Analytics Trends 2016

2016年はデロイトが「アナリティクストレンド」発刊を通し、今後の短期・中期的なビジネスの潮流に影響を与えるであろうと思われるアナリティクストレンドを分析し続けて3年目となる。アナリティクス関連のさまざまなトピックを定点観測しつづけた結果、一部のトレンドは一過性のブームとして消えることなく、ビジネス社会にしっかりと根を下ろしながら、きわめて速いスピードでさらに進化し続けていることが明らかになってきた。科学の領域では、急速な変化現象には注意深い観察が求められる。アナリティクストレンドについても同じで、急速に進化をつづけるトレンドは、ここで新たな目で見直すことが重要だろう。

予想外のスピード

わずか一年前に、全社規模でアナリティクスに投資している組織を探すのは容易ではなかった。大半の企業は、一部の主力領域のみにおいて限定的なアナリティクスケーパビリティの導入/改善に取り組んでおり、またそれだけでもたいへんな挑戦であるかのように思われた。

めまぐるしく変化する状況

個別領域でアナリティクスの成功事例を実現したビジネスリーダーが、この成功をより大きな規模で組織全体に敷衍できないだろうかと考え始めている。すなわちデータを活用して貴重なインサイトを浸透できる組織、Insight Driven Organization(略してIDO)へと変貌を遂げようとしているのだ。IDOは、選別されたインサイトを一部のビジネス領域における意思決定に活用する組織を意味するに留まらない。戦略/人員/プロセス/データ、そしてもちろんテクノロジーをすべて緊密に連動させ、組織の末端にいたるまで、日常業務のあらゆる場面において、インサイトを活用することのできる組織である。

IDO実現への基礎固め

IDOへの変貌とは、具体的にはどういう変革を指すのだろうか。「Analytics Transformation」や「Industrialized Analytics」といった構想を打ち立てているビジネスリーダーもいる。大半の企業はそこまで一足飛びにはいかないまでも、すでに、「データウェアハウスを増やすか、はたまたビッグデータインフラを構築するか」など、IDOへの変革を前提とした意思決定を行おうとしている。どちらの場合にせよ、これまでと変わったのは、アナリティクスに対する期待値の規模感である。ビジネスのわずか一領域での小さなアナリティクス成功体験では、もはや足りなくなってきている。アナリティクスがどれほどの果実をもたらしうるかが広く認識されるようになった今、どのようにしてアナリティクスを組織横断的に張り巡らせるかが、企業の大きな関心事となっているのだ。

インパクト

・社会へのインパクト:中程度

・ビジネスへのインパクト:大

・ピークの予測到来時期:3年後

・もっとも影響を受ける業界:金融サービス、小売、電気通信

・変革を牽引するであろう領域:IT、マーケティング、製造部門
 

ケーススタディ:UPMC Health Plan

ピッツバーグを本拠地とする医療機関、ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)は、提供する医療サービスや医療費の回収など、その組織活動全般にわたってアナリティクスで獲得したインサイトを活用している。どの医療機関でも一定程度のアナリティクス活用は見られるが、UPMCではそのアナリティクス活用度の深さに特筆すべきものがある。例として、UPMCが分析的インサイトの導出/活用を制度化するために構築した「学習エンジン」が挙げられる。このエンジンは伝統的なモデリングツールを機械学習ケーパビリティで強化し、「単一の正解」を組織全体に行き届かせるために構築された「管理されたデータレイヤー」を持つアナリティクス基盤で構成されている。

これにより、UPMCでは組織全体にわたり、データから得られたインサイトが活用可能となった。挫折せずに治療をやり通し、寛解にいたる可能性の高い患者の識別。患者の退院時点での再入院リスクの予測/管理。いまだスクリーニングを行っていない児童の中から、平均よりも鉛中毒リスクが高い児童を識別することにまで成功している。

UPMCのこうしたインサイトは、最高アナリティクス責任者(Chief Analytics Officer・CAO)の指揮下にある、100名近くのデータ分析官やデータサイエンティストで構成されたハブ&スポーク型アナリティクス専門チームが、集中化・分散化させたアナリティクスを活用することで、獲得している。

Deloitte Analytics へのお問い合わせ

サービス内容、並びに取材・広報・講演依頼に関するお問い合わせは、下記のお問い合わせフォームにて受付いたします。お気軽にお問い合わせください。

 
>> オンラインフォームより問い合わせを行う <<

※お問合せにつきましては、担当者よりメールにて順次回答しておりますのでお待ちくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

お役に立ちましたか?